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SRMミニ探究発表会が開催されました

 本校では、11月20日(木)6・7限に、理数科1年生を対象とした「令和7年度ミニ探究発表会」を開催しました。本発表会は、学校設定科目(SRM)の一環として取り組んできたミニ探究の成果を共有し、次年度から本格的に始まる「スーパーサイエンスリサーチ(SSR)」への導入となる重要な行事です。また、ポスター発表という形式を通して、生徒一人ひとりの発表力・表現力の向上を目指しています。

【発表会の概要】

日時:令和7年11月20日(木) 6・7限

場所:宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校 大会議室

対象:理数科1年生 82名(16グループ)
 ※中学生(2・3年生)もオブザーバーとして参加しました。

分野:物理・化学・数学・生物(各4班)

発表形式:ポスター発表(8分発表+2分質疑)

 

 生徒たちは、設定されたテーマについて、調査・実験・分析を行い、その成果をポスターとしてまとめました。当日は多くの班が視覚的に工夫された資料を用意し、審査員や聞き手からの問いにも自分の言葉で丁寧に答える姿が見られました。

 発表は4分野が同時進行で行われ、A〜Dの班に分かれて時間をずらしながら発表を実施しました。各回の間には質疑応答や評価、移動時間を確保し、スムーズに進行しました。生徒は発表者としてだけでなく、聞き手としても積極的に質問を行い、互いの研究内容を理解し合う貴重な機会となりました。

 大会議室にはパネルを活用してポスターが掲示され、研究発表会さながらの雰囲気が作られました。発表を聞きながら評価用紙に記入し、終了後に foam を用いて入力するなど、ICTを活用した評価方法も取り入れています。

 今回のミニ探究発表会は、1年生にとって「問いを立て、調べ、まとめ、伝える」探究活動の第一歩となる大変有意義な時間となりました。今後、SSRでさらに深まる探究活動に向けて、今回の経験を生かしてほしいと思います。

今後も、本校では主体的に学ぶ生徒の育成に力を入れてまいります。

科学の甲子園宮崎県予選に出場しました

 11月9日、都城泉ヶ丘高校から5チーム31人が「科学の甲子園宮崎県予選」に出場しました。理数科だけでなく、学年・クラスを越えて理科・数学好きの生徒が集まり、全国大会出場をめざして挑戦しました。

 科学の甲子園は、物理・化学・生物・地学・数学・情報6分野について、筆記競技実技競技の総合得点を競う大会です。筆記競技は「一人でじっくり解いてもよし、6人全員で相談しながら解いてもよし」というルールで、個々の力とチームワークの両方が問われるところが大きな魅力です。

 実技競技は、約1か月前に競技内容が提示されます。今年度は
 ① 手の感触だけで内容(カプセルの色・場所)を仲間に正確に伝える
 ② 注射器の空気圧を利用したマジックハンドを作成する
という2つの課題がポイントでした。生徒たちは1か月間、放課後や朝課外を使って、試作品づくりや記録の取り方の工夫など、試行錯誤を重ねてきました。

 本校からは5チーム31人がエントリーし、1学期から校内選考会を繰り返しながらメンバーや役割を決定しました。その後も、筆記の演習や実技の練習を重ねる中で、問題の解き方だけでなく、「どう伝えれば仲間に分かりやすいか」「どう役割分担すれば一番力を出し切れるか」といった、チームとしての戦略も磨いていきました。

 大会当日、生徒たちは緊張の面持ちで競技に臨みました。筆記競技を終えると、いよいよ実技競技。限られた時間の中での作業に、時間が足りなくなりそうな班もありましたが、工夫を重ねて着実に加点を積み重ね、満点を獲得した班も生まれました。

 午後からは、全チームが一堂に会して参加するマニュファクチャリング競技駆け抜けろ!ペーパーバランス対決」が行われました。紙を用いた装置で距離を競う競技で、午前中とは異なり、他校・他チームの様子を全員で参観できる形式でした。記録が伸びそうなときには自然と大きな拍手や歓声が起こり、全員で距離をカウントしながら、会場全体が大いに盛り上がりました。

 結果として、本校Bチームが3位入賞となり、惜しくも全国大会への出場はかないませんでした。全国出場を目標に、1学期から真剣に取り組んできただけに、競技後の生徒たちの表情には悔しさもにじんでいました。しかし同時に、「来年こそは全国への切符をつかみたい」という前向きな思いも強く芽生えています。

 年々参加者も増え、盛り上がりを見せている都城泉ヶ丘高校の科学の甲子園チーム。今回得た経験と悔しさを力に変え、次年度以降も「6人で考える科学の面白さ」に挑み続けます。

 

 


 

 

理数科講演会+サイエンスカフェ開催(10/17)

10月17日(金)に九州大学 理学研究院の教授で、国際宇宙惑星環境研究センターのセンター長をされている吉川顕正先生をお招きして、「宇宙に於ける爆発現象と宇宙天気科学の発展」という演題もとで講演会を行いました。

講演では、太陽フレアの仕組みやそれが地球のオーロラ現象とどのように関わっているか、さらに太陽の質量や黒点のでき方など、私たちの身近な太陽の中に秘められたダイナミックな現象について、わかりやすくお話しいただきました。

中でも印象的だったのは、「放射層から放たれた光が光球に届くまでに数万年もの時間がかかる」というお話でした。太陽の内部で生まれた光が、長い時間をかけて外へとたどり着き、そしてわずか8分で地球へ届く。そのスケールの大きさに、生徒たちは驚きと感動の表情を浮かべていました。今回の講演は、生徒たちが科学の奥深さ未知の世界への好奇心を改めて実感する貴重な機会となってと思います。

また、講演会のあとには「サイエンスカフェ」を実施しました。サイエンスカフェには、男女半数ずつの約20名が参加し、最初は緊張した様子も見られましたが、「せっかくの機会だから聞いてみたい!」という生徒たちの熱意が伝わってくる時間となりました。

生徒からの質問は、講演で抱いた疑問にとどまらず、「農学部や工学部と理学部の違いは何ですか」「理学部では具体的にどのようなことを学ぶのですか」「そもそも“学ぶ”ってどういうことだと思いますか」「研究していて、いちばんやりがいを感じる瞬間はいつですか」「研究を続けるうえで大変なことは何ですか」など、学部選びや学問そのものの意味を問い直すようなものが多く見られました。多くの生徒が、他の生徒の質問にも大きくうなずきながら、真剣な表情で聞き入っていたのが印象的でした。

また、中には自分たちが現在取り組んでいる研究についてアドバイスを求める生徒もおり、先生もそれぞれの質問に対して、専門的な内容もかみくだきながら、時にはご自身の高校時代や研究活動のエピソードも交えて丁寧に答えてくださいました。質問が途切れることはなく、サイエンスカフェは最終的に約2時間にわたって続きました。終了後、先生からも「高校生とここまでじっくり話すことができて、とても楽しかった」との感想もいただき、生徒にとっても、研究者の生の声に触れ、自分の進路や学び方を見つめ直す貴重な機会となりました。

普段の学校生活の中では、なかなか身近に感じにくい「理学部」という進路や、「研究する」「学ぶ」という行為そのものについて、今回のサイエンスカフェを通して少し距離が縮まったのではないかと思います。この体験をきっかけに、理系・文系にとらわれず、大学での学びや研究の世界に興味を持ち、自分の将来について考えを深めていってくれればうれしく思います。

 

 

SSH発表会 泉ヶ丘「探究の日」(10/1)

10月1日(水)、学校全体が探究に染まる「SSH発表会」が開催されました。SSH指定校になり2年目を迎え、1期生の高校2年生、2期生の1年生が、現在取り組んでいる活動について、発表や審査を行う場となりました。また、附属中学校も同時に発表会を行うことで、本校SSH事業における新たな行事として、発展させていきたいと思います。

SSR中間発表会(理数科2年生)

理数科2年生は、週3時間の学校設定科目「SSR(スーパー・サイエンス・リサーチ)」の研究成果を発表しました。81名の生徒が、物理、化学、生物、地学、数学、情報の6分野に分かれ、自ら決めたテーマについて研究してきました。多くの実験を繰り返し、失敗してはまた繰り返し、の連続で、まだまだ途中段階ではありますが、現時点での成果を、自身の言葉で発表しました。参観者は高校1年生。市内の中学校から入学してきた生徒達が、泉ヶ丘の科学研究に触れる機会となりました。「全部、見た~い!」と言いながら、ポスター見学の時間に自分の興味のある6つのポスターを決め、ポスターセッションに参加しました。専門性の高い研究内容、洗練されたポスター、何よりハキハキと発表し、質疑応答もこなす先輩の姿を見て、1年後の自分たちをイメージしたことでしょう。現在高校1年生は、週4時間の学校設定科目「SRM(サイエンス・リサーチ・メソッド)」で、物理・化学・生物・数学に分かれてミニ探究を始めました。ミニ探究は短期間で研究→ポスター・論文作成→発表までを行い、一通りの研究の流れを学ぶプログラムです。今回のポスターセッションに参加した彼らが、どんなポスターを作り、どんな発表をするのかが楽しみです!

 

郷土探究中間発表会①(普通科2年)

普通科2年生は、週2時間の「理数探究(通称:郷土探究)」の中間発表を行いました。地域課題解決型の人文探究です。都城市のバックアップを受けながら、例年よりもデータや統計に力点を置いた探究活動を行っています。「JR吉都線利用促進」「人口増加に向けて」「国スポ・障スポ」「国際交流」「中心市街地活性化」「歴史資料活用」「地域医療体制」「教員不足解消」の8分野に分かれ、それぞれの探究の途中経過を、スライドにて発表しました。聞き手は都城市役所の方々。各分野に関わる部署の方にご来校いただき、探究の進捗と今後の流れについて、有意義なアドバイスを受ける時間でもあります。今後の探究が深まるよう、期待しています。都城市役所の皆様、JRの方々、ご協力ありがとうございました。

 

 

パスタブリッジ審査会(普通科1年)

普通科1年生は、週2時間の「理数探究基礎(通称:りすたん)」の1単元、「マニュファクチャリング」で研究、制作した「パスタブリッジ」の審査会を行いました。パスタブリッジとは、決められた本数のパスタと材料(グルーガン等)を用い、より強度の強い橋を作るというもの。例年は1回しか審査会を行わず(行えず、壊れますから)単元終了となりましたが、本校SSHは「レジリエンス(折れない心、立ち上がる姿勢)」を掲げています。一度試技を行い、さらに改善を加えての本日の審査会では、各班ともより研究が深まり、試技の記録を上回りました。審査会では、ペットボトル(重り)何本まで耐えられるか、という競技だけではなく、トラス構造やハニカム構造等、「どのような構造が強いのか」という仮説、そして「なぜこのような橋を作ったのか」「どういう工夫を加えたのか」というスライド発表も行います。「ものづくり」にとどまらない、原理の理解も大きな学びに繋がると期待しています。最高記録はペットボトル11本(約5.5㎏)でした。

 

 

自然科学探究(附属中学校3年)

附属中3年生は、週2単位の「総合的な学習の時間」内、自然科学探究(通称:SKT)の研究成果を発表しました。附属中学校では1年次から科学系探究活動を行います。1人1研究です。今回は、2年生から継続して、自身の興味関心のある事柄、事象について、各自が研究を行ってきた成果を発表する機会でした。最終的には論文にまとめるものですが、今回初めてこの時期に、高校生とともに発表会に参加しました。ポスター形式も高校生のものと見紛うほどの立派なものを制作していましたよ。聞き手は附属中1年生と2年生、未来の自分もここに立ち、堂々と発表する姿がイメージできたことでしょう。加えて、高校理数科1年生、附属中学から上がってきた直属の先輩も、アドバイザーとして参加してくれました。先輩がいる緊張感の中、しっかりとした口調、身振り手振りで、自身の研究を相手に届けたい、伝えたいという、思いの溢れた素晴らしい発表でした。先輩からのアドバイスや指摘を受けた経験が、高校でのSSRに繋がっていきます。SSHプログラムでは、こうした「縦の繋がり」も大事にしていきます。

 次年度は、全校生徒がSSHプログラムを受けた生徒達になります。高校3年生は、代表班による最終発表を全校生徒の前で行う予定です(プレゼン発表)。高校3年生の質の高い発表を聞いた上で、今年度同様、各分野に分かれての発表会・審査会を企画しています。本校の探究・研究がさらに進化できるよう、プログラム開発を行っていきます。

SSH生徒研究発表会in神戸国際展示場

8月5日(火)~8月7日(木)、学校の代表として「BZ反応における二層構造の原因究明」班(大山 祥、田村 紘大、永野 凜太、那須 崇史、日髙 葵)が発表しました。 

                        

初日6日(水)9:00よりポスター発表が始まり,途中1時間の昼食休憩を挟みながらも15:00まで発表が続くというハードなスケジュール。その間、本校の研究に興味を持ってくださった他校の生徒や先生方へポスター発表を行い、質問を受け続け、審査の行われるコアタイムでは審査員の先生2名と質疑応答を行い、かなり突っ込んだ質問もあり、必死に返答をする生徒達の姿が印象的でした。審査員の先生方からはお褒めの言葉もいただくことができ自分たちの研究に自信を持てたようでした。また、同じBZ反応を研究しているという他校との出会いもあり、お互い知った者同士で深い話に花が咲いたようでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろん他校の研究発表を聞く側に回って他校との交流を深めることができ、多種多様な研究の数々に科学的な好奇心を刺激される大変良い機会となりました。また、発表力の差によって見学者を集めているところもあり、自分たちのプレゼンテーションスキルの見直す機会にもなりました。

2日目は全体会でポスター発表の審査で選出された代表12校のプレゼンテーションが行われました。どの研究も着眼点が素晴らしく、行動力も兼ね備えており、研究へ非常に熱意のある研究ばかりでした。発表においても、質疑応答においても、どの発表校も、内容は難解であってもわかりやすく伝えることができており、興味をもって聞くことができ、あっという間の時間でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この2日間を通して、全国から集まった高校生達が本気で取り組んだ研究に触れる場となり、大変良い機会となりました。研究においてテーマ設定が大切であると感じています。今回聞いた研究の中には幼い頃の疑問を突き詰めて、10年間の観察の末に発表に至った研究もありました。きっと、日常の中に研究のテーマはたくさんころがっているのだろうと思います。

  その中になぜと疑問をもてるようアンテナを高くできるか

  その疑問に探究心をもって突き詰めていけるか

  仮説通りにいかなくてもレジリエンスを発揮して粘り強く研究を続けられるか

このあたりを今後の泉ヶ丘生に期待したいです。

中国・四国・九州地区 理数科高等学校課題研究発表大会 in 伊予西条

8月20日・21日に愛媛県西条市で開催された「第26回 中国・四国・九州地区 理数科高等学校課題研究発表大会」に、宮崎県の代表として、本校理数科3年「チドメグサと止血効果の有無」班が参加しました。この研究班は、10月に実施された分野別(物理・化学・生物・地学・数学)課題研究発表会および校内課題研究発表会で代表に選出され、さらに3月に行われた宮崎県課題研究発表会を経て、今回の大会出場が決定しました。
福岡からは新幹線で岡山へ、さらに瀬戸大橋を渡って四国へと向かいました。天候にも恵まれ、電車から望む瀬戸内海の景色はたいへん美しく、旅の気分を高めてくれました。

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【1日目】

会場到着後、すぐにポスター発表の準備に取りかかりました。会場に掲示された他校のポスターを見ると、緊張感が高まります。まずポスターセッション前半は、他校の発表を参観しました。本校の生徒は、こうした場面では緊張から積極的に質問できないこともありますが、今回は自然に会話が生まれ、参加生徒たちは和やかな雰囲気の中で他校の生徒と交流していました。同じ理数系学科、同じように探究活動に取り組んできた仲間として、共通の関心が交流を後押ししていたように感じます。彼女たちの高いコミュニケーション力が光る場面でした
ポスター参観の後は、本校の発表の順番となりました。ポスター発表の中では審査員である大学の先生によるポスター審査が行われるのですが、その順番が1番目にあたっており、慣れる間もなく緊張したままポスター審査を受けました。前日までに質疑応答の準備をしっかり行っていたこともあり、緊張しつつも落ち着いて発表を終えることができました

 

 

 

 

 

 

 

 

 【2日目】
2日目は、各県の代表16班によるプレゼンテーション発表を参観しました。ユニークなテーマの研究が多く、発表を聞くうちに「なるほど」と納得させられる内容ばかりでした。どの班も自らの研究において用語や視点を丁寧に定義づけており、深い理解と考察が感じられました。また、大学や研究機関と連携し、施設の利用や機器の貸与などの支援を受けて研究を進めている様子が印象的でした。本校でも12月に2年生が各大学で実験合宿を行う予定ですが、今後は大学のみならず企業などとの連携によって、より一層研究を深めていければと感じました。
各県の代表ということもあり、それぞれの地域ならではの特色も見られたのも面白いところでしたが、研究機器を自作したり、何度もデータを取り直して粘り強く解析を行ったりと、生徒たちが研究にかけてきた想いと時間が伝わってくるような研究発表でした。
最後に、審査員の先生からは次のような言葉がありました。

   「仮説通りに進まなくても、思うようなデータが得られなくても、その“かすみ”を一つずつ取り除いていく過程にこそ、研究の面白さがあります。

    どうか、自分の研究を思いきり楽しんでください。
これから探究活動を進めていく生徒の皆さんにも、自らの好奇心や探究心を最大限に高めて研究を楽しんでほしいと思います。
今回参加した生徒たちは、自分たちの研究について「客観性を持った視点」や「見通しのある計画性」が不足していたと反省を述べていました。これらの視点は研究に限らず、今後さまざまな場面で必要となる重要な力です。それに気づくことができたことも、今回の大会参加の大きな成果だと感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理数科1年+附属中2年 サイエンス合宿(7/22-25)

今年度も7月22日(火)から25日(金)までの3泊4日でサイエンス合宿(参加者:高校理数科1年生82名、附属中学校2年生40名)が霧島ジオパークをフィールドとして実施されました。今年度のサイエンス合宿は霧島連山の新燃岳噴火の影響でプログラムを一部変更して実施されました。

目的

霧島ジオパークでのフィールドワークを通して、「本物」に触れることで、五感で捉え、心が動かされるような体験をし、探究心を高めるとともに探究プロセスの獲得と次年度繋がる地元発信の「科学の種」を獲得する。

◆1日目(7月22日 火曜日)晴れ

三ノ宮峡(えびの市)・天体観測(御池青少年自然の家)

サイエンス合宿の初日は、5月に実施したフィールドワークと関連づけながら、授業を通して火山活動によって形成された景観や地形について学びました。「どのような点に注目すれば地形の成り立ちが見えてくるのか?」という“観察眼”を養い、既に得た知識と照らし合わせながら地形の歴史を考察する活動を行いました。生徒たちは、観察すべきポイントを見つけることに苦戦しながらも、自らの気づきにたどり着いたときには目を輝かせており、学びの充実度がうかがえました。夜には、満天の星空のもと天体観測を実施しました。たちばな天文台からお越しいただいた蓑部樹生様による解説では、「生徒一人ひとりも太陽のようにエネルギーを持っている」という励ましの言葉が印象的で、生徒たちはその言葉に背中を押されるように、さらに目を輝かせていました。

 

◆2日目(7月23日 水曜日)

享保用水路(えびの市)晴れ

朝から、宮﨑大学農学部准教授竹下伸一氏の指導の下「享保用水路がなぜ迂回しているのか?」という問いを持ち、用水路周辺の地理的要因や歴史的背景をもとに考察を行いました。生徒達からは「話を聞いた後は見る目が変わる」「身近なところに火山活動の恩恵があることが知れた」などの声が聞こえ、充実したフィールドワークになったようです。夕方からは火起こし体験と野外炊飯、まとめ学習を行いました。

 

◆3日目(7月24日 木曜日)くもり・雨

 この日から附属中学2年生40名が班に加わり霧島ジオパークアドバイザーの奥村健一郎氏の案内の下、御池周辺の植生や地層についてフィールドワークを行いました。あいにくの雨の中、生徒達はカッパを羽織りキーワード探しや問い作りを行いました。夕方からは火起こし体験②と野外炊飯、まとめ学習を行いました。生徒達は初めてみる山ヒルに驚いていたり、改めて植生の分布やイチイガシの植林についても新たな気づきがあったようです。

 

◆4日目(7月25日 金曜日)雨

 最終日は4日間のまとめとして御池青少年自然の家でポスター発表会を実施しました。4会場で実施し、「ベスト問い賞」、「ベスト仮説賞」、「ベストデザイン賞」、「ベスト発表賞」が決定し、その中から最優秀賞「ベストオブ探究者賞」を生徒達の審査で決定しました。このサイエンス合宿は本校での探究活動のスタートに位置づけられています。2年生で実施されるSSR(スーパー・サイエンス・リサーチ)での探究(研究)活動に活かされることを期待しています。

 

※↓ベストオブ探究者8班のポスター↓

お知らせ

第25回中国・四国・九州地区理数科高等学校課題研究発表大会」in島根県松江市 8月18日(日)~8月21日(水)

0日目(8月18日)

宮崎県の代表として、ポスターセッション3名、ステージ発表6名の合計9名で、島根県松江市で行われた「第25回中国・四国・九州地区理数科高等学校課題研究発表大会」に参加しました。1日かけて、島根県に到着。宮崎空港から大阪伊丹空港までの飛行機が10分遅れた影響で、タイトなスケジュールがさらにタイトに。皆、飲まず食わずでようやく島根県松江市に到着。到着後、漫画家園山俊二さんの作品に登場するモニュメントに遭遇。「はじめ人間 ギャートルズ」、生徒の皆は、知らなかったようです…。お疲れ様でした。

 

 

1日目(8月19日) 

ステージ発表の生徒はリハーサル。入念な準備を行いました。ポスターセッションのメンバーは準備の後に午後から早速、発表開始。訪れる方々に、丁寧な説明を行います。数時間後、審査員がポスターセッションを評価。その質問は、実際に実験に携わった生徒にしか答えられない質問ばかり。宮崎県の特産品であるキュウリをアピールしながらも、様々な質問に答えていく、立派なポスターセッションでした。生徒にとっても有意義な時間となり、理数探究で続けてきた成果を思う存分伝えることができる場となりました。

 

 

2日目(8月20日) 

この日はいよいよステージ発表。都城泉ヶ丘高校の発表順番は最後ということで、周りの発表を聴きながら、生徒同士その発表内容について小声で議論する様子が見られました。また、この独特な雰囲気での発表の中、質問をする丸本君的を射た立派な質問でした。さて、いよいよステージ発表。それぞれが自分の役割を果たし、理数探究で向き合ってきた「リーゼガング現象」について懸命に発表を行いました。発表後の質問については、島根大学の牧之瀬先生が観衆の理解を促すような温かい質問を。なんと都城工業高等専門学校のご出身のようで、事前に要項を読み、いろいろと調べていただいたようです。

会場を後にする際に、たまたま牧之瀬先生に遭遇。様々なアドバイスを頂きました。会話の節々から都城市に対する強い郷土愛も感じられた、そんな素敵な場面でした。この絶好の場面で、理数科講演会に是非お願いしますと依頼。喜んで…というお返事を頂きました。是非、都城泉ヶ丘高校で講演をしていただきたいと思います。

 

 

4日目(8月21日)

いよいよ都城市に出発。生徒の皆は大夫疲れている様子でした。午後6時頃に無事到着。生徒にとって本当に学びのある有意義な時間だったと思います。次回は愛媛県で開催。後に続く生徒が出てきて欲しいものです。何より、この研究に興味がある、ぜひ引き継いでみたいと思っている生徒を募集しています。

ありがとうございました。

 

SSH生徒研究発表会in神戸国際展示場 8/7(水)・8(金) 

 8月6日(火)~ 8月8日(木)、学校の代表として宮崎県生徒課題研究発表大会最優秀賞に選出された「リーゼガング現象における反応機構の究明」班(満永夏深、丸本晃司、野元利矩、松葉幸信、北村優羽、橋詰和佳)が発表しました。

 本校のポスター発表見学者第1号は「東京都立立川高校」の生徒さんでした。(この後、お互い発表を見学しあい、交流を深めました。)1回の発表時間に区切りがないので、発表後の質問が白熱すると1ターンが終わるまでかなり時間がかかります。本校の研究に興味を持ってくださった他校の先生や生徒から今まで受けたことのない数の質問を、審査では3名の先生から、学会さながらの質問を10分ほど受け、生徒はかなり苦戦していました。

 発表では、暗記した内容を流れるように発表している学校もあれば、見学者の反応に応じて説明を臨機応変に変更している学校もありました。テーマや研究内容ももちろん重要ですが、発表力(プレゼンテーション力)の違いで見学者数にも大きな違いがありました。また、ポスターセッションにおいては、説明を受けながら疑問に思ったことを端的にまとめて相手に伝える質問力も重要だと感じました。

 また、2日目にはポスター発表の審査で選出された代表6校のプレゼンテーションが全体会で行われましたが、どの研究も先行研究(文献調査)がしっかりされていることに感心しました。また、自らの仮説に基づき、あらゆる視点から何度も何度も調査・実験を行っており、その多角的な視点に研究への興味や熱意を感じました。

 それぞれの地域性や研究内容は違いますが、全国の高校生が本気で取り組んだ研究にとても魅力を感じる発表会でした。課題研究するうえで一番難しいのはテーマ設定だと思います。今後も日常生活や通常の授業、体験活動、地域・地元企業との関わりの中で、探究心をフル稼働させて研究の種をたくさん見つけてくれることに期待したいところです。  

 

放射線セミナー 8/26(月)

 日本原子力文化財団のご協力により、九州大学工学部の先生を2名お越しいただき、放射線セミナーを行いました。今年度は理数科1年・3年の2日間連続で行っていただきました。まずは、放射線の基礎知識を学ぶ講義からスタートしました、その後、霧箱を用いて放射線の動きを観察したり、様々な物質を用いてγ線を遮蔽したり、β線を偏向させてその角度と計数率をグラフ化したり、実際に自然放射線を測定したり、といった様々な実習を行いました。生徒は普段目にすることのない現象や機材に興味津々のようでした。

 放射線は量によっては危険なものとなりますが、がん治療や病気の診断、文化財の検査、殺菌・滅菌、年代測定など、現代社会の最先端技術を支える重要な道具となっています。放射線を取り扱う業務に従事している人は国内だけでも60万人と推定されています、正しい放射線の知識を持って社会で活躍し欲しいと思います。

サイエンス合宿 7/23(火)~26(金)@御池少年自然の家ほか

初開催となるサイエンス合宿を高校1年生理数科(中学2・3年生途中参加)を対象に実施しました。
SSH事業の一環で①「霧島ジオパークでのフィールドワークを通して、本物』に触れることで、五感で捉え、心が動かされるような体験をし、探究心を高めるとともに探究プロセスの獲得と次年度の探究活動へ繋がる地元発信の『科学の種』を獲得する」、②「異学年との体験活動をともにすることで、知の継承や研究のノウハウを継承を行い、探究活動の底上げを図る」という目的のもと、3泊4日で実施しました。この4日間は『キーワードの設定』『問い作り』『仮説立て』を日々の体験活動の中で行い、探究のプロセス(SRP)の獲得を目指します。

23日(火)

高千穂河原ビジターセンターで霧島ジオパークの歴史や文化等を学んだのちに、えびのエコミュージアムで活火山や生物、植物の多様性について知り、実際に活火山周辺のフィールドワークを行いました。その後、宿舎へ戻り、夜には高崎天文台の蓑部樹生氏による講義が行われました。生憎の雨で星空は観測できませんでしたが、生徒の感想には「この講義で宇宙を見る目が広がった」という前向きなものが多数見られました。

 

 

24日(水)

御池青少年自然の家を出発後、前日に学んだ破局噴火による加久藤カルデラを白鳥展望所で眺め、享保用水路のフィールドワークに向かいました。そこでは宮崎大学の竹下伸一准教授に案内をしていただき、用水路が「なぜ最短経路ではなく迂回したか」という問いを持ちながら、用水路周辺の地形や歴史を探究しました。フィールドワーク後は宿舎へ戻り、火おこし体験①と野外炊飯①に挑戦です。初めての「まいぎり式」の火おこしに悪戦苦戦しながらも、最後まで諦めずに(約3時間)挑戦を繰り返しました。夜は振り返りとポスター作成を行いました。

 

「まいぎり式」             (火を起こさぬ者、食うべからず??)    こっちも悪戦苦闘…。 

 

25日(木)

野鳥の森での植物や生物の多様性について知るフィールドワークを行いました。この日からは本校附属中2・3年生も加わり、中高混合班で対話をしたり、ヤマビルと格闘したりしながら楽しく活動しました。宿舎へ戻り、午後からは火おこし体験②と野外炊飯②を、引き続き中高混合班で挑戦しました。2回目の火おこしは「きりもみ式」だったので更なる苦戦が予想されましたが、前日の経験と新たなアイデアの創出により、あっさりと火を着ける班もありました。野外炊飯の方も昨日の失敗等を活かし、手際よく(?)ご飯とカレー作りをしました。夜は最終日のポスター発表へ向けて班活動を行いました。

 

 (後半は、ヤマビルが気になり、目線が足下ばかりに…。)                   「きりもみ式」

 

26日(金)

御池少年自然の家でポスター発表会を行いました。このサイエンス合宿4日間のまとめです。フィールドワーク等で得た貴重な体験をもとに『キーワードの設定』『問い作り』『仮説立て』てプレゼンしました。そのなかには前日のヤマビルを解剖し探究している班もあり、独創性豊かな発表となりました。

 

初めてのサイエンス合宿、異学年によるフィールドワークおよび宿泊研修、火おこし、飯ごう炊さん等々がありましたので、今後の『知の継承』にも大いに期待したいところです。
 

7月7日(日)に、県内SSH指定校である泉ヶ丘高校、宮崎西高校、延岡高校3校と幹事校である宮崎大宮高校との4校連絡協議会のキックオフ行事となる「東大でのディスカッション講義を体験しよう!」が、大宮高校視聴覚室で行われました。講師は東京大学教養学部非常勤講師、宇野健司先生です。先生は宇野ゼミという東京大学最大の宇野ゼミ(500名)にて教鞭を執られており、交換留学指導やディスカッション指導、就職活動指導に強いという評判の先生です。ディスカッションを通して問題解決型の論理的思考スキルを身につけるとともに、多様な人たちとのコミュニケーションを通して他者と協働することへの意欲を高める内容の講義でした。本校からは1年生6名2年生6名の計12名が参加し、県内トップの生徒達と肩を並べながら、一歩も引けを取らない熱い暑いディスカッションを繰り広げていました。このSSH指定校の中から、きっと未来の東大生、未来の県知事、未来の世界的な科学者が現れてくれることを期待して、次回の4校連参加を楽しみにしたいと思います!!

 

『SSH講演会』6/15 @都城泉ヶ丘高校体育館

   本日、SSH講演会と銘打って、本校の卒業生であり、宮崎大学工学部を卒業後、村田製作所で勤務されている鈴木まゆ様にお越しいただき、生徒が知らないものづくりの現場で働く女性のお仕事や、進路についてご講演をいただきました。

 御自身も最初から現在の職業を目指したわけではなかったという体験談をもとに、「昨今の社会は常に変わり続ける。自分の興味や面白いと思うことを日々アップデートして、広い視野で将来の選択肢を増やして欲しい」と生徒への新たな視点をもつ大切さを話されました。

 

講演会後、鈴木さんと一緒にお弁当を食べながら、進路選択のこと、工学部のこと、企業のこと等もっと知りたいことについて意見交換を行う「サイエンスランチカフェ」が行われました。事前に応募していた生徒に加えて、当日参加の生徒も加わり、20名弱で会がスタートしました。鈴木さんが講演でお話しされた「知らなきゃ選べない」の言葉通り、自分が将来の進路や職業を選ぶために、様々な質問を通して一生懸命「知ろう」とする姿が印象的でした。生徒から出てくる全ての質問に丁寧に答えていただき、参加した生徒たちは貴重な時間を過ごしました。

 

 

 この講演会は宮崎大学の御協力により実施することができました。宮崎大学が取り組んでいる「アマテラス・ガールズ・プロジェクト」についてはクラスルームやクラッシーを通じて発信しておりますので、是非ご覧ください。