都城市小学生読書感想文コンクールで最優秀校賞受賞!
「令和元年度第24回都城市小学生読書感想文コンクール」で、最優秀校賞を受賞しました。
2月29日(土)に都城市立図書館で行われる予定の表彰式は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となりとても残念でしたが、先日学校に賞状が届きましたので紹介します。
応募総数6450名(児童総数の68%)の中で、3名の児童が賞をいただきました。
【学校賞】 ・最優秀校
【個人賞】 ・銀賞 :5年 宮﨑さん ・銅賞 :2年 蔵元さん ・佳作 :3年 田畑さん
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銀賞をいただいた、「ニケと出会って」という5年生の作品を紹介します。
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『ニケと出会って』 吉之元小五年 宮﨑 羽捺海
私がこの本を読もうと思ったのは、表紙の子猫の絵がとてもかわいかったからだ。猫好きの私は、ふわふわのその三毛猫に触ってみたいと思ったほどだった。
物語は、やたらと太陽がまぶしいある日に始まる。玄太の幼なじみ仁菜が公園で見つけた子猫を放っておけずに、玄太の家に連れてきた。仁菜のお母さんは猫が苦手だから、動物好きの玄太の家で飼ってもらおうと思ったのだ。私は捨て猫を見たことはないけど、私も仁菜の立場だったら、同じように放っとけなかっただろうなと思った。
仕事を終えて帰ってきた玄太のお母さんに事情を説明すると、とにかく病院に連れて行こうとなり、診察を受けた。生後二~三週間で女の子だということが分かった。体温も下がっており、弱っていたが、注射をし、ミルクをあげたら、少し元気になった。ここからニケと玄太達の生活が始まった。初めミルクは注射器であげた。わたしの家にも猫が四匹いる。この猫達が小さい時、同じように注射器でミルクをあげたことをなつかしく思い出した。子猫の名前は、拾い主の仁菜がニ毛猫の「ニケ」と付けた。本当は三毛猫だけど、拾われたときは、うすよごれた二毛猫だったのだ。
ニケは、玄太の家族や毎日やってくる仁菜に囲まれて元気に育った。玄太と仁菜は、仁菜のおばで保護猫のボランティアをしている楓さんに話を聞く機会があった。仁菜の母親、雅さんがその機会をつくってくれたのだ。雅さんは猫が嫌いなのではなく、かつての自分の経験から仁菜に最後まで責任をもって生き物を育てる覚悟をもたせたかったのだ。楓さんのボランティアの仕事は、保健所に連れて行かれたり、飼いきれなくなったりした猫や野良猫等、保護団体が保護した猫を新しい飼い主が見つかるまで一時預かるのというものだ。
私はこの間、社会科見学で行ったみやざき動物愛護センターのことを思った。そこではこれまで殺処分されていた犬や猫が保護されていることを知った。また、一度飼い始めたペットは最後まで責任を持って飼うことや寿命を全うせずに私達の食料になる家畜のことなど「いのち」のつながりについての授業も受けた。楓さんの話を読みながら、センターで学んだことを思い出した。もちろん、私は今飼っている四匹の猫たちを最後まで責任を持って飼うという約束を母として飼い始めた。猫達の世話は全くといって良いほど苦ではない。
楓さんのアドバイスもあって、ワクチンの接種もし、「ニケがいる」あたらしい日常をゆっくりと楽しんでいた矢先、ニケは倒れ、病院に運ばれる。ニケが診察を受けている間、ニケのことが心配でドキドキしながら待つ玄太の気持ちが伝わってきて、私までドキドキしてしまった。診断は、子猫はほぼ助からない猫伝染性腹膜炎だった。「安楽死」の選択をしようとした玄太一家だったが、元気なときはふわふわで、いつも毛づくろいをしてきれい好きだったニケを、がさがさでべとべとになったまま死なせたくないという玄太の一言で家に連れて帰り、きれいにしてあげ、仁菜と玄太の家族でニケを見送った。私は涙が止まらなかった。玄太や仁菜の気持ちが分かりすぎるくらいよく分かった。たった2ヶ月半の子猫のまま死んだニケだった。
玄太が最後に言う。
「ニケ、本当はもっと生きたかっただろうなあ。おいしいものいっぱい食べて、いっぱい走り回って、いっぱい遊んで・・・。ニケの一生には、たぶん悩んだりためらったり立ち止まったり、そんなひまなんてなかったに違いない。ニケはいつだって全力疾走で生きていた。ぼく達は、ニケの分まできっと、一生懸命に生きなきゃいけないんだろうな。
生きてるって、それだけでキセキみたいなものなのかもしれない。だからこそ生きるぼく達は、いつまでも立ち止まってちゃいけないんだ。」
この言葉に、私は胸をぎゅっとしめつけられたような気がした。玄太はニケとの短い日々の中で、いのちのとうとさを学んだ。私もいっしょに学んだ。そして、ちょっとしたことで不登校になっていた仁菜にもこの言葉が届いた。
私が学校や家で何かあった時、私の心をなぐさめてくれるのは、我が家の猫達だ。時々悪さをしたり、猫同士でけんかをしたりもするけど、私を一番落ち着かせてくれるのはこの子達だ。私はこの猫達との出会いに感謝している。私はニケとの出会いで、またこの猫達を最後まで責任をもって飼う覚悟を心に強く誓った。
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