始まりました!森林体験学習(植え付け編)

 今日の午前中は森林体験学習を行いました。これは、耳川広域森林組合の皆様と苗木を育てていらっしゃる講師の方(本校児童のおじい様)の御協力のもと行われるものです。子どもたちが楽しみにしているウッジョブ諸塚がいよいよスタートします。

 今回のねらいは「わくわく学習において、ふるさと諸塚を支える基幹産業である林業の仕事の全体を捉え、もっと詳しく知りたいことや調べてみたいことなど問いをつかむきっかけとなるとともに、林業に携わる人々の工夫や努力にふれる」この日のために、4月30日(木)に校長先生と職員が森林組合諸塚支所へ伺い、打合せをさせてもらっていました。今日は森林組合の方が5名、そして講師の方々が2名、計7名もお越しくださり森林体験学習を行いました。

【朝、全員元気に集合しました】 【森林組合の方々も朝早くにお越しくださいました】

 いよいよ植林・挿し穂を採取する山へ出発です。今日は地域の方の山がある長野という場所まで行きました。途中までは整備された道だったのですが、所々に大きな石や枝が落ちているのを見て「あ!いのししの仕業だ」と話していたり、「この道は軽トラじゃないと無理やね」などと話しながら、ガタゴト上下左右に揺れる車内を楽しんでいました。


  【長野ってどんなところかなぁ】

 そして、約25分くらいすると長野にある山に着きました。まずは講師の先生からお話がありました。一番はじめにお話しされたことは「けがをしないように作業すること」ということでした。「けがをしたら元も子もありません。安全に作業しましょう」とおお話くださいました。その後、森林組合の方からもお話がありました。その中で「今日行う作業は基本中の基本の作業です」とおっしゃっていました。何でも基本というものは大切で、それを怠ってしまうと根幹が揺るぎうまく軌道に乗りません。その大切な基本の作業をひとつひとつていねいに行っていきたいと思います。


  【御指導よろしくお願いします】


【あの上まで登るよ~】  【急な斜面、気を付けてね】

 植え付けをする場所まで着くと、1年生が「すごーい!!」、「どうやって下りると?」等と嬉しそうに話していました。子どもの中には「枝にロープを付けてバンジージャンプができそう」と話す子もいました。
 そして早速、植え付けについての説明をしてくださいました。

 1 2mに切った竹の棒で距離を測る。この時竹の棒を水平にする
 2 植林する場所の枯葉などを取る。
 3 クワで土を掘る。(土がザラザラした所の方がスギが太る)
 4 10㎝~20㎝の深さまで掘る。
 5 スギの根っこが広がるように掘った所に置く。
 6 中の湿った土をスギの根元にかけ、少しスギの苗を引く。
 7 軽く踏む。
 8 もう一度土をかぶせる。
 9 スギを引きながらもう一度しっかり踏み固定する。


【斜面に沿って測るのではなく、水平に2m測ります】


【山から落ちないよう身体は上を向けて作業します】


  【力を入れて土を掘ります】        【根っこを広げてね】


【乾燥はよくないので湿った土をかけます】 【そして 踏み固める】

 【植え付け できあがり】

 これらのお手本を見て、いよいよ子どもたちが植え付けをします。植え付けをする場所には竹の棒を挿してくださっているのですが、そこに石があったり木の根っこがあったりして、苦戦する子どももいました。また、「面!面!こて!」などと掛け声をかけながら土を掘る子ども、土からひょっこり出てきたミミズを、植え付けるスギと一緒に土の中に帰してあげる優しい子どももいました。お手本はしっかり見たものの、実際に作業してみると掘る深さが分からず、「これくらいでいいかなぁ」と話す子どもには森林組合の方が「もうちょっと深く掘った方がいいね」とアドバイスをしてくださっていました。
 植え付けが終わると子どもたちは、「こんなに大変なんだ。1本植えるだけでも大変」とか「腰が痛い」など顔に汗を光らせつぶやいていました。


 【これでいいかなぁ】    【よ~し!ぼくが苗を入れるぞ】


       【今年度は1・2年生も植え付けに挑戦!】


  【1年生も上手にできたね】

 植え付けをした所から下りる時には、2年生の男の子が「カニさん歩きで行くとよ!」と教えてくれていました。「何で知ってると?」と尋ねると「むかばきの時に山が濡れている時とかはカニさん歩きって教えてもらいました」と話していました。1年前の学習もしっかり身に付いているんだなぁと感心しました。

 山から下りた後は、ふりかえりを行いました。「穴もほって植えることができた」、「急な斜面を歩いて作業をすることが分かった」と話す2年生、「苗の植え方がちゃんと分かった、家でも苗を植えてみたい」と話す4年生、「急な坂を上ること、植えることを初体験しました。山で働いている人の苦労が少し分かりました」と話す5年生、それぞれに体験してみて初めて分かったことがあったようです。

 その後、森林組合の方から毎日このような植え付けをしてくださっている方のお話を聞きました。作業班で植え付けをされる方々は1日に200本から250本の植え付けをされるそうです。状態のいいところだと300本も植え付けをすることがあるそうです。これから暑くなる季節になると、厳しい環境での作業になることと思います。その方々のご苦労や工夫を体験を感じることができたようです。体験がとてもいい学習になりましたね。


【わざわざ様子を身に来てくださってありがとうございます】