SSH トピックス
理数科1年SRP 霧島ジオパークフィールドワーク(5.21)
5月21日(水)、1年理数科(82名)は霧島ジオパークフィールドワークに参加しました。霧島ジオパーク職員の石川徹様よりそれぞれの場所で姶良カルデラや加久藤カルデラの火山の歴史やそれらが都城の地質や地形に与える影響について詳しく説明を受けることができました。当日は悪天候でしたが、生徒たちは雨の影響もものともせずそれぞれの場所で生まれた問いや疑問を考え語り合う姿が見られました。
目的: 科学者に必要な資質・能力や科学的探究プロセス(テーマ設定→仮説→実験・ 観察→考察) を「体験」を通して身につける。また,次年度の SSR(スー パーサイエンスリサーチ)を見据えて霧島ジオパークをフィールドとした地元発信の「科学の種」を獲得する。
行程: 学校 → 金御岳公園 → 母智丘神社 → 関之尾の滝 → 溝ノ口洞穴 → 学校
生徒感想
〇 今回のフィールドワークに参加したことで、物を見るための視点が広がったので、これからのSRMの授業や、フィールドワークに活かしていきたいです。また、他の分野のフィールドワークにも参加してみたいと思いました
〇 初めてのフィールドワークだったが、石川さんの話をまとめたり、その場所での特徴的な所をこまめに写真を撮影するなどを心掛けられた。石川さんから教わった風景の見方を日常的に意識して生活したいと思った。何万年もかけて自然が創られ、変化していることを改めて感じた。自然と人間がいかに共存して生きてきたのかを感じた。
〇 普段はあまり理系分野の問いに興味を持つことができないけれど、今回のフィールドワークでは興味を持ち、楽しく取り組むことができた。この気持ちや体験を忘れず、これからの探究活動に活かしていきたい。
〇 今回は、フィールドワークで金御岳・母智丘神社、関之尾公園に行った。金御岳では、都城の地層に、本来水の中にある、砂岩の地層が見られ、それが傾いていることへの疑問が生じた。母智丘公園と関之尾公園では、視覚的に金御岳での疑問を解決し、シラスや都城湖などの知識を踏まえ、また新たな問いを立てることが出来た。今回のフィールドワークでは、考えさせられることが多かったが、知識をもとに、自分や友達で考察でき、楽しかった。
○都城に住んでいるけれど今回行った場所で行ったことがない場所もたくさんありもっと都城のことについて知りたいと思いました。今回、普段は観光でしか行ったことがない場所を科学的な視点で見たことによって普段何となく眺めていた場所についても疑問が生まれたり、新しい発見があったので今回のフィールドワークをきっかけに普段から科学的視点で物事を見ていきたいと思いました。また、その疑問を疑問のままで終わらせるのではなく自分で調べたり、実験したりして解決していこうと思いました。
普通科2年理数探究(郷土探究) 都城市長講演会(5.21)
5月21日(水)、普通科2年生を対象に、都城市長である池田宜永様よりご講演いただきました。普通科2年生の「理数探究」は都城市役所のサポートを受け、地域課題の解決に向けた探究活動、通称「郷土探究」を行っています。今年度の探究活動に先立ち、今回「市長講演会」で市の取組、市長の考えに触れる機会を得ました。
事前にいただいた講演資料を生徒は読み、気になるところを市長に直接質問できるというありがたい機会をいただき、生徒は市政への疑問等を積極的に質問できました。その質問ひとつひとつに丁寧にご回答いただき、その市長としての考えの深さ、広さ、早さを目の当たりにしたところです。根拠も明確、かつ論理的なご回答に、多くの生徒が納得した顔で様子でした。
これから生徒達は探究活動に入っていきます。来週は分野ごとに市役所の各担当者から課題を伺う「分野別講演会」が開催されます。今日のお話を踏まえ、次回も多くの質問が出せるほど、「自分ごと」として考えていきたいものです。
池田市長、本当に貴重な機会をありがとうございました。
SSH通信 第10号 発行
新年度になり、今月からまたSSH通信を発行してまいります。生徒達や職員の取組、各種案内等について、随時発信してまいりますので、ご一読いただければ幸いです。
今回は、
①新校長挨拶 ②県西県南地区普通科高校探究活動発表大会
③授業改革職員研修会 の3点です。
リンク先
https://cms.miyazaki-c.ed.jp/6011/SSH/page_20240830010607
沖縄科学技術大学院大学(OIST)研修(3/10-12)
3月10日~12日の3日間、沖縄科学技術大学院大学(Okinawa Institute of Science Technology 通称OIST)研修ツアーに高校生3名、中学生6名が参加しました。
OIST の施設は、恩納村のやんばるの森が広がる広大な丘の上に地形を損なうことなく建てられた近代的な建物になっています。その中には、100以上もの研究室があり、現在、54ヶ国もの国々から295名の学生さんが世界トップレベルの研究を行っているそうです。本校生に対し,博士課程の学生3名(いずれも外国籍)によるキャリアトークや、空気力学の講義等、実り多いものになりました。
また、最終日には今年度からSSH第Ⅱ期をスタートさせた沖縄県立向陽高等学校を訪問し、様々な研究発表を聴き、質疑応答をさせていただく機会をいただきました。向陽高校2年生の科学発表プレゼンに対し、中学生も積極的に質問を投げかけ、他校交流による生徒の成長を感じたところです。
沖縄科学技術大学院大学の皆様、沖縄県立向陽高等学校の皆様には大変貴重な学びの機会を与えていただき、心から感謝申し上げます。今回の研修を機に、さらに交流を深め、生徒たちへの探究心を育んで行きたいと思います。
サイエンス・イングリッシュ(SE)「英語プレゼン発表会」(2/14)
2月14日(金)に英語プレゼンテーション発表会を実施いたしました。「サイエンス・イングリッシュ(SE)」は教科英語とは異なり、生徒の海外進出に役立つ科学英語の読解力向上と、発表等による活用を目的としています。今回のプレゼンテーション活動では、生徒が班で独自に選んだ比較的簡素な英語論文をクラスメートに紹介するためにスライドを作成し、それを英語で説明する形式のプレゼンテーションです。この活動を通してそれぞれの生徒が、科学的英単語及び研究内容を理解するとともに、英語によるアブストラクトの作成や自身の発表プレゼンテーション内で身につけた科学英語を使用できるようになってもらいたい、という思いで行いました。
生徒は、自分の伝えたいことを英語で伝えることに苦闘していました。言いたいことが上手く伝えられないというもどかしさを体験しながらも、英語によるプレゼンテーションを通して、読んだ論文の科学的内容の面白さを伝えていました。中には台本なしで即興で英語を使う生徒もいて、非常に見応えのある活動となりました。前回の授業でスライドや伝える内容を改善するように伝えていましたので、前回よりもグレードの上がったプレゼンができていたと評価します。英語表現力は確実に伸びていると確信しています。
課題としては、スライドの文面をそのまま読んだり、台本を読んでいることに終始して、アイコンタクトがとれていなかったりする生徒がいたことがひとつです。もう一つはスライドに文字を入れすぎている班があったことです。スライドは絵・イラスト・動画を中心に、文字はキーワードのみにとどめること、台本は、なるべく簡素で相手に分かりやすい英語を使って組み立てることを指導していますが、来年度はもっと発表の質を向上させていきたいと思っています。
SSH学習成果発表会 開催(2/7)
2月7日(金)に本校探究活動の成果を発表する「学習成果発表会」が行われました。例年、高校2年生の「郷土探究」(普通科)、「課題研究」(理数科)全班の成果発表を高校1年生・中学3年生が参観する、という形態でしたが、SSH指定校になったことで一新しました。高校2年生に加え、理数科1年生による「SSR計画発表」(全班)、中学2年生による「自然科学探究中間発表」(全員)、さらには、既に探究活動の区切りの付いた中学1年生・中学3年生代表班によるプレゼン発表を行いました。中学生の発表を高校生が参観するという新たな取組から、学科・学年を超える質疑応答等による「化学反応」にも期待しました。
今回はSSH運営指導委員6名の先生に加え、本県SSHコーディネーターの児玉先生にも審査を依頼し、専門的視点からのアドバイスもいただくことができました。
専門性の高い内容をわかりやすく発表する難しさや、研究・探究の結果を論理的且つわかりやすく伝達するポスター作成の工夫など、取り組んだ者しか感じ得ない独特な高揚感もあったことでしょう。これからは学校全体でその「質」を高めていけるように探究スキルを獲得し、日常的・地域的な場面に転がる「探究のタネ」に気づいていきたいですね。
審査委員による特別賞は以下の通りです。
◆審査委員特別賞
・泥電池の電圧に関係している条件は何か(中学3年生)
・ヒルについて~ヒルが吸血対象の表皮の厚みを識別する方法~(高校理数科1年)
・学校内の「今」を見える化するデータ管理システム(高校理数科1年)
・シラスによる防虫効果(高校理数科1年)
・コウヨウザンで二酸化炭素吸収量を増やす(高校普通科2年)
・世界を繋ぐ出川イングリッシュ~アクティビィティ活動で言語の垣根を越えた交流~(高校普通科2年)
・データで勝つサッカー(高校理数科2年)
普通科2年郷土探究「市役所へのプレゼンテーション」(1/31)
普通科2年「総合的な探究の時間」で行っている郷土探究の成果を市役所に提案する「市へのプレゼン」が1月31日(金)に開催されました。市役所9部署に対し、1年間各種調査や実地検証を行い、都城市をよりよくするためのアイディアを、根拠に基づいた形で提案するものです。
各班趣向を凝らしたポスターで、プレゼンテーションを行いました。プレゼンスキルの向上だけでなく、質疑応答への対応力も、社会に出る上で必要となります。「学力」を超えたジェネリックスキル、それは今や様々に形を変え、受験でも問われる力となっています。本校では探究活動を人材育成のため、進路実現のための大きな柱と捉えています。
今回様々な指摘を受け、さらに改善したいと感じた班も多かったのではないでしょうか。それが「レジリエンス」の種です。来週の「学習成果発表会」に向け、さらに改善を加えてください。
市役所担当者の皆様には、一年間様々なサポートをいただき、感謝申し上げます。高校生の社会参画が今後もっと発展することを願い、本校でも推進していきたいと考えております。
なお、「国スポ・障スポ」班のプレゼンが、UMKテレビ番組「のびよ!みやざきっ子」からインタビューを受けました。番組MCのジェイミーさんから生徒たちへ、「どこからアイディアを出してきたのか、苦労したことはどんなことがあったか」と聞かれ、肩に力が入ってはいましたが、堂々と答えることができました。放送日は2/16(日)です。
SSH講演会「都城市 池田市長による講演会」開催(1月15日)
本日(1/15)は、池田宜永都城市長に講演をしていただきました。この講演では、自治体経営の重要性や人口減少問題、そして若者への期待が語られ、参加した生徒たちにとって大変有意義な機会となりました。
池田市長は、「自治体も企業のように経営視点を取り入れるべき時代に入った」とおっしゃられており、自治体運営において市民の幸福と地域の発展を目指すべきだと説明されていました。都城市の職員や関係者の人材育成を重視し、能力を高めることで地域全体の成長につながると語り、人材が持つ力の重要性を語られました。
また、「ヒトがすべての基盤である」と述べ、若者には自分自身を磨く努力が必要であること。また、小・中学校時代に学んだ「当たり前のこと」を大人になってからも大切にすることが、社会での成功に直結し、AI技術が発展する現代においても重要になってくる。とおっしゃられ、うなずきを見せた生徒が多くいました。
都城市は、人口が増加している都市でも有り、その背景には池田市長の「コンセプトを立て、戦略的に行動し、結果を出す」という都城フィロソフィに裏打ちされたもので驚きました。生徒たちにとっても都城フィロソフィの考え方で今後の学校生活が豊かなものになってくれると思います。
この講演を通じて、生徒たちは自治体経営や地域社会の課題に関する理解を深めるとともに、地域を支える人材としての意識を高めるきっかけとなったようです。また、本校を卒業後、都城に戻って地元を盛り上げてくれることを楽しみにしています!
ミニ探究発表会
12月19日(木)6・7限目にミニ探究発表会が実施されました。このミニ探究発表会は「今年度より学校設定科目(SRM)で実施されたプログラム“ミニ探究”の研究報告会を行うことによって、次年度のSSRでの探究活動に繫げる。また、発表スキルを高める一助とすること」を目的とした発表会です。生徒達は約2ヶ月間のSRMで、数学・化学・生物・物理の4分野にそれぞれ分かれミニ探究を体験しました。ミニ探究のプログラムの中で生徒達は“まとめる”“表現する”を意識して取り組み、研究の成果を論文やポスターでどのようにまとめて発信していくかを学びました。生徒達は自分たちの研究内容を伝える楽しさや難しさを感じておりました。今回の発表会での気付きを次年度のSSRに活かしてくれることを期待しています。
【各分野のテーマ】
数学:円周率 化学:水 物理:ダイオード 生物:ミヤザキサンショウウオ
令和6年度 霧島ジオパークフィールドワーク・企業訪問
今日は理数科一年生の2回目のフィールドワークが行われました。
まずは、ヤマエ食品工業株式会社に行きました。
初めは社長の江夏様よりご挨拶を頂き、工場の概要及び開発業務の説明をして頂きました。
ヤマエ食品は市販用の味噌、醤油、めんつゆ、ドレッシングやポン酢など様々な商品を作られていますが、毎日食卓で見ている商品や調味料がヤマエ食品で作られていることを知り生徒たちは驚いている様子でした。工場の中に入ってみると醤油のいい香りが生徒たちを惹きつけているようでした。今回は、開発部の実験室も見学させていただきましたが、普段口にしているものが詳細な分析の末に作られ、日々改良され続けていることと、自分たちが現在行なっているミニ探究と重ねて考えている様子が伺えました。
次に霧島酒造株式会社に訪問させて頂きました。
最初に焼酎のでき方に関するお話を聞き、実験室の方を見学させて頂きました。見たことのない分析機器や大量の試作品などを見て生徒たちは強い憧れを抱いたのではないでしょうか。中々見学する機会もありませんので貴重な経験になったと思います。また、積極的に質問する姿も見え来年度のSSRに繋がるヒントが得えられたのではないか思います。
最後に、南九州にしかない貴重な資源である“シラス”を研究し、壁材等に製品化している「高千穂シラス」を見学させていただきました。
シラスを含んだダイナミックな断層を目の前にしながら、「シラスとは?」という説明をしていただき、生徒達は実際に目の前にあるシラスを今までとは違った視点で見られるようになったようでした。その後、採石したシラスの天日乾燥過程を見学しながら、シラスは粉砕する必要も、機械で焼く必要もないとてもエコな資源だということを知り、実際にシラスのさらさら感も体感しました。生徒達は、シラスを用いた実験からシラスの消臭効果を体感したり、シラス壁材を用いた壁塗り体験することで、地元特有の貴重で有用な資源であるシラスにますます興味を持ったようです。まだまだ、解明できていないシラスの研究にチャレンジする生徒が出てきてくれると嬉しいですね。
今回訪問させていただいた企業は、自然豊かな都城の特性を活かしながら、地域経済を支えるとともに、その独自性と高い品質で世界でも活躍し、高く評価されています。今回の訪問では、その企業の研究の一部を知ることができました。高校生の視点から持った疑問を大事にして、都城の自然特性や地元企業に基づく研究に取り組む生徒が出てきてくれることを期待しています。