南っ子広場

西都市戦没者追悼式

10月1日、西都市民会館で「西都市戦没者追悼式」がありました。

妻南小学校の代表として、六年生6名が、「平和への誓い」を堂々と述べました。

戦後、77年。世界ではウクライナとロシアを取り巻く戦争が現在も起きています。

暴力や暴言では決して解決はしないとみんな分かっている。けれども、争いが起きるのはどうしてでしょうか。

代表児童6名が訴えた内容に、「まずは、お互いの違いを認めることの大切さ」、「戦争を語り継ぐことの大切さ」とありました。

この思いは、参加された市民のみなさんの心に深く届いておりました。そして、私たち一人一人も心に受け止め、日々の生活の中で意識していく必要があるのではないかと思います。

以下児童が発表した作文です。

令和4年度西都市戦没者追悼式 妻南小学校メッセージ

 「人は、なぜ、戦争を繰り返すのでしょうか?」
 今も世界中で、ウクライナを初め、アフリカや中近東、南米など多くの国や地域で  戦争や紛争が続いていて、多くの尊い命が犠牲となっています。
 「人は、なぜ、戦争を始めるのか?」
 「どうすれば、戦争は終わりを迎えるのか?」 
 その答えが知りたくて、私たち6人は、日本も参加した太平洋戦争について詳しく 調べることにしました。祖父や祖母の体験、教科書や本、インターネットなどで調べ ていくといろいろなことが分かってきました。
 戦争が起きる原因は、その時代や国と国との関係などによっていろいろあるようです。
   ・ 宗教上の争い
   ・ 土地や資源の奪い合い
   ・ 文化や民族性の違い
   ・ 政治的な考え方の違いや権力者の利害関係
   ・ 差別
などです。
 でも、これまで起きた戦争も今、起きている戦争も、そこに暮らす人々の求める本 当の願いなのだろうかとあらためて思います。太平洋戦争もウクライナとロシアの戦 いも、本当に国民すべてが望んだものなのでしょうか?
 第二次世界大戦では、日本人の犠牲者が310万人、アジアやヨーロッパ、アメリ カなどを合わせると約6500万もの人の命がなくなっています。日本は、大きな被 害をもたらした沖縄戦や広島原爆、長崎原爆を経て戦争が終わっています。宮崎県で も宮崎大空襲や延岡大空襲を受けて被害が広がりました。
 また、太平洋戦争を含むこれまでの戦争で亡くなった西都市の戦没者の方々の数は、 1465人とも聞いています。私の祖父は、今、85歳ですが8歳の時に戦争を経験 しています。その戦争の悲惨さを私に話してくれました。また、友だちの曾祖母は、  曾祖母のお兄さんが戦地から帰国するときに食べ物がなくて餓死で亡くなったという 話も聞いたそうです。残された家族の苦しみも相当なものだったと話してくれたとい うことです。
 戦争では、このように多くの人命や土地、財産などが奪われるだけではなく、人々の 生きる希望まで失う悲惨な結果を招くものです。戦争というのは、遠い世界で起きて いるのではなく、私たちの身近にも起きることなのだなあとあらためて実感しました。
 では、私たちは戦争を起こさないためにどうすればいいのでしょうか?
  初めに、戦争が起きる原因についてお話ししましたが、まず、私たちが考えなけれ ばならないことは、「違いを認める」ということだと思います。人は、国籍や宗教、肌 の色や考え方、豊かさや性別などそれぞれであって、その違いをお互いが認められな いところに争いが起きるのだと思います。私たちは、まず、お互いの違いを認めるこ とから始めなければなりません。そのためには、いろいろな国やそれぞれの立場の人 のことを知ることが大切ですが、今は、いつでも誰とでも世界中の人々とつながるこ とのできる世界です。世界の人々がつながり、それぞれの違いを認め合える社会にな れたらいいなあと思います。
 また、いろいろな争いごとは「決して暴力では解決しない」ということを世界中の 人々が理解できることも大切だと思います。私たちの小学校でも、時々、ケンカやい じめみたいなものが起きることがあります。口ゲンカだったり相手をたたいたりけっ たり。そんな時、相手をたたいたり、ひどい言葉を言ったりすることでは絶対に問題 は解決しないということはみんな分かっています。分かっていてもそうしてしまう人 間の弱い部分がでてしまうのだと思います。
 でも、絶対に暴力では問題は解決しないということを私たち子どもの頃からしっか り学ぶことが、国と国との戦争を防ぐことにもつながることになるのでしょう。
 最後に、今起きている戦争を終わらせる、これからの未来の世界に戦争を起こさな いために、私たちが最も力を注がなければならないことは、「戦争の悲惨さを語り継ぐ こと」です。
 昭和20年の太平洋戦争が終わった後、日本は戦後77年の世界を迎えて、戦争を 体験した人は約1割近くとなって、戦争の悲惨さを語り継ぐことのできる人はほとん どいなくなることは間違いない事実で  す。
 でも、沖縄慰霊の日や広島、長崎原爆の日の平和メッセージに関する新聞記事を読 みましたが、すべてのメッセージに必ず「平和への希望を未来につなぐ」ということ がうたわれていました。今を生きている私たちは、過去に起きた戦争の悲しみと平和 への希望を未来に生きる人々にしっかり伝える責任と義務があると思います。
 ある人がこう言っています。「平和のあかりは、灯し続けないと見えなくなる。」と。
私たち小学生もしっかり平和のあかりを灯し続けられるように努力していきたいと 思い、ここに眠る西都市戦没者の英霊に誓います。