日誌

教育今昔物語(不易と流行の狭間)(6年生)

教育とは、常に、「不易と流行の狭間」にさらされる運命を有します。

昨日の非常識が、今日の常識になったり、

60年前のチョークと黒板が「未だに現役」だったり・・・。

 

校長が教員になった頃、まだコピー機はなく、輪転機もなく、ガリ板という印刷技術だったことを思い出します。今では信じられない程、めんどくさい機能が低い、印刷技術でした。

それでも、多くの先生たちが、「(長い)時間をかけ」、「毎日」子どもたちに通信を出していたのは、「意地」だったのか、「愛情」だったのか、「熱意」だったのか・・・。

もう、それを知る者も、ほぼ、いなくなろうとしています。

 

【教育界の印刷の移り変わり(下記リンクをクリック↓)】

教育界の印刷機の変遷(福井県博物館資料)

 

さて。

ワープロ機械が生まれた時、30年以上の昔、私は、30万円のワープロを、「真っ先」に買いました。

教育委員会に提出する(長ーい)文書を「長時間」かけて、ワープロで作成し、胸を張って、提出しました。

おそらく、冗談ではなく、県の教育界で、「初めて提出」された、「ワープロ書き書類」だったはずです。

しばらくして、私は、教育委員会の先生から呼び出しを受けました。

校長は、誉められるものと思い、ルンルン気分で教育委員会へ出向きました。

しかし、告げられた言葉は、世にも恐ろしい、単純な言葉でした。

「後藤君は、新しい物好きなんだね。素晴らしいことだね。」

「はい、ありがとうございます。(^O^)」

「でもね、このワープロで出された文書、教育委員会で検討した結果。」

「ゴクリ(私)」

「誰が書いたか分からないので

全部「手書き で 書き直し」なさい。」

ガーーン!( ;  ; )

 

教育とは、常に、不易と流行に晒される運命を、有します。

 

さて、本論!

 

6年生の、理科の授業です。

窒素の中に炎を入れるとどうなるか。

昔からある、酸素の意味を学ぶ授業です。

 

窒素はガスボンベから、ビーカーに注がれます。

ろうそくを窒素ガスに挿入します。

 

まあ、昔と違うのは、マッチがチャッカマンになったことくらいかな?

でも、これは、子供にとって、とても大きな「流行(変化)」なのです。

今、子供がマッチで、火をつけられなくなっていることを、ご存じですか?

そもそも、家に、マッチがある家がどれほどあるのでしょうか?

 

教育とは、常に、不易と流行の狭間にさらされているのです。

 

さて。実験再開。

窒素ガスに炎を挿入する瞬間。

この緊張が、理科の醍醐味です。

これは、昔も今も変わりません。つまり、不易な理科の魅力。

あ、消えた!

もう一度、再現。

窒素ガスの中で、炎はどうなるのだろうか?

ワクワクしながら、炎を見つめる子供たち。

窒素ガスが漏れないように、瞬間的に、蓋を開けて、すかさず、炎を挿入。

理科の最高峰の楽しさ「実験結果を体感する瞬間!」

・・・えっ?一瞬で消えたよ!

 

おそらく、50年前も、今も、変わらぬ、子供たちの「感動の瞬間」

 

ところで、

この授業では、とっても、大きな、「流行(変化)」が、他にも、生まれていました。

それは、私が、ワープロを買って、初めてワープロ書きの書類を出した、以上の、大変革!

 

証拠を見せましょう。

 

この実験の様子(画像)は、全て・・・。

動画として保存されます。

つまり、世界で最も、堅牢と言われる、

Google社のサーバーに、クラウド保存されるのです。

!(◎_◎;)

 

教育とは、常に、不易と流行の狭間にさらされる運命を有します。

 

昨年度から始まった、教育の大改革、

「GIGAスクール構想」

「一人一台端末」

簡単にいうと、授業で自由に「クロームブック」を使い倒すこと。

 

この子たちには、今後、さらに、前向きに、より新しい発想、技術、活用にさらされ続けていくことになります。

 

30年前、不易な運命は、私に、

「待った(書き直し)」

を命じましたが。

 

 

今、流行の運命は、この子たちに

「待ったなし(前に進め!)

を命じているのです。

 

間もなく、この子どもたちは、

AIドリル、キュビナ」を手にして、

クロームブックを、毎日お家に持ち帰り

さらに、未知なる領域へ、

時代の最先端へ、突き進んでいくことになります。

 

by 校長