一生に一回しかできない「ひなた」の議論
おもしろい瞬間に立ち会いました。
3年生。
数を学ぶということは、
原理を知ってしまうと、
それ以降,
そのことについての疑問は、消滅してしまうことがあります。
さてさて。
おもしろ算数の勘違いのシーン。
分数学び始め。
2/5は1/5を2つ集めた数なんだね。
では。これはどうですか?
1/5を3こ集めた数は何ですか?
はい。3/5です。
同じです!
では、1/5を5つ集めた数は何ですか?
5/5です。
同じです!
さて。
1/5を6こ集めた数は何ですか?
ここで、学級がザワツキきました。
5/6です。
そうです!
え?違うと思います。
6/5です。
学級中が5/6か、6/5か、大議論になりました。
これぞ、まさしく、協働学習。
みんな、答えを導こうと必死になっています。
県教委は、この子どもたちの学びの場を、次のように表現します。
ひ:一人一人が 問いをもち
な:なかまとなって 学び合い
た:たかめよう 深く考える力
・・・名付けて、「ひなたの学び」
でも、お勉強っておもしろいですね。
子どもさんの声を拾ってみましょう。
「だって、6/5なら、上が大きくて5がつぶれちゃう。」
「1を5つに分けたものが1/5だから、上があふれちゃう。」
「分数は、1を超えられないんじゃないですか。」
なるほど。
あふれる、つぶれる、こえられない・・・。
知り合ったばかりの分数概念が形成中故の、実に基本的な素直な反応です。
そこで、先生は、証拠を見せました。
あのね。
このグラフを見てください。
1/5が6こで、1を超えていますね。
つまり、1を超える分数は、あるのです。
「おー。」
「そうか。」
「なるほど。」
子どもが数の面白さに出会った瞬間。
分子は、分母より大きくても分数は成立するんだと、いう、大切な基本概念に気づいた子ども達は。
もう、2度と。
1/5を8つ集めた数は、8/5だとは、答えないことでしょう。
一生に一回しかできない「ひなた」の議論というお話でした。
by 校長