令和7年度2年生(51期)「国語科通信」から広がる世界
今年度もさまざまな情報発信していきます。
定期的に展示コーナーを刷新していますが今年度は、図書担当の一人国語科教員(文学の神様←司書勝手に命名)による「国語科通信」で紹介される作家や著書、その時代の特徴などを本校蔵書コレクションからセレクトし、紹介するコーナーを新たに展開していきます。
4月から始まり、現在は通信No.5です。
通信は、高校2年生対象ですが、中学生、高1,3年生にとっても、文学、評論と多岐にわたる内容は、優れた作品との出会いになること間違いありません。
教科書の単元を中心に展開されるこれらの世界を通して、自らの引き出しを増やす機会となります。
ここに紹介しているのは、
4月28日発行の「中原中也」…4月29日が中也の生誕の日であることに因んだ特集。
「オノマトペの妙を体感してみましょう」と題し、『サーカス』の詩からあの独特なフレーズ(ご存じの方はうなずかれることでしょう。まだご存じない方はぜひ、作品を読んでみてください)
日常会話においてもその時の心情あるいは情景、事象等をオノマトペで表現し織り込んでいると思います。そう考えると私たちにとって、馴染み深い修辞法ですね。中也の独特な世界観をぜひ。
5月16日の通信では、評論文「清岡卓行『ミロのヴィーナス』を学習して」と題し、誰もが知っている芸術作品を目にした著者の実感が簡潔かつ論理的に展開された短い文章です。実際に学んだ10代の彼らはこの作品世界をどのように捉えたのかとても興味深いところです。授業の中で、端々に織り込まれる余談は若い彼らの心をつかむのだろうなと想像します。この作品の展開として、芸術に関する評論も添えました。この展示コーナーの組み立てに、世界美術全集を見開きで展示し、単元作品の掲載されている図書を県立図書館マイラインで取り寄せました。既に絶版になっている良書をこのような形で活用できるのは有り難いことです。この展示中に、著者の他の作品『アカシヤの大連』が借りて行かれました。
5月23日の通信は、「盛唐の詩人3人の詩を学びましたね」ということで、王維・李白・杜甫の3人を取り上げた内容でした。
ここでも『唐詩選』や、それぞれの詩人に関する新書等に加えて彼らが活躍した唐の時代に関する視覚的資料も展示しました。
あわせて、唐の詩人を通してその時代背景、文化、芸術に興味を抱く仕掛けの一冊に『世界美術大全集 東洋編 随・唐』も展示しています。
なお、5月30日の通信は、改めて紹介します。
国語という教科を通して、他教科とも横断的につながり広がっていくことに気づいてもらえることを期待したいです。