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宮崎県高英研事務局

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会長あいさつ

コロナ禍に思う

 

宮崎県高等学校教育研究会英語部会

会長 富髙 啓順(本庄高等学校長)

  自分の教育実習で印象に残っていることの一つにフラッシュカードの使い方があります。新出単語を黒マジックで書き、アクセント記号や第一アクセントのある場所の発音記号を赤で記入して作り、授業前にカードを示すタイミングや見せ方を練習しましたが、指導の先生から「発音には口形も大事なので、フラッシュカードで口元が隠れないように気をつけなさい」と助言をいただきました。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、マスク着用が推奨され、生徒には先生の口形が見えないだけでなく、発音を明瞭に聞くことができないのではないかと心配です。                                                                            

これまでとは真逆で、授業中大きな声で話さない、対面で話さないなどの指示をされているかもしれません。接近しないで話すことのほうが安全・安心であるといった心情の変化もあるでしょう。コロナ前は、聞き手が聞こえやすいように声を出して話すことを授業で行ってきましたが、今はささやかなくてはいけないかもしれません。生徒によっては話したくないという場合もあるでしょう。

こういう状況の中、全国や九州のスピーチコンテストやディベート大会が中止となり、研究大会も開催取りやめとなっています。感染者が長期にわたって確認されていない本県においても総会及び英語教育セミナーは中止としました。いつまでこのような状況が続くのか定かではありませんが、日本全国だけでなく世界とつながっている以上は、宮崎にウイルスが持ち込まれるリスクは常にあります。世界のほとんどの国と同様、日本も新型コロナウイルスの封じ込めを諦めて、このウイルスと共存する道を選んだように思えます。コロナフリーは現実的ではなく、地域で発生することはあっても広げないことを念頭に、生徒の日頃の学習成果の発表の場の提供と安全・安心の確保とのバランスを取りながら、段階的な取組を進めていくことが必要であると感じています。

皮肉にもこれまで立ち後れていた教育現場における情報通信技術の整備が、コロナ禍により急ピッチで進められることになり、フラッシュカードの使い方や飛沫感染に悩むことのない、オンラインでの授業が現実味を帯びてきました。これまで、単語の暗記や問題演習など「一人で、家でできること」と「授業(学校)でしかできないこと」を分けて指導するとよいと言われてきました。ICTと外国語教育との親和性が高く、オンラインの双方向性という強みがあることから、今後、知識を伝授するだけでなく、物理的距離を気にせず先生や友人、場合によっては海外の英語話者との話すこと([発表][やり取り])の機会が増えることになるでしょう。教師の役割については、稿を改めるとして、学校の役割として、人間関係の体験を重ねる中で、生徒と対面で、もしくは生徒集団の中でしか行えない授業がますます求められることになるのではないでしょうか。              

生徒が話す際に、例えば、自分の前にはimaginary friendがいて、彼・彼女は自分より年齢が低いために、より分かりやすく、ささやいて自分の考えを伝えましょう、といった設定をして活動を行うなどの工夫ができるでしょう。また、キーボードで英文を入力する活動を行うなど書くことの指導に力を入れる学校があるかもしれません。生徒の友達と話をしたい、話を聞いてもらいたい、文字で伝えたいといった気持ちを大事にし、同時に不安に感じている生徒に配慮や指導の工夫をしながら、これまでのように生徒同士や教師と生徒のinteractionが行えるとよいと思います。それが生徒の外国語でコミュニケーションを図ろうとする資質・能力の育成に大きくつながるでしょう。                                  

ここ数か月に起こったことは、誰も経験がなく、解決策も正解もないことです。不安や不便がもたらされていますが、生きた教材にもなり得ます。withコロナ、afterコロナの英語教育について、高英研会員のみなさんで研究し成果と課題を共有することで、宮崎モデルを作ってみませんか。