今年度、都城市立高城中学校より赴任してまいりました。2年前、妻ケ丘中学校で教頭として勤務させていただき、再度、校長として勤務させていただくことになり、大きな喜びを感じております。それと同時に、歴史と伝統ある妻ケ丘中学校の校長としての重責に、不安を感じております。しかしながら、赴任後、約2ヶ月が過ぎ、体育大会や生徒総会等の大きな行事を終え、改めて妻ケ丘中学校の生徒のパワーに感動し、毎日、元気をもらいながら、勤務をさせていただいております。本当に有り難いです。それでは、私が校長として、特に重視している内容を3つほど述べさせていただきます。
先ずは、今年度、新たに本校の教育ビジョンといたしました「自立 感謝 貢献」です。これは、前校長である深江祐史校長先生(現姫城中学校長)が、3年間、継続して行ってきた取組です。「自立」とは、自分の頭で考え、判断し、行動することです。これは、現在、求められているプレゼンテーション能力と捉えています。しかし、「自立」を推進する中で、必ず困難や壁にぶつかります。自分の力だけでは限界があります。そこで他者に依存することが大切です。多様な時代だからこそ他者に依存しなければなりません。そうすると、そこで「感謝」が生まれます。「感謝」が生まれたら、今度は逆に困っている人や地域のために、見返りを求めず「貢献」するのです。顕著な取組として、近年、本校では生徒会執行部が主体となり、公民館清掃の活動や、妻ヶ丘地区ふれあい祭りの企画・立案・運営に参画しています。そして、今年度から新たな取組として、小鷹神社の祭りの企画・立案・運営にも参画することになりました。また、毎年、都城市全体で実施しているボランティアフェスティバルにも、多くの生徒がボランティアとして参加しています。このような取組は「してあげる」という概念を捨て、「我が事(自分のこと)」として取り組むことが大切です。そのような気持ちで取り組むことが、ウェルビーイングの実現へと繋がっていきます。しかし、課題もあります。地域との連携を推進していますが、生徒会等に地域の方々から多くのご依頼を頂くようになりました。大変有り難いことですが、対応できない状況になりつつありますので、整理及び調整を行っていかなければなりません。
次に、本校の重点取組事項の一つである「命を大切にする教育の推進」です。近年の異常気象への対応、登下校の交通指導、いじめアンケートの毎月1回の実施、教育相談、SOSの出し方教育、教育講演会等、学校では多岐にわたる取組を行っています。そして、校長として機会あるごとに、生徒の皆さんにお願いしていることは、「自己肯定感(自分の存在をそのまま認める)を高め、全ての自分を受け入れる」ということです。自分というものは一つではありませんし、無理に一つにする必要はありません。先行き不透明な多様な時代だからこそ、多様な自分が必要です。ただし、人を傷つけたり、人に迷惑をかける自分がいたら、これ以上大きくならないようにし、いずれ消えてなくなればよいのです。自分を受け入れることで自己肯定感が高まり、自己肯定感を高めることが自分を大切にすることにつながります。そして、自分を大切にできなければ、人を大切にすることはできないと思います。
次に、職員の働き方改革の推進です。様々なメディア等の報道でご存じだとは思いますが、今、日本の教育界を取り巻く問題は多く、学校現場も教員不足を皮切りに、様々な問題が山積され、教育界は危機的状況だと感じています。「教育が衰退すると国が滅びる」という格言があるとおり、国、県、市町村は「働き方改革の推進」「教員の処遇の改善」「教員の人員確保」「部活動の地域移行」に着手しておりますが、中々、難しい課題が多く、即効性のある改善は望めないのが現状です。当然、学校も継続した努力を行っていく所存ですが、なによりも保護者の皆様のご理解とご協力がなければ、到底、達成することはできません。どうぞうよろしくお願いいたします。
結びになりますが、本年度も、職員が一丸となり、子どもたちを真ん中に据えた教育活動を取り組んでまいります。保護者の皆様も、学校経営の一番の協力者であると考えていまので、これからも温かいご支援の程、よろしくお願いいたします。
第29代 校長 飯干 裕二
電話番号
0986-22-0283
FAX
0986-22-9236
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