研究の概要
1 研究主題
主体的・対話的に学び、確かな学力を身に付ける授業の創造
~自分の考えを広げ深めることのできる算数科の授業づくりを通して~
2 主題設定の理由
学習指導要領の改訂に際し、「社会に開かれた教育課程」の編成・実施の重要性や育成すべき資質・能力の三つの柱等の具体的なポイントが示された。このことは、単に学習内容を理解、習得させる教授的な授業から、「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」の3要素を意識させ、児童自らが能動的に学ぶ授業への質的転換が求められていることに他ならない。まずは、私たち教員自身が目指す授業イメージを共有しつつ、〔授業改善4+4のチェックポイント〕に基づいた日々の授業改善に直結する、シンプルかつ持続可能な校内研修に取り組む必要がある。
本校では、本村が提唱する「15の春までに真にたくましい子どもを育成し、人と人とがつながる林業の村を誇りとする教育」(諸塚村ふれあい教育)の理念に基づき、「ふるさとを愛し、自ら学び、たくましく生きる児童の育成」を教育目標に掲げ、家庭・地域・学校が三位一体となって教育に取り組んでいる。その具体策として、小規模校の特色を生かした本校ならではの教育活動を進めつつ、一方で小規模校のデメリットをチャンスととらえる逆転の発想によって、一部教科担任制による複式指導の解消や「朝トレ」等の個に応じたきめ細かな指導に取り組んでいる。
本校には、学習意欲が旺盛で、学習活動に意欲的に取り組む児童が多い。また、教師が児童一人一人にしっかりとかかわり、習熟や定着の状況をきちんと見届ける指導を徹底することで学力調査等において安定した結果を得ている。しかし、自ら課題を見つけ、他者との協働で問題解決に取り組んだり、既習内容を生かし、創意工夫しながら困難な問題に取り組んだりするところまでには至っていない。特に、学力調査においては国語科より算数科に課題が見られる。
予測困難なこれからの社会をたくましく生き抜くために必要な資質や能力を身に付けさせる授業はどうあればよいか。その問いに対し、本校では基本的な授業モデルを共有し、共通の視点から算数科授業の相互評価(フィードバック)を行うことにより、互いの成果と課題を共有することが極めて効果的であるという点で共通理解を図った。
そこで本年度は、昨年度の研究を継続しつつ、算数科に焦点をあて、児童が主体的・対話的に進んで学び確かな学力を身に付ける授業改善を目指し、主題を「主体的・対話的に学び、確かな学力を身に付ける授業の創造」副題を「~自分の考えを広げ深めることのできる算数科の授業づくりを通して~」と設定した。また、次の二点を中心に各研究部で各々の研究授業を参観後、事後研究会を実施し、より一層の充実を図るなどして校内研修を進めることにした。
① 研究授業はもとより、日々の授業実践においても積極的に授業づくりシートを活用する。
② 学び合いの機会(互いの授業を参観し、フィードバックし合う「研究授業」や「チャレンジ授業」)を計画的に位置付ける。
このような教師間の積極的な学び合いを通して、日々の授業改善や児童の学力向上に継続的に取り組むことは、授業の質的転換を促進するとともに、児童に学ぶ楽しさを体感させることにつながり、児童・職員共通のスローガン「主体的・対話的に学び、成長し続ける諸塚小」の具現化を図る上で大変意義深い。自身の授業の課題を克服しつつ、互いの授業の改善状況を実感し合う。そんなチームを目指していきたい。
3 研究の目標
児童が主体的・対話的に学び、確かな学力を身に付けるための授業の在り方を日々の授業改善を通して究明する。