菓子野っ子ダイアリー

4月25日(金) 未来へ繋ぐ地域の絆 ~菓子野小で受け継がれる今屋俵踊りの心~

 菓子野小学校では、地域に伝わる伝統芸能『今屋俵踊り』を、長年守り続けてこられた「今屋俵踊り保存会」の皆様が、3・4年生の子どもたちに情熱をもってご指導くださっています。

 5月25日(日)に開催される運動会を目前に控えた4月24日(木)、保存会の皆様が早速練習に来てくださいました。子どもたちは4つのグループに分かれ、保存会の皆様はそれぞれのグループを丁寧に回りながら、踊りの基本から細かな動きまで、一つひとつ丁寧に教えてくださいました。俵を持つ手の角度、それに合わせた足の運び。保存会の皆様は、子どもたちの動きを真剣な眼差しで見つめ、時には実際に動きを示しながら、分かりやすく、そして熱心に指導してくださいました。「手のひらは俵に吸い付くように」「足は大地を踏みしめて」保存会の方々の言葉には、長年踊りを受け継いできた重みと、子どもたちへの温かい想いが感じられます。 

  

  

 俵を持たない踊りの際には、指先の美しさにも目を配ります。「両手の親指を内に入れ、4本の指を揃えると、動きがより一層美しく見えるよ」。保存会の方の優しいアドバイスに、子どもたちは真剣な表情で耳を傾け、何度も指の形を確認していました。その真剣な眼差しからは、地域の伝統をしっかりと学びたいという意欲がひしひしと伝わってきました。練習中、体育館には三味線と太鼓の音色が響き渡ります。これも保存会の皆様による生演奏です。子どもたちの踊りのリズムに合わせて奏でられる音色は、踊りをより一層引き立て、子どもたちも自然と体が動き出すようでした。伝統の音色に包まれながら踊る子どもたちの表情は、生き生きとして楽しそうです。 

  

  

 次回の練習は5月中旬。保存会の皆様による最終チェックが行われます。それまでに、子どもたちは自主練習を重ね、さらに完成度を高めていくことでしょう。地域に脈々と受け継がれてきた今屋俵踊りを、保存会の方々の熱心なご指導のもと、子どもたちが真剣に学ぶ姿は、菓子野地区ならではの貴重な光景です。運動会本番で、子どもたちが地域の方々に披露する生き生きとした踊りが、今から本当に楽しみです。この伝承活動を通して、子どもたちの心に、ふるさとを愛する気持ちが深く刻まれることでしょう。

  

 さらに、この日は都城ケーブルテレビの方が、子どもたちの熱心な練習の様子を取材してくださいました。カメラの前で、少し緊張した面持ちながらも、一生懸命に踊りを披露する子どもたちの姿は、とても輝いていました。保存会の中には、なんと今回の踊りを学ぶ児童のおばあちゃんがいらっしゃいました。練習後には、お孫さんと一緒に仲良くインタビューを受けていらっしゃり、地域を繋ぐ温かい光景に、取材スタッフの方々も笑顔で見守っていました。おばあちゃんの優しい眼差しと、お孫さんの嬉しそうな表情が、今屋俵踊りが世代を超えて大切に受け継がれていることを物語っていました。