宮崎県(みやざきけん) 日南市立(にちなんしりつ) 吾田東(あがたひがし)小学校のHPです!

まるこちゃんと歩んだ平成の日々

 現代の清少納言さくらももこさんが亡くなりました(正確に言うと8月に)。私は昭和34年生まれですが、長女は平成元年生まれ。三人の子どもたちの子育ての開始時期は、ちびまるこのテレビ放映(平成2年)と重なっています。子どもが小さいうちは、よく一緒に「ちびまる子ちゃん」をテレビの前に座って、笑い転げていました。まるちゃんとその友達に焦点を当てれば、自分の小学生時代が懐かしく、ヒロシを見れば父親としての自分と重なり、かなり共感度の高いアニメーションでした。亡くなった母は枕元にさくらももこのエッセイが何冊か置いてありました。たぶん姉かだれかが、励まそうとして置いていったものかもしれません。最近は、私たち夫婦の子どもたちも巣立ってしまい、もとの二人きりになってしまいました。平成の子育ては終わったという感じです。
 漫画の中のまるこはいつまでたっても小学三年生ですが、その後日譚(中学から漫画家デビューまで)は「ひとりずもう」というコミックでの中で描かれています。実際は人はだれでも、年をとらずに生きていくことはできません。みんな大きくなって、出会いと大事な人との別れを繰り返していきます。彼女の死で「まるちゃん」ともお別れです(テレビは続くかもしれませんが……)。「ちびまる子ちゃん」をとおして昔の友達に出会わせてもらったような気がします。本校の子どもたちも、今のままの自分ではおれないし、いつかは変わっていかなければならないと実感することでしょう。ちなみに、この「ひとりずもう」は、上下巻の構成で、ももこさんの死後、ハードカバーの中古本は価格が急上昇してしまいました。上下巻ともに、秀逸な内容で、感動の涙が出ます。そのためか下巻の方が価格が高くなっています。でも文庫本は、現在も新品で安価に入手できます。いずれにしても、読んでみませんか。
                    校長 都成 量