デジタルとアナログの間
漢字指導も大きく変化し始めました。
じゃ、次の漢字は、これ。
子どもたち音読。「ホ、補う」
では、書き順をチェックしよう。
コンピュータが書き順を示します。
1、2・・・
5、6・・・
7、8・・・
この動画は、ドリルのQRコードに埋め込まれています。
ですから、クロームブックを持った児童は、自学でこれを活用することも可能です。
では、「そらがき」始めるよ。
1、2・・・。
3、4・・・
5、6・・・
この、「そらがき」ステップは、とても大事なステップです。
児童が正しい書き順で書いているか、教師は、一目で分かります。
また、子供からすれば、「体を動かす楽しい学習」なのです。
鉛筆で、延々と書く活動は、児童にとっては、とても労力のいる作業なのです。
大事なことは、この先生、「鏡文字」で、子供たちに書き順を示しているということです。
プロ教師は、漢字を、瞬間的に、「鏡文字」で書くことができます。
どうぞ、皆さん、お家で、子供さんと一緒に、鏡文字書き順を試してみてください。
結構、慣れるのに、一苦労しますよ٩( ᐛ )و
次のステップは、「ゆびがき」というステップです。
字形を覚えるまで、子供は、何度も何度も、「ゆびがき」をして、字形・筆順を覚え込みます。
鉛筆で書くという作業は、子供にとって、とても労力を求める作業です。
子供たちは、気楽に「ゆびがき」を何度も行い、漢字を覚えていきます。
1、2・・・
3、4・・・筆順を口で唱えながら・・・。
何度も、何度も、ゆびがきで・・・。
正しく覚えるまで、続けます。
覚えたところで、最後に、「なぞりがき」「うつしがき」。
鉛筆で、心を込めて、紙に書き表します。
丁寧に、丁寧に、心を込めて・・・。
ワープロ時代の今だからこそ、漢字の習得は、完全に、正しく行っておく必要があります。
この、「そらがき」「ゆびがき」「なぞりがき」「うつしがき」という一連の漢字習得法は、脳科学の原理により、開発されたものです。
私が、若い頃、30年ほど昔、向山洋一という東京の先生が、この手法を一般に公開され、漢字指導法は、一躍、日本中に広がりました。
向山洋一先生は、それをドリルとして開発し、「赤ネコ漢字ドリル」と命名して発売され、今では、漢字どりるのベストセラーになりました。
ここに、その学習法が記されています。
私も、鏡文字の指導、鏡を見て、一生懸命練習しましたっけ。
あの頃は、子どもたち、大声で、「1、2、3、4・・・」と声を張り上げて、筆順そらがきしてましたっけ・・・。
30年前に開発された、学習指導法が、明道小で、行われている。
あの頃に、タイムトラベルしたような、奇妙な感覚。
でも、あの頃、こんな優れた、デバイスはなかったよな・・・。
全て、手書きで画用紙に書いて、示していましたっけか。
時間も手間もたくさんかかったなあ・・・。
さて。
ここで、担任先生は、大切な指導を子どもたちに示します。
この漢字、何「偏」ですか?
子どもたち・・・「しめす編です!」「ころも偏です!」
担任先生、すかさず、教育のチャンスを生かします。
その証拠が、これ。
この指導を受けた子供は、一生「しめす偏」と「ころも偏」を忘れないのです。
どんなにデジタル化が進んでも、「先生の工夫された御指導」と「アナログな漢字練習風景」は、消えることはないでしょう。
つまり、今後、教育は、「デジタルとアナログの間」を行き来しながら、進められていくはずです。
by 校長