菓子野っ子ダイアリー

11月25日(火) 篆刻(てんこく)に挑戦✨ ~5年生「ものづくり体験教室」で印鑑づくりに夢中~

【伝統の技と歴史を学ぶ「ものづくり体験」】 

 11月20日(木)、5年生が宮崎県職業能力開発協会主催の「ものづくり体験」事業に参加し、日本の伝統技術である「印鑑づくり(印章彫刻)」に挑戦しました。

 この体験は、ものづくりの大切さや楽しさを伝えることで、子どもたちにものづくりへの理解を深めてもらうことを目的に実施されています。当日は、ものづくりのプロである「ものづくりマイスター」の講師3名が学校にお越しくださり、丁寧に指導してくださいました。

【印鑑の歴史はメソポタミア文明から】 

 体験の始まりは、印鑑(印章)の深い歴史についての説明からでした。講師の先生からは、印鑑のルーツが紀元前4000年頃のメソポタミア文明にまでさかのぼり、シルクロードを経て中国から日本へと伝わってきたという壮大な話がありました。子どもたちは、普段何気なく目にしている印鑑が、そんなにも古い歴史と文化の流れを持っていることに驚きながら、熱心に聞き入っていました。

 「えっ、6000年も前から使われてたの!?」、「日本にもシルクロードを通って伝わったんだ。」

 歴史と文化が詰まった印鑑について学んだ後、いよいよ石を使った本格的な印鑑づくりに挑戦です!

  

【真剣勝負!石を彫る集中力】 

 子どもたちの前に置かれたのは、印材となる石と、細い彫刻刀、そして印材を固定するための道具です。まずは、自分の名前を篆刻するための隷書の辞書を使って調べます。普段書いている文字と異なり、びっくりしている子どもたちもいました。次に、調べた名前の文字を紙に写し取り、印材に反転させて下書きします。この時点で左右逆になるため、子どもたちは頭を悩ませていました。そして、いよいよ彫刻の作業に入ります。

  

◆集中力が試される一瞬

 ◇慣れない篆刻刀で石に刃を入れる作業は、まさに真剣勝負。

 ◇「力加減が難しい!」、「もう少し深くほった方がいいよ。」、「きんちょうする~。」
 ◇細かい作業に集中し、真剣な眼差しで石に向き合う姿が見られました。先生のアドバイスを受けながら、一刀一刀丁寧に彫り進めます。

◆作品に個性が光る

 ◇篆刻刀の入れ方や、字体のデザインによって、一つとして同じものがない、自分だけのオリジナルの印鑑が完成していきます。

  

  

【最後の仕上げと感動の捺印】 

 彫り終えたら、朱肉をつけて紙に押す「捺印」の工程です。初めて紙に自分の作品を押す瞬間は、期待と少しの緊張が入り混じります。講師の先生が、朱肉を丁寧に付けて紙の上にくっきりと自分の彫った文字が浮かび上がると、「やったー!」、「きれいにできた!」と歓声が上がりました。なかには、捺印をしてもらう前に講師の先生に仕上げの確認をしていただく場面も見られました。

 今回の体験を通して、5年生は伝統的なものづくりの技術を学ぶとともに、一つひとつの作品に込められた職人の技と集中力、そして何よりも「ものをつくる楽しさ」を実感することができました。ものづくりマイスターの皆様、貴重な体験をありがとうございました。