ノート・レポート 社会科授業公開が行われました

 7月17日(木)の4校時に1年1組にて、研究主任の瀧﨑教諭指導における社会科の校内授業公開が行われました。今回の授業は「ヤマト王権はどうやって多くの人を従わせる力を手に入れていったのか?」という学習問題のもと、生徒一人ひとりが自身のペースで学びを進める自由進度学習の形式で実施されました。授業では、生徒たちは学習の進度に合わせて、大きく2つのコースに分かれて学習に取り組みました。

◎用語チェックコース

 このコースでは、主に歴史用語の確認と定着に重点が置かれました 。生徒たちは、古墳の形成やヤマト王権の中心となった王である大王について学びました 。また、中国・朝鮮半島との交流を通じて、ヤマト王権がどのようにして日本を統一していったのかを、主要な用語を確認しながら理解を深めました 。 

◎資料から学ぶコース 
 このコースでは、より深い歴史的思考力を養うために、多様な資料の分析に重点が置かれました 。生徒たちは、稲荷山古墳から発見された鉄剣や副葬品 、中国の歴史書に記された鉄の交易に関する記述 、奈良県の古墳から発見された鉄の板など、具体的な資料を用いて、ヤマト王権の権力の源泉を探りました。特に、「ヤマト王権がどうやって鉄を手に入れていたのか?」「朝鮮半島の国に従うことで鉄がもらえるのに、なぜ埼玉県の豪族が鉄剣や鉄をもっていたのか?」「ヤマト王権は、朝鮮半島からもらった鉄をどう使ったのか?」といった問いについて、資料に基づいて考察を深め、活発な意見交換が行われました 。

 どちらのコースの生徒も、最終的には「巨大な古墳を築くには、たくさんの人を従わせる権力が必要になる。そこで、ヤマト王権は、貴重な鉄を朝鮮半島から輸入し、鉄を周辺の国々に与えることで優位に立ち、権力を広げていった」というまとめに至り、ヤマト王権の権力形成の過程を多角的に理解することができました 。

  今回の研究授業は、生徒たちが自身の理解度や興味に応じて学習方法を選択できる自由進度学習の有効性を示すものとなりました。生徒たちは主体的に学びを進め、歴史的思考力を高める貴重な機会となりました。今後も、生徒一人ひとりの学びを支援する多様な学習形態を取り入れ、歴史の面白さを感じながら探求する学習を推進していきます。