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第2回卒業式:卒業生代表答辞

 答辞

 生命の躍動感あふれる春を、まもなく迎えようとしています。本日、わたくしたちのために、多数のご来賓、保護者の皆様のご臨席のもと、このような盛大な卒業式を挙行していただきますことに、卒業生一同心より、御礼申し上げます。
 こうして壇上に立っていると、この学校で過ごした三年間が次々と頭によみがえってきます。私たちは、小林秀峰高校第二期生として、新たな歴史を刻んでいく使命を感じてきましたが、学校行事においても部活動においても充実した取り組みを見せることができたと思っています。
 数々の学校行事の中でも、最も私たちの心に深く刻まれたのが、今年度行われた雨の中での体育大会。一人ひとりが、「絶対に成功させよう」という強い想いをもち、演舞の練習やマスコット製作に励み、必死になって頑張りました。迎えた本番はあいにくの曇り空。しかし、そんな天候を吹き飛ばすほどの熱気でグラウンドは包まれていました。いよいよもっとも力を入れて取り組んできた演舞の披露という時に降り出した突然の大雨、そして競技中断。団長が召集され続行するかどうかの話し合いがもたれました。もちろん、全員の気持ちはただひとつ。「続行してほしい。演舞だけでも披露したい。」各団からも「やらせてください!」。続行を望む強い声が次々とあがりました。そんな私たちの想いを先生方はくみとってくださり、念願の演舞を披露することができました。大雨の中での演舞は、どの団も熱い想いの伝わるすばらしいものとなり、見ていた方々にも私たちにも、大きな感動を残すものとなったのです。あの日の感動を私たちはこれからも忘れることはないでしょう。
 また、部活動においても日々頑張る姿がありました。私は部活動のメインキャプテンを務めていたので、各部活動が活躍し、好成績を残していくことをとてもうれしく感じていました。各部の活躍の中でも今年度最も感動を呼んだのは、ハンドボール部が全国高校総体で悲願の初優勝を成し遂げたことです。まだ歴史の浅い小林秀峰高校の名を、全国に強く印象づけたことでしょう。全国制覇は、私たち秀峰高校全体の〝誇り〟となり、勇気と感動を与えてくれました。
 部活動全員加入という秀峰高校ならではのスタイルの中で、私たちは多くのことを学び、成長してくることができたと思っています。わたし自身は、三年間新体操部に所属し、キャプテンも務め、部活動に打ち込んできました。
 日々厳しい練習を積み重ね、努力し続けた三年間は、心身両面において大きく成長できたと自信をもって言うことができます。キャプテンという重責に押しつぶされそうになり、とても辛い時期もありました。それでも私は常に「日本一」を目標に掲げ、自分を鼓舞し、日々全力で練習に励んでいました。「絶対に勝つ」その想いだけが、ボロボロの体を動かす原動力でした。
 そして臨んだ最後の全国高校総体。私は「必ず日本一を獲る」という断固たる想いを胸に試合に臨みました。結果は倒立のミスから四位。言葉では言い表せないほどの悔しさを胸に刻みましたが、その時はそれ以上に、これまで支えてくださった周囲の方々への感謝の念が、強く込み上げてきました。悔しさはあっても、気持ちのいい演技ができたことは私の誇りです。
私は部活動をとおして、忍耐力・責任感・誇り・チームワークの大切さ、感謝する心など、生きていくうえで何より大切なことを多く身に付けてくることができました。私はインターハイでの悔しさを晴らすため、そして教師になりたいという夢を叶えるため、大学へと進学します。このような夢を持つことができたのも、部活動に励んできたおかげです。
後輩のみなさん、部活動に打ち込むことのできるこの学校の恵まれた環境を生かし、ぜひ大きく成長し、小林秀峰高校に新たな歴史を刻んでいってください。時にはみなさんの前に大きな壁が立ちはだかることもあるでしょう。そんな時こそ逃げないでほしい。一つひとつの壁を「己を強くする糧」だと思い、さらなる高みを目指して努力していってほしいと思います。次の主役は君たちです。大きな飛躍を心から期待しています。
さあ、いよいよお別れのときです。私たちの前に広がる未来を思うと、期待に胸が膨らむ一方で、不安も心をよぎります。しかし、私たちは困難にも勇気をもって立ち向かうための剣と盾をこの三年間で得てきました。友と手を取り合い、不安を勇気に変えて、胸を張って力強く、この学び舎を巣立っていきたいと思います。
先生方、保護者のみなさん、これまで私たちを支えていただき本当にありがとうございました。私たちはみなさんへの感謝の気持ちと、小林秀峰高校で培った「知・誠・愛」の心を決して忘れません。どうかこれからも温かく見守っていてください。
最後になりましたが、小林秀峰高校のますますの発展を祈念して、答辞と致します。

平成二十四年三月一日

 卒業生代表 電気科三年 青屋 爵