日誌

「珍しい体験でした! ~ 舞台芸術体験ワークショップ「雅楽」

 9月9日(火)の午後は、熊野江小学校全校児童と一緒に、文化庁から派遣された「伶楽舎(れいがくしゃ)」の中の6人の方々をお迎えして、日本の伝統音楽で世界文化遺産にも登録されている「雅楽」を体験しました。
 
  雅楽とは、東西南アジア各地からシルクロードや航路などを経て日本に伝わり、およそ1300年経った今日に至るまで、宮中や寺社などで受け継がれてきた儀式音楽のことで、各地から伝わってきた楽器によって合奏する「管絃(かんげん)」や、独特の衣装やお面を身にまとい、ゆったり大きく踊る「舞楽(ぶがく)」などがあります。
 
  はじめに管絃では、奈良の大仏で有名な東大寺の開眼供養祭の時にも演奏され、現在も神式の結婚式で演奏されることの多い「正調 越天楽(せいちょう  えてんらく)」を鑑賞しました。
 
       「越天楽」の吹きものによる合奏を鑑賞する児童生徒
  
  次にこの曲の一部を、本物の楽器で合奏できるようにするために、使われている楽器~今回は吹奏楽器である「吹きもの」と打楽器である「打ちもの」にチャレンジしました。一般に楽器で音楽を奏でるためには、楽譜を見たり覚えることが必要になってきますが、まず楽器を鳴らす前に、雅楽で使われている楽譜を歌って覚える「唱歌(しょうが)」を体験しました。
 
 
  吹きものである「笙(しょう)」「ひちりき」「龍笛(りゅうてき)」では、実際に楽器を手に取って、音が鳴らせるかどうかチャレンジしました。
笙を吹く生徒たち ひちりきを吹く生徒たち 
 
  打ちものである「鞨鼓(かっこ)」「楽太鼓(がくだいこ)」「鉦鼓(しょうこ)」では、楽器の前にあぐらをかいて座り、バチの持ち方や作法を習い、越天楽に出てくるリズムを叩けるかどうかチャレンジしました。 
鉦鼓を鳴らす生徒 楽太鼓の響きの止め方を習う生徒  
 
  最後に、代表の児童・生徒が打ちものを受け持ち、伶楽舎の方々に吹きものや琵琶(びわ)・箏(そう)といった「弾きもの(絃楽器)」を受け持っていただき、児童生徒、先生方も一緒に唱歌を歌って、越天楽の合奏の響きを、自分自身で体験しながら味わうことができました。
 
 
 
 
 
   また舞楽では、1460年ほど前に中国にあった北斉という国の皇子のことを描いた「陵王(りょうおう)」という舞の一部を体験しました。陵王はいわゆるイケメンで声も美しく、兵達は見惚れてしまい、士気が上がらなかったため、それを気にした陵王が敵に侮られるのを恐れ、出陣する時には必ず怖いお面をかぶり、勇ましく戦ったというお話を踊りにしたものです。
 
       「陵王」の最後のポーズを決める練習をする生徒たち
            
   剣を振りかざすゆったりとした動きや、踊りの最後の場面での決めポーズを、子どもたちは喜びながら何度も踊っていました。
 
  なお今回行われたワークショップの一部は、11月19日(水)の午後から行われる舞台芸術鑑賞教室の中で、伶楽舎の方々及び生徒・先生方の代表が一緒になって演奏が披露されることになっています。ぜひ足をお運びください。