日誌

銀鏡中学校でさいと学実施。「ない仕事はつくる」について考える機会となりました。

 西都銀上学園銀鏡中学校でさいと学(5限目、6限目)が実施され、
5限目はお隣である新富町地域おこし協力隊の岩本脩成さんが
仕事について話してくださいました。

宮崎出身の岩本さん。
幼少期に病気で長期入院した経験から、医療分野や健康に興味があり
宮崎市内の高校を卒業したのち、東京農工大学の修士課程に進み
化学メーカーで研究職に就きました。
ターニングポイントは、酵素の豊富な「青パパイア」に出会った時。
その驚く効能に魅せられ、起業を決意し、宮崎にUターン。
今では「パパイア王子」としてメディアにも露出していますが
はじめは営業も販売も、農業も未経験な状態からパパイアを育て始め、
現在は他の農家さんともタッグを組みながら
商品開発やより多くの人に知ってもらえる動きを取り、チャレンジを続けています。

実は宮崎県内で一番パパイアを生産しているのが西都市だそうで
生徒たちは、給食で食べたり、おうちに持ち帰ったこともあるそうです。
農業や食品に興味のある生徒たち以外も、
パパイア王子のチャレンジを続ける姿勢に注目していました。

6限目は、「優秀な人材を地域に戻す」をミッションに起業家・事業家への支援を行う
稲田祐太朗さんにお話しいただきました。
稲田さんは、延岡出身。現在は起業家・事業化支援を行なっていますが
ファーストキャリアは医療職である臨床検査技師。
そんな稲田さんのターニングポイントは、臨床検査技師として
若い方のご遺体と向き合ったときに自分の人生について考え直したことと
とある女性経営者からいただいた言葉だったそう。
起業家・事業家と社会的背景の関係についてもお話しいただき
抽象と具体を行ったり来たりしながら解説いただいたことで
生徒たちは「仕事」というものの理解を別角度から
捉えることができたのではないかと思います。

「僕たち中学生が今できることってなんですか?」という質問に対して
「地域課題を解決するって難しい。でも、今自分のいる場所の課題って
 学校でも見つけられると思うんですよね。いつか地域課題を解決できる
 人になっていくためにも、今いる場所でできることを探そう」
と返してくださいました。
まさに今年度3年生が取り組んだ地域探究活動とも通じるところがありました。

起業した人と、その起業家を支援する仕事をする人。
今回はそのお二人からお話を伺い、既存の仕事だけでなく、
ないものは作る、その人をサポートする立場もあることを
知っていただけたのではないかと思います。

岩本さん、稲田さん、貴重なお話をありがとうございました。

<文責:福島>