思いやり(心を繋ぐ)
中体連地区大会まであと10日をきりましたが、先週から今週にかけて体調不良や怪我人が多く、まったく練習を計画通りに進めることができませんでした。そんな中、昨日は久しぶりに全員がそろい、週末の熊本遠征に向けての最終チェックをしました。
私は体育館にいると逐一修正をしてしまいます。その結果、自分たちで考えさせることができていないという反省から、最近は体育館の外からじっと眺めている時間が多くなっています。しかし、外から見ていると、相変わらず一生懸命に個人個人が頑張っているだけで、チームとしてみんなで協力してより良くしようとする姿勢が見えず、ただ練習のための練習になっています。
榎原中の問題点は、①試合の入り、②試合の終わり、③連続失点しているとき、④点差が離れて余裕があるときにあります。もちろん技術的な部分もありますが、精神的な面から言うと、①・②については、プレッシャーに負けたり、気合いが入りすぎて冷静になれていなかったりしている、③についてはあわててしまったりびびってしまったりしている、④は気持ちが緩んでしまっているということが考えられます。つまり集中力がないということです。私は常に心は熱く頭は冷静にと伝えていますが、それぞれが自分のことだけを考えているので、相手や自分達を含めた全体の状況を読む力というか意識が足りないのです。
ではどうすればこのような力や意識を身につけることができるかというと、結局大切なことは、人を思いやるということだと思います。レシーバーはセッターのために、セッターはスパイカーのために、スパイカーはブロッカーのために、ブロッカーはレシーバーのために、少しでも次の人ために、チームのためにいう気持ちが繋がっていれば、どんな状況であれボールは繋がってベストのプレーができると思います。たとえミスをしたとしても、その後のカバーや声などでチームのためにできることをやっていけば、チームとしての雰囲気は悪くならないはずです。一方で、何の意識もせずたまたまいいボールがつながったとしても、それは偶然であって、そのボールに気持ちがこもっていないため、チームに流れを引き寄せられない、または次に同じプレーができるかというとそうではないということです。
バレーボールは、サーブで25点決める圧倒的な個の力が無い限り、一人の力だけで試合に勝つことはできません。仲間を信じ、自分を信じ、お互いのことを思いやり、気持ちを繋げてプレーすることで、コートにいる6人の力が2倍3倍にもなるはずです。このようなプレーができたときに、本校バレーボール部の目的である“部活動を通して人間力を高める”ことができ、ひいては目標である“全中に出場して旭川動物園に行く”ということも達成できると信じています。
技術的な面は今日明日でどうにかできるようにはなりませんが、精神的な面は心がけ一つですぐにでも変えることができます。今日は明日の遠征に向けて早く練習をきりあげますが、しっかりとした心の準備をしてほしいと思います。