部活動

知覚動考

 先週末は土曜日が山之口体育館に高原中・延岡南中・本郷中・三股中・妻ヶ丘中に来て頂いての練習試合でした。はじめに宮崎正月合宿に向けて、O先生とM先生に礼法指導と審判指導をして頂きました。本当にありがとうございました。

 この日は、サーブキャッチフォーメーションやレシーブポジションなどの変更をテスト休み明けの木曜日に伝え、“破”期に取り組もうとしている初めての新フォーメーションで臨みました。また、サーブの打ち方を変更したり、これまでスパイクを打たなかった2人にスパイクを打たせたり、スパイカー3人のポジションをセットごとに入れかえたり、ほとんど試合に出ることのなかった2人にチャンスを与えたりと大幅な変更をしました。テスト明けということで、あまり準備をすることはできませんでしたが、それも含めて彼らの対応能力や試合に対する意識などを試すことができる絶好の機会となりました。
 結果としては、高原中に1敗、延岡南中に1勝、本郷中に1勝1敗、三股・妻ヶ丘中に2勝、妻ヶ丘中に2勝1敗の6勝3敗でした。相変わらず甘い試合運びをしていたようですが、たくさんの課題を見つけることができ、とてもいい経験になったのではないでしょうか。

 日曜日は鹿児島県の宇都中学校での練習試合でした。13セットもさせて頂き、宇都中に5勝、第一鹿屋中に3勝1敗、大姶良中に4勝の12勝1敗でした。前日の課題を意識しながらの一日になったとは思いますが、前日よりは内容も上がってきており、ある程度形も見えてきたような感じです。しかし、またしても最後の第一鹿屋中とのゲームでセットを落とすなど、ここ一番の集中力や勝利に対する執着心に欠ける部分は相変わらずだったようです。

 この週末の結果をもとに、月曜日にミーティングを行ったのですが、話を聞く限りでは自分たちの課題が何であるかをある程度分かっているようでした。しかし、一つ一つのゲームについていろいろと確認したところ、ほとんど内容を覚えていませんでした。例えば、第一鹿屋中とのあるセットでは、11-4とリードしたにもかかわらず、11-12に追いつかれる場面がありました。この状況は県大会の久峰中との1セット目で、12-4から追いつかれ、相手の勢いを止められず、2セットともデュースの末なんとか競り勝ったという場面と同じような状況なのですが、選手の中にこの状況を思い出すものは誰もいませんでした。
 スタッフ側からすると、県大会での久峰中とのこの場面や、本庄・八代中との1セット目を大差でとった後の2セット目、佐土原中の最後の8連続失点などはとても苦い記憶です。この苦い記憶を振り払うために、日々の練習や練習試合を行っているのですが、当の本人たちはあまり記憶に残っていないようです。
 このスタッフと選手の意識の違い、温度の差が、チームのバレーを不安定なものにしている原因の一つだと思います。しかし、基本的にはプレーをするのは選手なので、私たちがいくら熱く意識の低さを訴えたところで根本的な解決にはなりません。
 目的を一番に意識しながらも、自分たちの立てた目標を達成するためにはどのくらいの努力が必要なのか、何を具体的に取り組めばよいのか。バレーノートにも、今日の練習を通して“気付いた”こと、“考えた”こと、“実行した”ことを書く項目がありますが、まだまだ内容が充実していません。

 宮崎県中体連専門委員長の黒木和夫先生のブログに「知覚動考(ともかくうごごう)」ということについて書いてありました。人間が成長する順番は、知る、覚える、動く、考える、らしいです。まさにその通りだと思います。
 自分が何を知り、何を覚え、どのように動き、そして何を考えたか。すべての経験は次に生かしてこそなので、今日の練習からしっかりと意識して取り組んでくれることを期待しています。