日誌

ワープロ部 九州大会出場

平成27年度九州地区高等学校ワープロ競技大会に出場した,北尾 瑠香さんの「商研会報」に掲載された原稿を紹介します。

  九州地区高等学校ワープロ競技大会「速度の部」に参加して

                     宮崎県立都城商業高等学校 北尾 瑠香

 そこは、優勝や入賞、それぞれの目標を目指し県大会を勝ち抜いてきた代表が集まる場所でした。どの高校も、その日のために練習を積み重ねてきたことが伝わる表情をしていました。競技会場に響くのはキーボードの音やストップウオッチの音。多分、この光景を初めて見る人は、その音の大きさやタイピングの速さに驚くことでしょう。三年間部活動を続けてきた私でも、全国大会に出場するような選手のタイピングを見て言葉も出ないほど驚き、憧れるからです。私がその光景を初めて見たのは高校一年の時でした。
 都城商業に入学し、何か部活動に入ろうと見学をしているとき、偶然ワープロ部に目が留まりました。静かな部活なのかと思っていたのですが、「よーい、始め。」の合図で一斉にキーボードを叩く音が響き渡った瞬間、その考えは違うと思いました。先輩方の顔はとても真剣で、緊張感が伝わってきました。そして十分が経ち、「止め。」の合図でキーボードの音が鳴り止みました。一切手元を見ないで打つ先輩方を見て、私もこんな風に打ちたいと思い、入部を決意しました。私が入部して初めて出場した新人大会。今までの、仲間内だけで競う部活ではなく、他の高校の部と競うのですから、緊張感は倍増しました。そして、結果は速度部門と技能部門のどちらも優勝でした。本当にすごい先輩方だと思います。私は貢献することはできなかったのですが、自分のことのように嬉しかったです。
 その後、県大会・九州大会を終えて、先輩方が引退され、私達が部活動の中心となる夏がやってきました。私は部長を務めました。新人大会では、私の出場した速度部門では団体三位と、前年度の成績を維持することはできませんでした。部長として自分を責める日もありましたが、団体競技なので部員全員が一致団結しなくてはならないと感じ、大会後の部活動への取り組み方を考え直しました。どうしたらもっと速く、正確に打てるのかたくさん悩みました。鹿児島県で行われた練習会に参加させて頂いたり、他の高校の良いところを取り入れたりすることで改善していきました。十分間という短い競技時間ですが、日々の練習はきつく、指先が動かなくなるときもありました。先輩方の伝統も守りながら、自分たちのスタイルを築きました。そうしているうちに、どんどん部員も増えていき、キーボードを叩く音がさらに響くようになりました。
 そして、九州・全国大会予選となる県大会を迎え、新人大会を上回る、速度部門団体準優勝をすることができました。まだ仲間と部活ができるという嬉しさ反面、全国大会に団体で出場することを目標にしてきた私にとって、目標を達成できなかった悔しさから、涙が出ました。九州大会へ向け、気持ちを切り替えて、もう一度、部長としてできる事、改善したほうがよいことを考え、仲間と支え合いながら過ごしました。
 いよいよ、福岡県で迎えることとなった九州大会、当日。前日の練習では満足いく練習ができず、すごく焦りました。また、弱気になってしまうこともありましたが、何とか十分間の競技を終えることができました。自分の最高の力を発揮することはできませんでしたが、達成感がこみ上げてきました。結果は、十九校中九位。九州のレベルは高く、実力不足を感じました。悔いは残りましたが、宮崎県代表として出場することができたことを誇りに思います。
 ここまで部活を続けることができたのは、顧問の先生方・先輩方・後輩、そして仲間がいたからです。最高の仲間と共に過ごした時間はかけがえのないものとなりました。ワープロ部に入部し、様々な事を体験することができ、成長することもできたと思います。今回の大会に関わって下さった全ての皆様に感謝したいです。


ワープロ九州大会速度の部に参加して_H27北尾瑠香.pdf