しいたけ博士を目指せ!(ウッジョブ諸塚)

 今日の2校時にしいたけ博士である、本校の保護者の方がお越しくださいました。しいたけ博士は1・2年生にしいたけについてお話をしてくださるのです。昨年度もお話をしてくださっており、2年生は1年生の時にしいたけのお話を聞いています。昨年度はしいたけのことを全く知らない状態でお話を聞きましたが、今年度は1年間しいたけのお世話をしてきた経験があり、その経験としいたけ博士のお話を重ね合わせながら聞くことができます。1年生は保育所生の頃、2月にしいたけのこま打ちを体験しているので、そのつながりがあります。


【たくさんのプレゼンを準備してくださいました】

 今日のめあては「しいたけのなぞをといて、しいたけはかせをめざそう」です。しいたけ博士は写真を見せながら、しいたけの原木であるくぬぎの木の特徴からしいたけの成長、流通までをお話してくださいました。


         【写真で見るとよ~く分かりますね】

 くぬぎの木を切り倒し、搬出した後に「ふせこみ」という作業があるそうです。それには2つの方法があり、1つはビニールハウスに置いておき、乾燥を防ぐために水をまいた、涼しい山林に置いておく方法、もう1つはくぬぎの木の上に枝葉をかぶせる方法だそうです。枝葉は水を通すため、乾燥はしないようです。この方法はとてもいい方法だと教えてくださいました。

 また、ほた場(原木を立てかけて置いておく場所)には、周りに壁を作り風が原木に当たって乾燥しないように工夫しているそうです。そして、しいたけには「袋かけ」もするとのことでした。この「袋かけ」は、昨年度子どもたちも実践しています。「あ~、やったことある!」と話す2年生、「去年袋に水滴がついてたよね」と1・2年生担任の先生も話していました。しいたけ一つ一つに袋をかけてあげることで、温度が温かくなり、湿度も高くなります。そうなると、しいたけがよく成長するそうです。しいたけ博士はこの袋のことを「魔法の袋」とおっしゃっていました。

 しいたけの原木に水分を吸収させる方法として、「散水」と「浸水」という方法も教えてくださいました。「散水」は原木に直接冷たい水をかけることで、「浸水」は原木を水につけることだそうです。「顔が水につかるとどうなる?」としいたけ博士が聞くと「びっくりする!」と子どもたちが答えました。しいたけも同じで、息ができなくなって苦しくなったり、びっくりしたりして出てくるそうです。

 その他にも菌床栽培の方法も教えてくださいました。菌床栽培は、くぬぎの木を切り、木をミキサーのようなものにかけて「おがこ」にします。そして、ぬか等の材料を混ぜてくぬぎだけでは足りない養分を補います。そして袋に詰め、教室の半分くらいの釜(殺菌釜)で100℃で1時間加熱するそうです。そうすると無菌状態になり、そこに菌を入れるとのことでした。この菌床栽培では、菌さえあればどの種類のきのこでもできるようで、白マイタケやきくらげなども作られていると教えていただきました。また、菌を入れて半年で収穫できる、原木のように重くないというメリットもあるとのことです。

 しいたけ博士は実際に売っている生しいたけや干ししいたけ、しいたけの麺つゆも持ってきてくださっていました。


【しいたけ、きれいな形をしていました】【しいたけの麺つゆ、人気だそうです】

 最後に、とっておきのものを見せてくださいました。それはしいたけの原木を割ったものです。昨年度こま打ちをした原木と、2年目の原木(今年の秋にしいたけが収穫できる原木)の2種類を用意してくださいました。それぞれの気を匂ってみると、昨年度こまうちをした原木は何も香りがしませんが、2年目の原木にはしいたけの香りがするから不思議です。


    【「あ!しいたけのにおい!!」と1年生は嬉しそうでした】

 しいたけ博士は「2年目の原木は秋に出てこようと準備してるとよ」と話されいました。昨年度こま打ちをした原木には、種ごまが残っておりその周辺には菌が広がっている様子が見られました。その原木も着々としいたけがでてくるための準備をしているのですね。

 授業の終盤に、代表の児童が「今日お話してもらったことをしいたけのお世話に生かしていきたいです」と元気にお礼の言葉を言いました。


【色々な育て方があることも分かりましたね】

 この1時間、これまでの経験を復習しながら、新しいハテナにもしいたけ博士が答えてくださり、しいたけの秘密が分かりましたね。これからもしいたけのお世話をしながら、新たな発見があったり、ハテナが出てきたりすると思います。それらを大切にして、しいたけ博士を目指してがんばっていきましょう。

 本日はお忙しい中、お越しくださりありがとうございました。色々な場所に行って写真を撮って来てくださり、大変分かりやすく楽しく学べました。子どもたちのお母さんやおばあちゃんが写真の中で出てきたことも嬉しかったようです。
 本当にありがとうございました。


【いつかはぼくも・わたしも しいたけ博士】