子どもが主役の授業〜ベテラン先生Ver
都城市が進める、
「子どもが主役の授業づくり」
〜「わさび」を意識した授業づくり〜。
ベテランの先生方は、長年の経験から、
このような「子どもが主役の授業」が重要だと認識し、
すでに、教室で、日常的に実践しておられます。
では、ご紹介。
「子どもが主役の授業〜ベテラン先生Ver」(2年生編)
2けたの数の筆算の学習シーンです。
本日の学習の「練習による定着」の段階。
ベテラン先生は、次のような流れで、
子どもさんの気持ちを引き立たせます。
では、次の問題です。難しいぞ、解けるかな?
黒板のマス目の、×記号に注目です。
これは、筆算と筆算の間に、スペースを取りなさいという、記号になります。
子どもさんは、先生の板書に合わせて、ノートをまとめます。
黒板が、ノートに、転写された瞬間です。
筆算と筆算の間に、ちゃんとスペースが確保されています。
ベテランは、このような、基本的なことを、実に軽快に、容易に実現します。
ある子供さんが、手を挙げました。
ベテラン先生は、足取り軽く、そのお子さんに近づきます。
そして、素早く、ノートを確認し、赤ペンで、さっと丸をつけ、
そして・・・・一言称賛を与えます。
「よく解けたね。すごいぞ。」
この瞬間、子どもさんは、にっこりします。
称賛欲求が認められた瞬間です。
次々に子どもさんは、手を挙げます。
手を挙げるのは、「終わりました」のサインなのですね。
ベテラン先生は、次々に、子どもさんに近づき、
丸つけと「ok」「よくできたね」を与えます。
この時、ベテラン先生は、
一人一人の「微細な変化を確認している」のです。
わさびの「び」が実現する瞬間です。
必要に応じて、子どもさんの回答に、修正を与えることも行われます。
「ん、惜しいね。2タス7は、いくつかな?考えてみて。」・・・
指導は、個別に、的確に行われます。
これを、個別最適な学びと申します。
ベテラン先生の頃は「個に応じた指導」と言っておりました。
ほー、その考え、いいね。よく丁寧にまとめた。
しかし、個別指導にも限界が訪れます。
たくさんの手が上がり、一人確認が、不可と判断した時。
ベテラン先生は、ある指示を出します。
「リトルティーチャー、出動!」
すると、これまでに、丸をもらった子どもさん、
一気に立ち上がり、手を上げたお友達のところへ駆け寄ります。
子どもさん同士による、協働的な学びが、一気に教室中に広がります。
日々の生活おいて、「仲良く」を徹底された、この学級においては、
自然に、教え合いが受け入れられていきます。
そして、教室中に響く「ありがとう」の言葉。
子どもさん達、実に楽しそうに。
教え合い学び合いの「協働的な学び」の楽しさを味わいます。
記憶は、子どもさん自らが、学習をアウトプットすることによって、補強されます。
さあ、全員のノートに丸がつきました。
ベテラン先生は、一息ついて。
「立腰!」と発言します。
「はい!」
足に注目。
鍛えられた学級では、
子どもさんは「立腰」=「足ペタ」で答えます。
素晴らしい!
そして、静かに、ベテラン先生、発言。
では、みなさん。発表してください。
「はい!」
多くの子どもさんが、
回答に自信をもち、発表意欲が高まっています。
指名を受けた、ラッキーレディ、登壇。
ここから「子どもさんが主役」になります。
必然的に、ベテラン先生は「(わ)脇役に徹します」。
背中に集まる、熱い視線。
教室が、熱い緊張感に包まれます。
さあ、オンステージ、始まり始まり!
「23たす36は、59「デス」」
この、「デス」まで、きちんと言わせることは、とても大切なことです。
ベテラン先生の指導により、子どもさんは、最後の「デス」をきちんと言います。
そして、お友達の発表へ承認・同意。
「そうです!」「同じです!」
子どもさん達、お友達の発表に、優しい心で、称賛を伝えます。
しかし、それだけではありません。
オンステージに対して。
温かい拍手が贈られます。
・・・まとめます。
ベテラン先生。経験の蓄積による。
子どもが主役の授業。
ベテランだからこそ、可能な、微に入り細に入り、
お勉強のマナーが仕込まれた授業。
先生が問題を与えます。
子どもが自力でノートに回答をまとめます。
先生・リトルティーチャーにより、正解が確認されます。
子どもさんは、自信をもって、発表の挙手をします。
先生が脇役に徹する、子どもが主役の発表。
主役さん、緊張の、ステージへの登壇。
緊張の中で、回答をチョークで書きます。
「デス」まではっきりと発言する回答。
お友達から、トップスターに対する、称賛活動。
これぞ、
ベテラン流「子どもが主役の授業」。
そして。
さらに、ベテランがベテランたる理由は、次の指導に、集約されます。
「あのね、みんな、気をつけて。」
9は、上から下に向かって円を書いて、ひっくり返ります。
下からぐるっと上に回る書き方は「間違い」です。
7は、2画です。
1画で書いている人は「間違い」です。
5も、2画です。
1画で書いている人は「間違い」です。
さすが、ベテラン、個別指導の間に、
数字の「書き間違い」を把握し。
子どもたちの「(び)微細な変化」を見事に把握して
個に応じた指導を「さらっと」実施。
ベテランの作り出す、見事な授業に、
子供達の集中力も途切れることなく、
最後まで立派でした。
子どもが主役の授業〜ベテラン先生Verというお話でした。
このベテランの「優れた指導技術」を、
若い先生方に「継いでいく」のが。
校長の大切なお仕事だと思っております「デス」。
٩( ᐛ )و
by 校長