わくわく学習応援隊発足式 第2部(高学年発表)

 次に高学年の発表が行われました。
 まずは「林業発信」というテーマでの発表でした。「木材を使っている人たちは、今まで知られていなかったよさを見て使っているのではないか」「自分たちが知っていること以外にもよさがあるのではないか」という思いから、木材のよさを改めて見直しそれを発信していきたいということです。それを木の紙に印刷したポスターにしたいと考えています。応援隊の方からは「苗木不足というのは、苗木を挿す人の高齢化や穂木を採る人が少なくなっているという現状がある」とお話いただいたり、「ポスターを作る時には対象を考えることが大切」、「どういう気持ちで林業の魅力を感じているのかを絞ると面白い」などのアドバイスをいただきました。また、木の紙に写真を印刷できるかどうかについては、「印刷はできるが、木の色味が強いと写真が分かりにくくなる」などと注意点もお話いただきました。


【林業の魅力、自分で感じて表現できるといいですね】

 次に「指令:人材確保せよ」というテーマで発表をした6年生。新聞記事等から人材確保が必要だと感じたこの児童は「二度見」、「感動」してもらえるようなパンフレットを作りたいと考えました。この計画を聞いた応援隊の方からは「何のために、誰のために作るパンフレットなのかを明確にするといい」、「インパクトのある写真を使う」、「林業に携わる女性に注目しても面白い」等とアドバイスをいただきました。また、「こういう教育が諸塚を背負っていく。練って知恵を出して作ってみてください」と応援の言葉もいただきました。


【興味をもたせることが先決!との助言もいただきました】

 3人目は「心が動けば人が動く」というテーマで発表しました。諸塚の森のよさ、林業する人の姿、人材の必要性、林業のメリットを劇やCMを通して発信したいという内容です。このことを考えたきっかけは、諸塚村は林業立村で営むという考え方があるが、林業に携わる方々の高齢化や人材不足で林業立村が継続できるかどうか心配になったからです。そこで、人材確保を目標にCMという手立てを考えました。
 応援隊の方から「インターネット上の動画投稿サイトで配信するなら、15~30秒で考えてみてはどうか」とか「最初の何秒かでインパクトのあるものを見せる」、「林業をしている人はチームワークが抜群である。そのような様子も入れられるといいのでは」等、有難いご意見をいただきました。


【内容の構成が最重要課題ですね】

 6年生最後は「ハッピーなツアーに」というテーマでした。この児童も人材確保を課題と受け止め、今までにないようなツアーを考えてたくさんの方々に諸塚へ来てもらいたいと考えたそうです。そして、諸塚のよさをアピールすれば林業への人材確保にもつながると考えています。そのツアーに、木で歯ブラシやコップを作るという内容も盛り込む予定です。始めは、先着3名に木で作った歯ブラシ・コップを送ると考えていたのですが、先日観光協会の方に参加者が自分で作った方が記念になるし愛着も湧くとアドバイスをいただき、計画の内容を変更していました。
 応援隊の方からは「諸塚村でもツアーは何度も行っている。誰を呼びたいのか、日帰りか1泊2日か等も決めていくといいと思う」、「木でコップを作ることはできるが、彫刻刀で彫るのは難しい」、「コップはまげで考えるといいのではないか」等と専門的なお話もいただきました。


【村で行っているツアーの組み方も参考になりそうですね】

 次は5年生の発表です。
 まずは「絆プロジェクト」をテーマにした発表です。「諸塚村/むらづくり基本コンセプト」を読み、「諸塚村にひとづくりの基盤があるのは、地縁、血縁などを含めて、そこに住む人々がお互い助けあい、支えあっているからです」という内容にこの児童は着目しました。そこで、施設に入所されているおじいちゃん・おばあちゃんと家族の絆づくりをしたいという思いができ、このようなテーマになりました。具体的には木でフォトフォルダーを作成し、それに家族の写真を入れて貰いたいと考えているようです。
 応援隊の方々からは「安定する長さというものがある」、「ずっと残るものだからいい木で、腐らないものがいい」、「ヒノキとスギをマッチングさせるのもいい」、「円という形は縁起がよいとされ評価されている。円を使ってみても面白いのではないか」等、色々なアイディアをいただきました。


【円のフォトフォルダー、面白そう】
 
 最後は5年生の「永久に続け、林業立村」というテーマでした。この児童は宮崎県の豊富な森林資源の需要があるということを新聞記事で読んでから、あまりにも木を切り過ぎると宮崎県の森林が失われると危惧していました。しかし、森林組合の方から「山一面木がない山はない。切ってもちゃんと植えるので、宮崎県の森林が失われることはない」との言葉をいただき安心したようでした。「一方、穂木を採る人や苗木を育てる人が少なくなっているという問題もある」とのお話から、、宮崎県の森林がなくならない秘密を発信したり、林業の仕事をする方の人材確保をしていきたいと考えました。
 応援隊の方からは、「人材確保の手段はインターネットやハローワークなど色々あるが、一番いい方法というものはない」、「おじいちゃんから孫に引き継ぐという形も注目されている」、「女性登用を考えている」等、人材確保の手立てをたくさん教えていただきました。


【たくさんのエールをもらいましたね】

 全員の発表が終わり、ふりかえりをしました。中学年の児童は「枕にはヒノキがいいと教えていただいてよかったです。ぼくは木の枕を作ります」と宣言をしました。高学年の児童は「木のコップや歯ブラシについて、ネットや本で調べたいと思います。そしてたくさんの人を諸塚に呼び込みたいです」とツアーへの意気込みを語りました。

 今まで学習してきた中でのハテナが解消された子どもたち、そして新たな課題をもらった子どもたち。様々な職種の方々が応援隊に入ってくださり、色々な見方を学ぶことができました。子どもたちにとっても職員にとっても大変充実した時間になりました。わくわく学習応援隊の皆さま、本当にありがとうございました。