部活動

初心忘るべからず

 先週末は土曜日は授業日で練習をし、日曜日は福島中のO先生に無理を言って、新チームを結成してまだフォーメーションも定まっていない中での練習試合をお願いしました。福島中には怪我人もいましたので、エースを前に固定して全9セット行いましたが、結果は9勝0敗でした。

 この日のテーマは、裏ローテーに経験を積ませることと、エースに頼らないバレーをすることでした。当然すべてのセットを裏ローテでスタートしたのですが、朝からいまいち覇気がなく、それなりに練習している感じでした。途中集めて何度か話をしましたが、自分たちでは一生懸命やっているつもりらしく、その後もそれほど変化もなく、試合に臨みました。

 最初の7セットは15点マッチで行ったのですが、1セット目は6-9、2セット目に至っては6-12からなんとか逆転勝ちと、危惧していたとおり最悪の出だしでした。逆転できたのもたまたまサーブがはしったからで、2セット目に至っては、相手の得点14点のうち、11点がサーブミスやスパイクミス、サーブキャッチミスなどの自分たちの完全なミスで与えた得点でした。つまり相手はコートの向こう側ではなく、コートのこちら側にいたのです。

 今、懸命に県大会で対戦するチームの分析をし、なんとか持てる力で互角に勝負できる作戦を練っているところです。しかし、敵が相手ではなく自分たちにいる現在の状況では、何をやっても無駄になります。何度このような状況を打開するように自分たちで考えてプレーしなさいと伝えてきたか分かりません。しかし、キャプテンもエースも、チームの雰囲気をコントロールすることがいまだにできません。このようなことができないチームは、いくらバレーが上手くても、練習試合で勝てていても、本番では力を出せずに終わってしまいます。

 こうして少し話をした次のセットからは15-2、15-7、15-6と取ることができました。しかし雰囲気がまた下がってきたので、3年生を外して試合をしたところ、15-9で勝利しました。その試合が終わった後に3年生に何が違うかと聞いてみると、雰囲気が違うという答えでした。しかしなぜ雰囲気が違うのかたずねると、声や喜び方などありきたりな答えを言うのみで、自分たちでも分かっていないようでした。しかしその答えこそがプラスエネルギーの源なのです。

 そのプラスエネルギーの元となる一番大切なこととは、“バレーボールを楽しむ”という気持ちです。先ほどの試合で、今までサーブ以外は試合に出たことのない1年生が初めて試合に出場しました。その喜びとプレッシャーを感じながらバレーをすることの楽しさ、試合に出ることの喜びを感じ、その感情をただ表現しただけなのだと思います。

 なんのためにバレーをしているのか、勝つためなのか、監督に怒られないためなのか。そうではなく、バレーボールが好きだから、楽しいから厳しい練習にも前向きに取り組むことができるのではないでしょうか。

 “初心忘るべからず”。もう一度原点に戻って、どんな状況であれ、バレーボールを楽しむ気持ち、バレーボールを好きだという気持ちを忘れずに、残り18日間を過ごしてほしいと思います。