校長室から

2017年11月の記事一覧

受け継がれる伝統「夜神楽」

北の地方では、雪便りも届き、一気に冬への足音が聞こえてくる季節になりました。この時期になると、いよいよ、ここ高千穂では、国の重要無形民俗文化財に指定されている「夜神楽」のシーズンに入ります。夜神楽は、秋の実りへの感謝と翌年の豊穣を祈願して、夜を徹して三十三番の神楽が氏神様に奉納されます。

押方地区でも、皮切りに先週の18日(土)、中畑神社の夜神楽が、五ヶ村西活性化センターを神楽宿として行われました。(※19日付け宮崎日日新聞の一面に掲載されました。)

その神楽で、押方小の子どもたち6名(3年生1名、5年生3名、6年生2名)が、奉仕者(ほしゃどん)となって舞いました。いつもの学校生活で見せる笑顔とは打って変わって、真剣な眼差しで堂々と舞う姿は、凜々しく、まさに「神の子」と化していました。また、20分ほどの長い時間、動きがいろいろと変わる舞を、笛や太鼓に合わせて間違えずに舞う姿には、感動を覚えました。舞が終わると観衆から大きな拍手を浴び、子どもたちの表情にも安堵感と満足感からか、ほっと笑顔が戻っていました。

 高千穂の夜神楽も、近年、高齢者や人口減少の波に、ほしゃどんとなる後継者などの不足で開催が困難になってきている地区もあるようです。そのような中、この押方地区五ヶ村では、しっかりと昔からの伝統が守られ、後世へ受け継がれている様子を見ることができました。実は、今回も子どもたちの保護者もほしゃどんとして舞い、笛や太鼓を響かせておられました。先祖から子や孫へ代々伝えられている貴重な民俗文化財を目の前にし、この素晴らしい伝統芸能が、永代続くことを願うばかりでした。そして、改めて、押方小の子どもたちが、地域に育てられていることを実感した一夜でした
  

☆ 「神の子」たちの真剣な舞は、とても凜々しくかっこよかったです!長い時間、いろいろと変わる舞をよく覚えているなあ、と感動しました。

☆ 将来、大人になったら、自分の子どもや地域の子どもたちにもしっかり伝統を引き継いでほしい、と願います。