声だしの効果
2学期が始まって1ヶ月が経ちましたが、今年は私がJOC宮崎県選抜チームの監督を務めさせていただくことになり、その他の業務も含めて、非常に慌ただしい毎日が続いています。今回の“声だしの効果”という内容も、1ヶ月前に途中まで書いていたのですが、今回やっとアップすることができるというような状況です。
榎原中の場合は、日々の生活からほとんど一緒に生活していますので、様々な場面でそろえたり、まとまったりする場面が多く、そのことがバレーボールにも大きく繋がっています。当然、逆に学校生活の中でこのようなことができていないと、その影響もとても大きなものになります。気持ちをそろえるためには、まずは形からと言うことで、あいさつや礼儀作法なども当然そろえますが、一番口を酸っぱくして言っていることが声を出すことです。声を出しさえすれば試合に勝てるのかというと、もちろんそうではありません。しかし、声を効果的に出すことで、試合の流れが大きく変わったり、自分やチームのプレーが良くなったりすることは事実です。では声だしにはどのような科学的な効果があるのかということについて、調べてみました。
スポーツにおいて声を出すことによる効果は非常に大きいということです。大きいどころか、声を出さないプレーヤーが上達することはない、といってもいいほどです。これには、スポーツ心理学や運動生理学から見た「科学的効果」、「精神的効果」に加え、「実質的効果」までの根拠があるのです。
『科学的効果』
・大きな声(特にシャウト)を出すことで、神経系における運動制御の抑制レベルをはずし、筋肉の限界値まで力を発揮させる効果、つまり声を出すことによって自分のパフォーマンスを最大限に近づける効果が期待できる(声はもう1つの筋肉、と言われています)
・声を出すことによって、一時的に呼吸が深くなり断続的な深呼吸をしているのと同じ状態になる、つまり心肺機能を高め、集中力、ネバリ、持続力が向上する
『精神的効果』
・やる気、気合い、意気込みを高める
・励まし効果(自分、仲間)
・セルフトークによる自己暗示効果
→自分自身に声をかけることで、”勇気づける”、”精神的なゆとりを与える”、”理想的なパフォーマンスを実現させる”などプラスの効果が期待できる
『実質的効果』
・チームプレーにおける意思疎通(リズム・タイミング)
・危険防止(存在認知、接触の回避)
・声を出すことによって、自分たち独自の空間(空気)を創り上げる(一体感)
このように、声だしには以上のような科学的効果があります。私が伝えていたことは、①自分がこれから何をするのか、今何を考えているのかを確認する ②相手情報の確認をすることで、相手チームにプレッシャーを与え、自分たちがやるべきことを共有する ③自分やチームの気持ちを高めてパフォーマンスを上げる ということですが、声だしの効果が学術的にも実証されているということなので、高さやパワー、技術は他チームに劣っている榎原中は、この誰でもやろうと思えばできる声だしだけは最低でも県トップでなければ、目標である全国大会出場は夢のまた夢となります。
地区大会もすべて終了し、県大会に出場するチームはこれからが本番ということで練習にも熱が入っているところだと思います。榎原中もそのチーム以上の気持ちで練習に取り組んでほしいと思います。