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想定外をなくす

 地震、火災、風水害、津波、噴火、不審者等々、学校で行う様々な避難訓練は、リスクをいかにマネジメントしていくかということであり、学校の中の大きな危機管理です。現在の学校では、一般社会との距離感が縮まってきており、危機に遭遇する度合いが増してきたため、想定外の事故やその対応への苦慮が多くなってきているそうです。

 危機管理の具体例としては、江南小学校の命のリレーがよく取り上げられます。消防署の救急救命法のビデオにもなっています。これは、心臓に疾患のあった児童が教室で、給食の片付け時に心肺停止、その時の教師や児童の対応が絶賛されました。担任の大声での応援要請呼びかけ、隣接学級教師の心臓マッサージ、他の教師のAED運搬、119番通報、クラスメイトの1人は、教室から職員室へ電話で事態を報告しています。そして、養護教諭によるAED操作等々、15分間という短時間でのチーム連携がかけがえのない命を救いました。この時の連携プレーは、実にすばらしかったわけですが、このような緊急事態の中で、落ち着いて、冷静に行動できた背景には、年度当初に養護教諭の説明によって、この児童の状態や対応の仕方について、全職員への共通理解を図っていたことや該当学年で、常に対応の仕方をシミュレーションを行っていたことなどが挙げられています。つまり、的確な危機予測ができること、そして、その時の対応において、ダメージコントロールできる能力をもっていることが大切です。

 今回、本校では、食物アレルギーに対応する訓練を行いました。やってみると、当初計画していたことが意外に上手くいかないことやこうした方が良かったんじゃないかというようなことも反省として上がってきました。でも、これが大切ですよね。何もしない、想定していない突然の対応は、必ずと言っていいほどパニックを起こします。だからこそ、訓練の積み重ねで、いかに想定外をなくしていくかが大事だと感じました。こういった訓練の機会を何度も設定していくのは難しいところもありますが、訓練の機会をしっかりと位置付けて、想定外をなくす努力をしていきたいと思います。