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キラキラ 第70回卒業式

 土々呂中学校第70回卒業式が盛大に行われました。
 延岡市教育委員会、関係各位の皆様、地域の皆様、ありがとうございました。

 ~答辞~
 春の日差しが降り注ぎ、土々呂中の桜のつぼみが今か今かと花を咲かそうとする今日、私たち、3年生160人は土々呂中学校を卒業します。
 3年前、春風がそよぐ中、一回りも大きな制服に身を包み、先輩方が見守る中、この体育館で入学式を迎えました。あのときと同じ場所、同じ風景にいながらも、3年という月日が、ブカブカの制服を袖も丈も短くし、たくさんの経験が私たちを大きくたくましくそして何より成長させてくれました。

 その中でも部活動は、全く何もできない0からのスタートで始めたにもかかわらず、日を重ねていく中で、0が0でなくなり、1年後には後輩に教える立場になり、人に教えることの難しさを学びました。そうなるまでに、やはり先輩という存在はとても大きく、先輩方が全力で部活動に取り組む姿勢や、自分の練習の時間を割いて教えていただいたことで、プレーする楽しさやうまくならない悔しさ、同じ悩みを分かち合える同級生の存在の大きさを部活動を通して経験できたことは、これから何か新しいことへチャレンジするときの支えになると思います。

 そして、心待ちにしていた修学旅行。雨の朝、先生方、保護者の皆さんの見送りを背に出発しました。初めての地を訪れるにあたり、皆で下調べや準備をしていく段階から修学旅行は始まり、まだ知らぬ土地への思いでワクワクしました。そして、実際に各地を訪れることで感じることがたくさんありました。長崎で目にする戦争の爪痕は、戦争を知らない私たちにとってあまりにも衝撃的で言葉になりませんでした。そして神戸では、阪神淡路大震災から20年、自然の恐ろしさを知ることで、今、日向灘の近くに住む私たちにとって決して他人事ではないと感じました。そして何より楽しみにしていたUSJでは、私たちの想像をはるかに超えるアトラクションの数々に、時がたつのを忘れるほど楽しみました。この3泊4日の中で、時間を守ることの大切さと人と合わせることの難しさを学ぶことができたと思います。

 そして私にとって一番印象に残るのは、今年度の体育大会です。入学して初めて、クラス全員が同じハチマキをすることができました。男子が体と体をぶつけ合い戦う姿はたくましく、女子が大きなタイヤを奪い合う力は想像以上で、リレーでは皆がクラスのバトンをつなぐために全力で走り抜きました。この体育大会の成功の陰には、各団の団長をはじめとする多くの役員の努力がありました。今、目を閉じれば、あのときの皆の真剣な顔、大きな声が聞こえてきそうです。

 このように振り返ってみると、私たちは何気ない日常の中に、たくさんの学びと思いがぎっしりと詰まった特別な時間を刻んできました。その時々にいつも側にいたのは仲間でした。その存在に幾度となく励まされ、ときには自分が励ます立場になり、お互いが切磋琢磨することで成長できたのだと思います。そんなかけがえのない仲間と過ごした一瞬一瞬は、私たちにとって決して忘れることのできない時間となりました。

 先生方には、どんなときも私たちを諦めず、毎日のように指導していただきました。思春期真っ只中の私たちは、時に自分の感情のままを態度や言葉に出し、注意されても素直に聞くことができない時もありました。それでも私たちに本気で向き合ってくださいました。本当にありがとうございました。

 在校生の皆さん、土々呂中学校の伝統を繋ぐバトンを今託します。どうかしっかり受け取り、土々呂中学校で多くの事を学び、後輩の皆さんにバトンを繋いでください。

 家族の皆さん、今まで部活動の送迎、応援、受験の時のサポートなど、いつも一番近くで寄り添い、支えてくださりありがとうございました。おかげで私たちは今日9年間の義務教育を終えることができます。そして明日からは、自分で選んだ道を歩むことになります。初めて、自分で進路を決めることに不安と期待とそして何よりも責任を感じています。そんな私たちですが、どうか今まで同様、時に厳しく、時に暖かく見守っていてください。

 いよいよ別れの時が近づいてきました。今、私がこの瞬間に思うことは、できることならこの制服を着て、明日も明後日もその次の日も、土々呂中学校へ登校したい。いつものように「おはよう」と言い、席に着きたいという思いです。それほどに私は土々呂中学校が大好きです。
 その大好きな土々呂中学校で学んだ3年間をしっかりと胸に刻み、明日から私たちが踏み出す第一歩への糧として 飛び立とう 未来信じて

平成29年3月16日
第70回 卒業生代表 堀越 妃那