今日からは2年生の読書感想文の紹介になります。
「かくしごと」 2年 村上 萌英さん
もし、人の心が読めたらどうしますか。人の鼓動の速さ、感情、人の恋心が分かってしまうのです。私は、そんな能力があったらつらいと思います。
『か「」く「」し「」ご「」と「』は住野よるさんの本です。この方はベストセラーの「君の膵臓をたべたい」を書かれました。私はこの作家の大ファンで、この本を読むのを楽しみにしていました。この本は五人の男女の高校生のお話です。五人のニックネームは、京くん、ミッキー、パラ、ヅカ、エルです。この五人は特別な能力を一人一人もっています。
まず、京くんは人の気持ちが頭の上にハテナやびっくりマーク、句読点などが見えることによって分かります。浮かぶマークと人の感情には、それぞれ癖があるそうです。次にミッキーは心臓のところにシーソーのような気持ちのプラスマイナスを表したバーが見えるそうです。パラは人の鼓動を見ることができます。人の胸のところに数字のリズムが浮かぶそうです。ヅカは人の感情が頭の上に浮かぶのを見ることができます。トランプの四つのマークが喜怒哀楽を表します。最後にエルは人の恋心が矢印となって見えるそうです。五人ともこの能力を隠しながら生活をしています。
私に五人のような能力があったら、私は一日中気を遣わないといけないので大変だろうと思います。実際にパラやヅカはこの能力のせいで人のことを考えすぎてしまっています。特に、エルのような人の恋心が分かる能力は自分の思うように恋愛ができなくて悲しいし、人の恋も素直に応援できないからです。しかし、人の心が全く分からないのは、生活しにくいと思います。だから、コミュニケーションをとったり、表情から読み取ったりできるようにしていかなければいけないと思いました。
私はこの本を読み学んだことがあります。それは、一人一人考え方、感じ方が違うということです。当たり前のことだけど、私はそのことをよく理解していませんでした。京くんやエルは内気で「自分なんかが・・・」とすぐ悲観的に考えてしまいます。一方で、ミッキーは嫌なことをすぐ忘れてしまえるような楽観的な人です。パラやエルのように本音を隠しているような人もいます。私は、みんなが一緒の考え方だと思い、人に自分の考えを押しつけるところがあるので直さないといけないし、内気な人の意見にも耳を傾かないといけないと思いました。
この本の「プロロオグ」の最後にこんな一文が出てきます。「皆、何を知って色んな人を好きになるんだろう。」私は「好きな人」と聞いて、真っ先に出てくる友だちがいます。その人は私のことをいつも気にかけてくれるし、周りに独りぼっちの人がいるといつも声を掛けています。私はその人に助けられたので、その人のことが大好きです。私はみんな、それぞれの「優しさ」を知って、好きになっているのではないかと思います。私の友だちは私をいつも励ましてくれる、とてもいい人が多いです。私は友だちのどこが好きかはよく考えますが、好きになった理由はこの一文と出会って初めて考えました。最初は全然分からなくて、謎だとおもったけど、友だちを好きになったきっかけを考えたら意外と簡単に出てきました。
最後に、私はパラになりたいと思いました。パラは運動神経がとっても悪いです。パラというニックネームはパッパラパーから来ています。私は、人の鼓動が見たいわけではなく、パラの内面にあこがれました。パラは文化祭の劇でミッキーがセリフを忘れたときは、すぐに助けに行きました。ミッキーが進路のことをパラに言ったときも「人生なんてさ、やりたいことだけやっててもきっと時間足りないんだ、やりたくないことやってる時間なんてないさ」とミッキーを励ましていました。それでミッキーはパラに言いました。「ヒーローはパラだったね」と。私は友だちをすぐに助けられるような勇気がほしいし、誰かにとってのヒーローでありたいと思います。パラの人生を後悔なく生きようとする姿勢も私はすごく尊敬します。私はパラみたいな友だちに出会いたかったです。
私がもし、この本を読まなかったら、考え方が全く違っていたと思います。人には絶対に「かくしごと」があります。そのかくしごとのせいで人間関係が上手くいかないこともあるけど、「かくしごと」のおかげで、幸せに暮らすことができるからです。もし、私が友だちの全てを知っていたら、友だちが話すことがつまらないと思います。世の中には「かくしごと」が必要なのです。私の「かくしごと」はいったい何なのでしょうか。