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小さな訪問者


先日、3年生が国語科の勉強で校長室を訪れました。

前日にあらかじめ
「明日の昼休み、国語の勉強でお伺いしたいのですが、
 大丈夫ですか?」

と、きちんと「アポとり」まですることろも勉強に入っているのかな?
と思いつつ「快諾」しました。

当日は3人グループで多少緊張しながらもインタビューは無事成功。



まずは質問
「校長先生の好きなものを3つ教えてください。」

好きな「もの」????
「こと」でもなく、「たべもの」でもなく単なる「もの」?????
国語科ですから、常々子供たちに
「日本語は正確に使いましょう。」
と言っている立場上、しばらく悩みましたが、・・・・



元来がいい加減な性格ですので
「3年生だから、まあいいか。」
と安易な妥協をして、


「ひとつめは花です。」
(よしよし。これでまずは「もの」を指定できたぞ。)
とおもいつつ、余計な説明・・・・
「これを見てください。」
と言って飾ってある花を見せ、


「この花の名前は、ゼラニウムといいます。
 どこかにほったらかされていても育つのですが。
 毎日世話をするとこんなにきれいな花を咲かすので、
 とっても大好きです。」
と余計な話をはじめ、・・・

(あれ???これじゃあ好きなものは「花」でなく、
 「ゼラニウム」になってしまったではないか・・・・
 途中で話題の中心がずれるという3年生にとって
 とっても悪い見本になってしまったぞ。)
と密かに反省し・・・・・・

次は、
「次に好きなものは、「剪定」といって植木をきちんと切りそろえることです。」
と言ってしまい、
(あれ?????
 「剪定」というのは「行為を総称して言う名詞」であって、
 固有名詞に当たらず、いわゆる言ってはならない
「こと」
 であって「好きなこと」を自分ではっきり答えてしまったではないか・・・・・)

とあせりにあせり、子供たちの前ではいかにも平然としながら、

(いいか、落ち着け、「もの」だぞ、「もの」
 まちがっても3回連続墓穴を掘るような真似はしてはいけないぞ・・・・)
とあせれば焦るほど、60年も使い続けた脳みそは混乱し、・・・・・

「3番目に好きなものは「料理をすることです。」」
と、答えてしまい、
(やっちまった、料理は「もの」ではなく、りっぱな「こと」であり、
 またもや自分で「・・・・することです。」
と言っているではないか。)

(頭の中の言葉はすごく悪い!!!!)

そこで、自分で作った晩御飯の写真を見せ・・・・

「わあ、すごい。」
「おいしそう。」
などと

「言語の不都合さを映像でごまかす。」

という教師らしからぬ最悪の手法で何とかごまかし、・・・・・

「ありがとうございました。」
と言って帰っていく3人を見送りながら、
しばし落ち込んでいました。

ほかのグループはきっとうまくいったのでしょうね。
(校長)