「守・破・離」
この「守・破・離」という言葉は、物事を習得する段階を3つにわけたもので、私の前任校男子バレーボール部の横断幕に書かれていた言葉です。もともとは江戸時代に川上不白が著した「不白筆記」で、茶道の修行段階の教えとして紹介されましたが、諸武芸の修行段階の説明にも使われています。
「守」とは、師匠の教えを性格かつ忠実に守り、物事の基本の作法・礼法・技法を身につける「学び」の段階をいいます。「破」とは、身につけた技や形をさらに洗練させ、自己の個性を想像する段階をいいます。「離」とは、「守」・「破」を前進させ、新しい独自の道を確立させる段階をいいます。先輩(師匠)から第1段階の「守」をいかに身につけるかで、「破」・「離」へと続く、その後の自己成長の大きさが決まっていきます。助言を喜んで受け入れていくことで、将来「離」に到達したとき、自己をいっそう高めていくことができるとのことです。
バレーボール部で考えていくと、秋の中体連県大会までが「守」、春のアシックスカップ九州大会までが「破」、そして夏の中体連に向けてが「離」となっていくことが理想です。顧問としては、せめて「守」を完璧にして、自分たちで考えて作り上げていく「破」の段階まで行かせたいのですが、榎原中男子バレー部は、まだ「守」が徹底できていない状態なので、「破」の壁に苦しんでいる状況です。しかし、私は彼らが必ずこの「破」の壁を乗り越えてくれると信じています。そして、将来「離」に達し、それぞれの形でバレーボールに関わりをもってくれると期待しています。
今週末は、土曜日が福島中学校と2校での練習試合を行い、日曜日は都城市で行われる霧島盆地優勝大会に出場させていただきます。チームの約束事である「守」を徹底し、少しでも壁を「破」れるきっかけとなる週末になることを期待しています。