SSH トピックス
令和8年度SSH生徒研究発表会
SSH生徒研究発表会に参加しました
令和8年度SSH生徒研究発表会に、本校生徒が参加しました。今回の発表会への参加を通して、生徒たちは他校の生徒や研究者の発表に触れ、自分たちの研究を振り返るとともに、今後の探究活動につながる多くの刺激を受けました。
会場では、物理工学・生物・数学情報・地学・化学の分野で取り組まれている研究についてポスター発表を聞き、研究の内容だけでなく、研究に向き合う姿勢や発表の仕方についても学ぶ機会となりました。普段の学校での探究活動とは異なる環境で、より専門的な研究に触れたことで、自分たちの研究について新たな視点を得ることができました。
参加した生徒からは、「レベルがすごすぎる」「査読がしっかり行われており、研究の質が高い」「知識がなければ研究はできないことに気づいた」「この全体発表に泉生もでたい」
という感想が聞かれました。
自分たちとの違いを実感したことは、決して「できない」ということではなく、これから何を学び、どのように研究を深めていくのかを考えるきっかけとなりました。特に、研究を進めるためには、課題を見つける力だけでなく、その課題を追究するための幅広い知識や専門的な知識を身に付けることが重要であることを実感したようです。
今回の経験を一つのきっかけとして、今後の探究活動においても、知識を深めながら自ら問いを立て、試行錯誤を重ねて研究を発展させていくことを期待しています。また、今回の経験を後輩たちへしっかりと伝えてほしいと願っております。
理数科1年+附属中2年「サイエンス合宿」(7/21~24)
先日、3泊4日(7月21日(火)~7月24日(金))で実施された「理数科サイエンス合宿」に行ってきました。生徒たちの熱心な活動の様子をレポートいたします。充実したプログラムを通じて大きく成長した生徒たちの姿をご覧ください。
【7月21日(火)・晴れ】霧島の息吹を感じる!壮大な活火山生態系へのアプローチ
1日目の舞台は霧島山周辺です。えびのエコミュージアムに到着した生徒たちは、霧島ジオガイドの方々(中筋誠氏・永山裕人氏・坂元幸一氏・黒田和則氏)の案内のもと、活火山である霧島連山の噴火の歴史や、そこから生まれた独自の文化、多様な植生について深く学びました。白鳥山フィールドワークでは、各班で活火山の観察を実施し、大自然のスケールを肌で感じていました。夜には御池青少年自然の家で、たちばな天文台の蓑部樹生氏をお招きして天体観測を実施。充実した1日を終え、夜遅くまでポスター作成に取り組む生徒たちの姿に、私たち引率教員も頼もしさを感じました。
【7月22日(水)・晴れ】先人の知恵と地形の謎に迫る!加久藤カルデラと土木遺産
合宿2日目はえびの市周辺での活動です。テーマは「加久藤カルデラ噴火の痕跡、橋の構造、用水路と農業について知る」こと。宮崎大学農学部の竹下伸一先生に指導助言をいただきながら、めがね橋や享保太鼓橋といった歴史的土木遺産を巡りました。「享保用水路はなぜ迂回しているのか?」という問いに対して各々考察をしながら、また地形や地質がどのように土地利用に関わってきたのか、享保用水路の調査を通して深く考察する時間となりました。午後には自然の家へ戻り、野外炊飯と火起こし体験(まいぎり)に挑戦。班の仲間と協力して火を起こし、食事を作る経験は、科学的な視点だけでなく、コミュニケーション能力やチームワークを育む素晴らしい機会となりました。
【7月23日(木)・晴れ】中学生とともに歩む!御池周辺の生物多様性と探究のプロセス
「生物の多様性について知り、観察の手法や探究のプロセスを身につける」というテーマのもと、この日は中学生(附属中2年生)も合流し、共に活動を行いました。霧島ジオパークガイド養成講座アドバイザーの奥村健一郎氏に同行いただき、自然の家から野鳥の森にかけてフィールドワークを実施しました。例年多く発生しているヤマビルは連日の猛暑や日照りであまり活動をしておらず、フィールドワークに集中できました。生徒たちは高校生の先輩として中学生をリードしつつ、自らも熱心に動植物の観察を行っていました。歩きながら自然の声に耳を傾け、鋭い視点で問いを立てる生徒たちの姿が印象的です。夜は前日に引き続き火起こし体験(きりもみ)、野外炊飯とポスター作成を行い、最終日の発表に向けた準備がいよいよ大詰めを迎えました。この日は中学生も宿泊し、高校生と24日の発表へ向けて準備をする姿が見られました。
【7月24日(金)・晴れ】3日間の集大成!学びの深化とプレゼンテーション
合宿最終日は朝食と部屋の清掃を終えた後、3日間のフィールドワークの集大成となるプレゼンテーション発表会を行いました。各班が現地での観察や調査を通して集めた情報を整理し、分析した結果をポスター形式で堂々と発表しました。初日の表情とは見違えるほど自信に満ちた生徒たちの顔を見ることができ、胸が熱くなりました。「ジオパークを知り科学の種をみつける」、「情報整理や分析、表現する力を身につける」という本合宿の最終目標 を、見事に達成してくれたと感じています。
SSH通信 第23号 発行
ダウンロードはこちら 23_都城泉ヶ丘SSH通信080710.pdf
理数科1年【事前学習】サイエンス合宿に向けて、奥村健一郎先生による「御池の自然」特別講義を開催!
前回の事前学習に引き続き、今回も7月に行われるフィールドワーク(テーマ:御池周辺を舞台に生物の多様性を知り、観察の手法や探究のプロセスを身につける)の事前学習を6月24日(水)に行いました。
今回は霧島ジオパークガイド養成講座アドバイザーであり宮崎県環境保全アドバイザーでもある奥村健一郎先生をお招きし、特別講義を行っていただきました 。
■大地の変化:マグマと水が出会って生まれた「御池」
霧島火山の最南端に位置する火口湖「御池」。奥村先生はまず、この美しい湖がどのようにして形成されたのか、地球のプレートの動きという壮大なスケールから紐解いてくださいました。御池の原型ができたのは、今から約4700年前。地下のマグマが激しい水蒸気爆発を起こした「マグマ水蒸気噴火」によって、この深い火口湖が誕生しました。周辺には、幾度もの火山活動によって降り積もった、さまざまな時代の火山灰やスコリアの層が今も残されています。
■地理的・気候的要因:豊かな雨が育む環境
御池の豊かな自然には、九州の気候も深く関係しています。南国宮崎は、黒潮(暖流)の影響や温帯モンスーン気候により、年間を通じて温暖で水蒸気を多く含んだ風が吹き込みます。これが九州の山々にぶつかることで、梅雨の時期をはじめとする多くの「雨」をもたらします。
■植物生態:命を育む日本屈指の「照葉樹林」
「火山による特殊な大地」と「温暖多雨な気候」。この2つの環境因子が奇跡的に組み合わさることで、御池の周りには人手が加えられていない見事な天然林(照葉樹林)が広がりました。ツバキやカシなど、ツヤのある濃い緑の葉を持つ樹木が鬱蒼と茂る森は、多くの生き物たちに最高の住処を提供しています。御池周辺が「国指定御池野鳥の森」として大切に守られているのも、こうした生き物たちの見事な環境適応と進化の歴史があるからなのです。
■フィールドワークに向けて
奥村先生の講義を通して、ただ「緑豊かで綺麗な湖」というだけでなく、【火山(大地)× 気候(水・風)× 生物(多様性)】がすべて繋がって現在の姿があることを学びました。今回の事前学習で得た知識をベースに、当日はただ景色を眺めるだけでなく、独自の「問い」を立てて探究のプロセスを実践してきてほしいと思います。
普通科2年「郷土探究」分野別講演会 開催(6/16)
6月16日(火)、普通科2年生「郷土探究」分野別講演会が開催されました。普通科2・3年生の探究活動、通称「郷土探究」は、令和元年度2年生から都城市役所のバックアップを受けながら実施されている探究活動です。地域の課題を生徒目線で探究し、最終的には都城市に向けてプレゼンテーションを行う、課題解決型探究活動です。
4月から、市役所からご提示いただいた9つの分野について学びを深め、5月には探究分野を決定、その後分野別に課題や疑問点などを整理する活動を行い、本日、「分野別講演会」に臨みました。
市役所担当者様からのスライドを使用した説明を受け、市も自分たちと同じ課題を感じているという事柄もあれば、全く異なる次元の課題解決に挑んでいる実態等を知ることができ、新たな気づきをたくさんいただきました。
生徒は今後、4名を上限としたグループに分かれて探究活動をスタートさせます。自分たちのアイディアで、誰かの暮らしが良くなるかもしれない、都城市がより住みやすくなるかもしれない、という思いを胸に、探究活動に励んでもらいたいと思います。都城市役所の皆様、本日はありがとうございました。
理数科1年【事前学習】サイエンス合宿に向けて、宮崎大学の竹下先生による特別講義を開催!
本校では7月に、えびの市の「月の木川橋(めがね橋)」や「享保太鼓橋」などを訪れるフィールドワーク(テーマ:加久藤カルデラ噴火の痕跡、橋の構造、用水路と農業について知る)を予定しています。
この事前学習として、6月12日(金)に宮崎大学農学部の竹下伸一先生をお招きし、『地質が造る水路の景色 ~高千穂・えびの・都城~』と題した特別講義を行っていただきました。
■巨大噴火がもたらした「シラス台地」と水利用の課題
高千穂、えびの、都城には、過去の巨大なカルデラ噴火(破局噴火)によってできた「シラス台地(火砕流台地)」という共通の地質環境があります。
えびの市(加久藤盆地)は約33〜34万年前の噴火による陥没地形であり、複雑な火砕流堆積物で構成されています。この地質は豊かな温泉などの恵みをもたらした一方、台地上は「水がたまりにくく、農業用水の確保が極めて困難」という大きな課題を先人たちに突きつけました。
■用水路愛あふれる先生が紐解く、先人の知恵「享保用水」
この困難を克服するため、江戸時代の1732年に開削されたのが「享保(きょうほう)用水」です。
用水路を知り尽くした竹下先生からは、フィールドワークに向けた見どころとして「高低差がほとんどない平坦な台地に水を届けるため、用水路があえて大きく迂回しながら造られていること」を教えていただきました。非効率に見えるルートにこそ、先人たちの緻密な計算と知恵が詰まっています。
そして、その水路を渡すために造られた石造りの美しいアーチ橋が、今回私たちが訪れる国の登録有形文化財「月の木川橋」と「享保太鼓橋」です。
■フィールドワークに向けて
ただの「古い橋や水路」に見える景色も、地球のダイナミックな歴史と先人の情熱、そして先生のようなマニアを虜にする魅力が詰まった最高の教材です。今回の学びを胸に、現地でたくさんの「なぜ?」を発見してきてほしいと思います。
■最後に
第36回宮日出版文化賞を受賞された先生の著書『高千穂山腹用水路 探訪ガイドブック』もご紹介いただき、地域の新しい魅力に触れる時間となりました。
SSH通信 第22号発行
ダウンロードはこちら 22_都城泉ヶ丘SSH通信080610.pdf
「SDGs QUEST みらい甲子園 全国交流会2026」に出場しました!
5月30日、本校の生徒チームがオンラインで開催された「SDGs QUEST みらい甲子園 全国交流会2026」に出場しました。この交流会は、全国2,816チームのエントリーの中から各エリアの最優秀賞に選ばれた22チームのみが集う貴重な舞台です。
本校チームは、「ダイラタンシー」の研究を社会課題解決に繋げるアイデアについて、2分間の「弾丸ショートプレゼン」を情熱的に行いました。その後のワークショップでは、専門家や全国の仲間からアドバイスを受け、探究を深めるための大きな刺激を得ることができました。
生徒たちは、6月27日に東京・渋谷で開催される対面イベント「Future Session 2026」に向けて、さらにアイデアを磨いています。未来を創るリーダーとして躍動する彼らの応援を、引き続きよろしくお願いいたします。
霧島ジオパークフィールドワーク実施!地元の自然から「科学の種」を発見(理数科1年)
5月19日(火)、理数科1年生を対象にフィールドワークを実施しました。
今回は、霧島ジオパーク推進連絡協議会事務局の石川徹様を講師にお迎えし、都城盆地の成り立ちや地質・地形と、私たちの現在の暮らしとの関わりについて深く学びました。
今回のフィールドワークの目的は以下の2点です。
①科学者に必要な資質・能力や「科学的探究プロセス(テーマ設定→仮説→実験・観察→考察)」を体験を通して身につけること。
②次年度から本格化する課題研究「SSR(スーパーサイエンスリサーチ)」を見据え、霧島ジオパークを舞台に地元発信の「科学の種」を獲得すること。
生徒たちは1日をかけて4つのスポットを巡り、熱心に観察を行いました。
■ 金御岳公園:都城盆地を見渡し、大地の歴史を推理する
金御岳(かねみだけ)公園では、眼下に広がる都城盆地の地形・地質の特徴を確認しました。駐車場付近にある約4000万年前の砂岩でできた地層を観察した生徒たちからは、「昔はここが海だったのではないか?」「どのようにして隆起したのだろう?」といった、鋭い疑問が次々と生まれていました。
■ 母智丘神社:広大なシラス台地と、先人の知恵を学ぶ
母智丘(もちお)神社では、かつて湖だった都城盆地が、火山の噴火による火砕流堆積物(シラス)によって埋め尽くされた歴史を学びました。また、その厄介ものとも言われるシラスをうまく活用して農業が行われていることも知りました。生徒たちは、目の前の広大な土地を埋め尽くすほどの火砕流の規模に圧倒されながら、自然の迫力と先人の知恵を実感していました。
■ 関之尾滝:壮大な自然の造形美と、用水路への問いを立てる
関之尾滝では、加久藤(かくとう)カルデラの噴出物が固まった「溶結凝灰岩」が、長い年月をかけて水に浸食された様子を観察しました。上流にある世界最大級の甌穴(おうけつ)群(国指定天然記念物)を目の当たりにし、自然の力の壮大さを体感。さらに、その傍ら(かたわら)にある用水路にも目を向け、「なぜこの場所に用水路があるのか?」「どのように使われていたのか?」といった、新たな問いを自分たちで立てていました。
■ 溝ノ口洞穴:ミステリアスな洞穴で、仮説をぶつけ合う
最後に訪れた溝ノ口洞穴では、シラス層が地下水によって浸食されてできた神秘的な空間を観察しました。洞穴の内部に見られる正体不明の穴を発見した生徒たちは、「どうやってできたのか?」「もしかしてこうではないか?」など、講師の石川様に積極的に質問しながら、自分なりの疑問や仮説を膨らませていました。
今回のフィールドワークを通して生徒たちは、普段見慣れている景色でも「見方を変える」ことで様々な事実が見えてきたり、新しい疑問が湧いたりすることを肌で体験しました。また、大自然の営みと私たちの日常生活が密接に関わっていることを考える、貴重な機会となりました。
ここで得たたくさんの「科学の種」をもとに、これからのSSR(スーパーサイエンスリサーチ)をはじめとする探究活動がどのように発展していくのか、今後の活躍を楽しみにしています。
SSH通信 第21号 発行
ダウンロードはこちら 21_都城泉ヶ丘SSH通信080520.pdf