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2025年11月の記事一覧

科学の甲子園宮崎県予選に出場しました

 11月9日、都城泉ヶ丘高校から5チーム31人が「科学の甲子園宮崎県予選」に出場しました。理数科だけでなく、学年・クラスを越えて理科・数学好きの生徒が集まり、全国大会出場をめざして挑戦しました。

 科学の甲子園は、物理・化学・生物・地学・数学・情報6分野について、筆記競技実技競技の総合得点を競う大会です。筆記競技は「一人でじっくり解いてもよし、6人全員で相談しながら解いてもよし」というルールで、個々の力とチームワークの両方が問われるところが大きな魅力です。

 実技競技は、約1か月前に競技内容が提示されます。今年度は
 ① 手の感触だけで内容(カプセルの色・場所)を仲間に正確に伝える
 ② 注射器の空気圧を利用したマジックハンドを作成する
という2つの課題がポイントでした。生徒たちは1か月間、放課後や朝課外を使って、試作品づくりや記録の取り方の工夫など、試行錯誤を重ねてきました。

 本校からは5チーム31人がエントリーし、1学期から校内選考会を繰り返しながらメンバーや役割を決定しました。その後も、筆記の演習や実技の練習を重ねる中で、問題の解き方だけでなく、「どう伝えれば仲間に分かりやすいか」「どう役割分担すれば一番力を出し切れるか」といった、チームとしての戦略も磨いていきました。

 大会当日、生徒たちは緊張の面持ちで競技に臨みました。筆記競技を終えると、いよいよ実技競技。限られた時間の中での作業に、時間が足りなくなりそうな班もありましたが、工夫を重ねて着実に加点を積み重ね、満点を獲得した班も生まれました。

 午後からは、全チームが一堂に会して参加するマニュファクチャリング競技駆け抜けろ!ペーパーバランス対決」が行われました。紙を用いた装置で距離を競う競技で、午前中とは異なり、他校・他チームの様子を全員で参観できる形式でした。記録が伸びそうなときには自然と大きな拍手や歓声が起こり、全員で距離をカウントしながら、会場全体が大いに盛り上がりました。

 結果として、本校Bチームが3位入賞となり、惜しくも全国大会への出場はかないませんでした。全国出場を目標に、1学期から真剣に取り組んできただけに、競技後の生徒たちの表情には悔しさもにじんでいました。しかし同時に、「来年こそは全国への切符をつかみたい」という前向きな思いも強く芽生えています。

 年々参加者も増え、盛り上がりを見せている都城泉ヶ丘高校の科学の甲子園チーム。今回得た経験と悔しさを力に変え、次年度以降も「6人で考える科学の面白さ」に挑み続けます。

 

 


 

 

理数科講演会+サイエンスカフェ開催(10/17)

10月17日(金)に九州大学 理学研究院の教授で、国際宇宙惑星環境研究センターのセンター長をされている吉川顕正先生をお招きして、「宇宙に於ける爆発現象と宇宙天気科学の発展」という演題もとで講演会を行いました。

講演では、太陽フレアの仕組みやそれが地球のオーロラ現象とどのように関わっているか、さらに太陽の質量や黒点のでき方など、私たちの身近な太陽の中に秘められたダイナミックな現象について、わかりやすくお話しいただきました。

中でも印象的だったのは、「放射層から放たれた光が光球に届くまでに数万年もの時間がかかる」というお話でした。太陽の内部で生まれた光が、長い時間をかけて外へとたどり着き、そしてわずか8分で地球へ届く。そのスケールの大きさに、生徒たちは驚きと感動の表情を浮かべていました。今回の講演は、生徒たちが科学の奥深さ未知の世界への好奇心を改めて実感する貴重な機会となってと思います。

また、講演会のあとには「サイエンスカフェ」を実施しました。サイエンスカフェには、男女半数ずつの約20名が参加し、最初は緊張した様子も見られましたが、「せっかくの機会だから聞いてみたい!」という生徒たちの熱意が伝わってくる時間となりました。

生徒からの質問は、講演で抱いた疑問にとどまらず、「農学部や工学部と理学部の違いは何ですか」「理学部では具体的にどのようなことを学ぶのですか」「そもそも“学ぶ”ってどういうことだと思いますか」「研究していて、いちばんやりがいを感じる瞬間はいつですか」「研究を続けるうえで大変なことは何ですか」など、学部選びや学問そのものの意味を問い直すようなものが多く見られました。多くの生徒が、他の生徒の質問にも大きくうなずきながら、真剣な表情で聞き入っていたのが印象的でした。

また、中には自分たちが現在取り組んでいる研究についてアドバイスを求める生徒もおり、先生もそれぞれの質問に対して、専門的な内容もかみくだきながら、時にはご自身の高校時代や研究活動のエピソードも交えて丁寧に答えてくださいました。質問が途切れることはなく、サイエンスカフェは最終的に約2時間にわたって続きました。終了後、先生からも「高校生とここまでじっくり話すことができて、とても楽しかった」との感想もいただき、生徒にとっても、研究者の生の声に触れ、自分の進路や学び方を見つめ直す貴重な機会となりました。

普段の学校生活の中では、なかなか身近に感じにくい「理学部」という進路や、「研究する」「学ぶ」という行為そのものについて、今回のサイエンスカフェを通して少し距離が縮まったのではないかと思います。この体験をきっかけに、理系・文系にとらわれず、大学での学びや研究の世界に興味を持ち、自分の将来について考えを深めていってくれればうれしく思います。