部活動

集中

 以前、“強い気持ちとは”(http://cms.miyazaki-c.ed.jp/4225/htdocs/index.php?key=joj2xvizw-133#_133)で集中についてはまとめているのですが、大事な一戦を目の前にして、まだまだチームとしての雰囲気が上がってこず、集中力がいまいちである場面が多くあります。

 そこでいろいろ悩んでいたところ、脳科学者の茂木健一郎さんの“この法則でゾーンに入れる!-集中「脳」のつくり方”という本を見つけました。スポーツだけではなく、ビジネスや勉強などについてもたくさんの理論や方法が書いてあります。

 集中力というものは誰もがもっている。そして集中している状態というのは、一般的に思われているような1点のみに集中している状態ではなく、心身ともにリラックスしている状態で、何かをしている自分と、それを客観的に見ている自分を同時に感じているときは、うまく集中できている状態である。この集中力は意思決定によってなされるので、何に集中するか、何を捨てるかを判断する「決断力」を養うことが大切である。

 集中している状態は、ゾーンに入っている状態とも言われ、誰もがその経験をしている。例えばゲームをしていたり、音楽を聞いているときはゾーンに入っている状態である。このゾーンに入るカギとなるものに、「フロー理論」がある。これは課題とスキルが高いレベルで一致し、集中しているけれどもリラックスしていることである。トップアスリートがなぜ集中できるのかは、「オリンピックやメダルを目標とすることではなく、その競技ができる喜びや幸せを感じる」からである。積極的に行動して幸せを得る、その自主性がフローの状態を生み出していく。

 集中力を高めるためには、何事も「お祭り」のように、楽しみながら集中力を磨く、脳を普段とは違うモードに入れる、つまり自分で自分を盛り上げることが大切である。その際、ルールと報酬を明確にするとよいが、その報酬を決めるのは自分である。自分のやりたいことを思い描くことは、何に集中するかを決める意味でとても重要なことである。また、失敗をする状況下であればあるほど、集中力をうまく働かせることができるようになっていく。つまり、緊張を楽しむ経験が集中力を高めるためのひとつの方法である。

 集中力がある人は、ガットフィーリング、簡単に言うと直感や第六感のことで、「何となくこうしよう」と感じるようなときに、ある種の確信がある。周辺視野が広く、本質をしっかりと見抜いており、持てるものを全てひとつのことに投入することができる。また、優先順位の意思決定ができる人は、集中することが簡単であり、どんなことにも惑わされずに、1つのことに集中することが、結果としてやがて大きな身を結んでいく。そして自分自身が集中する環境は、結局は習慣の蓄積でしか整っていかない。集中する能力は、集中する対象を切り替える能力とも関係している。

 以前のエントリーで、集中力とは記憶力で量ることができるという一応の結論を出しましたが、あらためて集中力について様々なことを知ることができました。
 そして、結局は自分自身でしっかりと考えて、その物事に対して真摯に取り組み、楽しむことができているかということが大切だと思いました。

 すべては学び 
 すべては準備
 すべてに感謝

 チームのために、支えて下さるすべての方々のために、そして自分のために。魂を込めて日々の生活を送ってほしいと思います。