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NEW 仲間との絆

 部活動を通して得られた仲間との深い絆について、本校生徒の作文が掲載されました。

仲間との絆.pdf

文面は以下の通りです。

 仲間との絆

「この仲間と勝ちたい」

この気持ちをもって部活を続けた三年間は本当に幸せな毎日だった。中学校に入学して部活動を決めるとき、体の小さい私は体格で有利不利がほとんどない卓球という競技に惹かれ、経験はなかったものの卓球部に入部した。一年生の時はハードな筋トレばかりで大変だった。二年生の時には卓球の腕も上達し、いつしか卓球がますます好きになっていった。できる技もどんどん増え、練習も夢中になって取り組んだ。その頃には同級生達との仲も深まり、切磋琢磨し合える関係になっていた。二年生ながら先輩方にとって最後の中体連に私は団体メンバーとして出場した。目の前で繰り広げられたドラマのような逆転劇で先輩方は見事に地区大会優勝を勝ち取ったのだ。最高の笑顔で喜んでいる先輩方を見て、「私たちも地区大会で優勝したい」と思うようになった。

 三年生が引退し、新体制になって初めてのミーティングの日、私はキャプテンに立候補した。すごく勇気のいる決断だったが、地区大会で優勝するという目標を私がキャプテンになって達成したいという気持ちがあった。私はこの日の日記に「これからどんな部活動人生、キャプテン人生が待っているのだろう。きっと私のことだから全部うまくいくことはないだろうな…でもどんな壁に当たったとしても、挑戦し続ける。」と綴っている。

 秋の地区大会では優勝を目標にしながらも、団体戦三位に終わった。さらに九州大会の予選では今まで負けたことのない相手にも負け、本当に悔しい思いをした。キャプテンとしての反省点ももちろんあったが、下を向いている暇もなくミーティングで、「悔しいままで終わったら、最後の夏の大会で絶対に勝てないよ。本気でしないと今のままじゃ勝てない」と言ったことを覚えている。

 その日から毎日ホワイトボードにその日の目標を書いたり、日めくりカレンダーを作ったりした。その甲斐もあり、徐々にチームとしての意識が高まっていった。お互いの弱点を見つけ合い、地区大会優勝へ向けて、ただただがむしゃらに練習に打ち込んだ。

 いよいよ最後の地区大会。団体戦は総当たりのリーグ戦で行われた。いきなり初戦の相手に負けてしまい、心が折れそうになった。しかしみんなで声を掛け合いながら気持ちを切り替えた。応援してくれている仲間の存在が心強く感じ、私も無我夢中に戦った。これが今まで作ってきた仲間との強い絆だと私は確信した。今なら自信をもって言える。私たちは個人の力では敵わない相手であっても、仲間と作り上げてきたチームワークがあれば必ず勝てると。私たちは、見事に地区大会を優勝することができた。あの日の喜びは夢のようで最高に嬉しかった。

 県大会、九州大会を目指していた最中、私はコロナウイルスに感染し、県大会出場が叶わなくなった。一日でも長くこの仲間と一緒に卓球がしたいという気持ちでいっぱいだった。しかし今私が落ち込んでもしょうがないと気持ちを切り替え、応援メッセージ送ったり、アドバイスをしたり、キャプテンとして今の自分にできることを精一杯行った。私のチームは見事に県大会で三位になり、仲間の一生懸命な姿にたくさん感動させてもらった。

 私は部活動を通して多くのことを学んだ。卓球をしたくてもできない時期には、今までのあたりまえがどれだけ幸せなことだったのかを改めて気づかされた。そして夢に向かって努力することの大切さを教えてくれて、苦しい時だって仲間がいたから頑張ることができた。私はこのチームのキャプテンで本当に良かったと心から思える。卓球部で過ごした三年間は私にとって最高の宝物だ。最後に仲間へ、本当にありがとう。