日南振徳ニュース

2学期終業式式辞

今日の終業式は、インフルエンザが流行しているということでリモートでの終業式となりました。君たちの冬休みを充実したものにするために下した判断ですので、リモートではありますがしっかりと聞いてください。

やがて令和6年が終わろうとしていますが、今年は新年から「能登半島地震」にはじまり、羽田空港での地上衝突事故、北九州での大規模火災、8月8日には県南地区を中心に襲った「震度6弱の日向灘沖の地震」、10月末には「線状降水帯による大雨」による災害が発生しました。先日は、北九州において中学生2人が何者かに刃物で刺され、1人が亡くなるという痛ましい事件が起こりました。

私たちは様々な場面で「いのちを失うリスク」を持っています。台風や地震などの天災は備えをすることで被害を最小限に抑えることが可能だと思います。問題は、この「いのちを失うリスク」は天災だけでなく、学校生活や君たちの生活の日常でも起こり得るということです。例えばSNSによるいじめに苦しめば「死にたい」と思う人がいるかも知れません。自分の性格を苦にして「死にたい」と思う人もいるかもしれません。人間関係に苦しんでいる人もいるかも知れません。教室で暴れていて3階から落下し死亡する事故が発生することがあるかもしれません。自転車事故によってヘルメットをかぶっていれば救える命があるかもしれません。身の回りの危険をあげればきりがありませんが、どうか「自分の命」そして「他人の命」も大切にしてください。自分の生活の仕方次第で、リスクを減らすことは可能だと思います。

また、泣ける場所がある、怒る場所がある、相談できる人がいると言うことはとても大事なことだと思っています。不安や弱さを感じることは、決して恥ずかしいことではありません。「強い個人の確立」は弱い自分と向き合うことからはじまると思っています。是非、泣ける場所、怒る場所、相談できる人を見つけて欲しいと思います。その他、嫌なことを嫌と言えない人もおそらくたくさんいると思います。「いじり」や「きつめの冗談」にどう対処していいか分からず、つい笑ってごまかしてしまうと言う経験を少なからず持っているのではないでしょうか。笑いでごまかしてしまうと、自分が苦しんでいることに相手は気づきません。言った側は自分の言葉に責任を持ち、相手のことを思いやれる人になって欲しいと思います。「情けは人の為ならず」という言葉がありますが、情けをかけてはその人のためにはならないという意味ではありません。人に情けをかければ、やがて自分に良いことが返ってくるという意味です。だから、情けをかけていいんです。友だちにはどんどん情けをかけ、優しく接してください。今日は、「いのちを大切にする」というテーマでお話をしました。

最後になりますが、この1年間を振り返ってみましょう。1年生はいかがでしたか? 初めての高校生活、上級生を見ながら送った学校生活だったと思います。来年は2年生として主体性を持って学校生活を送ってください。2年生はいかがでしたか? 行事が多かった1年だったとは思いますが、来年の就職・進学試験まで僅か9か月しかありません。1日でも早く目標を定めて進路実現に向け頑張って欲しいと思います。3年生はいかがでしたか? ほぼ進路が決まって迎える新年だと思います。卒業まで気を抜かず振徳生として誇りをもって楽しい学校生活を送ってください。来年はさらに一歩前進し、自分の可能性を広げて欲しいと思います。

皆さんにとって令和7年が良い年となるよう心から願って終業式の挨拶とします。1月9日の始業式には、お互い元気な姿でお会いしましょう。

日南振徳高等学校長