ご案内
本センターのコーディネーターがお手伝いした活動を報告する活動日誌です。
本WEBサイトの運用に合わせ、令和2年度9月1日以降の活動を記録しています。
報告されている事例の具体的な内容が知りたい場合、同じような企画を行いたい場合などお気軽にお問合せください。
日誌

活動報告

延岡市立 東海中学校2年生「ひなた場」を実施

3月5日(火)に、東海中学校2年生(135人)を対象に「ひなた場」が実施されました。

5名の人生紙芝居講師、23人の対話講師が、6人ずつの班に分かれた生徒たちと対話を行いました。長友はるなさん(県キャリア教育支援センター)にファシリテーターを務めていただきました。

講師の方々と生徒たちとの対面

                   講師の方々と生徒たちとの対面

 

東海中学校2年生は、この半年間で5連続「よのなか教室」を体験してきました。

  9月27日  第一回 王子谷剛志さん(旭化成柔道部選手、全日本柔道選手権優勝)

 10月24日  第二回 門田賢士さん (千徳酒造 社長、延岡工業高校で甲子園出場)

 11月17日  第三回 8人の講師の方々から、2名を選んで講話を聞く

  1月19日  第四回 8人の講師の方々から、2名を選んで講話を聞く

  2月16日  第五回 立志式で、上田耕市さん(虎彦株式会社 社長)

その仕上げとして、今回「ひなた場」で、地域の大人と対話を通して学びを深めました。

 

130人を超える規模での「ひなた場」の実施ははじめてでした。

すすめ方等での課題も明らかになりましたので、これから都市部の中大規模の中学校での開催に取り組んでいければと願っています。

23班に分かれて自己紹介から始まった講師との対話では生徒たちはたくさん話していた

 

 

 

 

 

 

 

 

   23班に分かれて自己紹介から始まった                講師との対話では生徒たちはたくさん話していた

 

原則1対1での対話を確保しつつ、お願いする講師の数も持続可能なものにしていくこと等を考え、いくつかの改善工夫を試行しました。

まず、班編成は3人ではなく、6人としました。対話・紙芝居の1サイクル時間を15分ではなく倍の30分としました。その結果全体の所用時間が2時間ではなく3時間になります。

そして対話を1人15分確保するため、対話に入らないもう1人の生徒には、4つの「交流ブース」を設け、そこに先生に1人入っていただき自由トークを行うことにしました。

また、人生紙芝居(15分)の終了後に残る15分の間は、ワークシートに感想や意見等を書き込み、ふりかえりの時間にしました。

課題の一つとして、人生紙芝居に集まる生徒数が20人前後と多くなったため、声が届きにくかったり、まとまりにくくなったりしていました。紙芝居講師の数を増やすか、会場を別にするかなどの再検討が必要です。

先輩の人生グラフを聞く生徒たち

交流ブースで、先生と和やかに自由トークする生徒たち

 

 

 

 

 

 

 

 

     先輩の人生グラフを聞く生徒たち                         交流ブースで、先生と和やかに自由トークする生徒たち

 

修了後、講師の方々からは次のような感想やご意見をいただきました。

「やんちゃな子や、しゃべれない子もいた。しかしその生徒の得意なことや辛かったことを聞いてあげると話ができるようになった。ひなた場がいい機会になったのではないかと感じた」

「友達ができるなど何か一つあるだけでも学校が楽しくなる。この時期の中学生に大人たちの関わりなどが及ぼす影響は大きいと思った。この時期の子供たちに関わる大人の責任は大きい」

「思った以上に生徒たちは素直だった。見た目だけで判断してはいけないと思った」

「今後一緒に働くかもしれない世代の声を聞く機会になった」

 

一緒に参加していただいた校長先生と担当の先生からは次のようなお話をいただきました。

「生徒たちの表情が普段とちがってとても良かった。学校の机上では学べないことが学べたと思う」

「普段学校では見られないような姿に感銘を受けた。普段はあまり話さない子たちが、対話で話している様子を遠くから見ていて、こんなにしゃべるんだ、と気付いて驚いた。とてもいい時間を過ごせたと思う」

                                 (トータルコーディネーター  水永)

延岡市立 北方学園中学校2年生「立志式」講話

2月18日(日)に、北方学園中学校2年生(19名)で「立志式」が開催されました。

前半では、生徒たちが「立志の決意」を発表して、後半では、記念講演として水永が「君たちはどう生きるか -君たちの未来は可能性に満ちている」と題して講話をしました。

 

1月9日(火)に、ビデオメッセージ「教えて!よのなか先生」から、水永正憲の「自分にとって幸せとは何だろう」を視聴しました。そして3つのワークシートを使って、「①印象に残ったことなど」「②理想の将来を達成するため(マンダラート)」「③将来なりたい自分のためにがんばりたいこと」を書き出しています。

1月19日(金)には、お互いの考えを紹介し合い、さらに自分の夢を具体的に描き、1月26日(金)には、立志式で発表する(一人2分間)内容をまとめて、立志式に臨みました。

 

ビデオメッセージを視聴し、HPに掲載されているワークシートも活用されたケースを知ったのは初めてでしたので、生徒たちにどんな学びができたのか大変関心がありました。

「ひとつの言葉」をもとに将来を語る、夢を語る。その夢はどうすれば実現できるか、さらに夢が実現したらどうしたいか・・・と先の先まで考えさせておられました。自分の思いを掘り下げていくには、ビデオメッセージとワークシートは効果的な方法になっていると感じました。

 

講演では、「AIで仕事がなくなるのではなく、AIで新しく仕事が生まれる」のだということ。「正解がない社会になるのではなく、正解はいくつでもある社会になる」のだということを話しました。

そして、アンジェラ・アキさんの「手紙~拝啓十五の君へ~」を紹介しながら、15年後になりたい姿や夢がまだなくてもいい。今の自分を深く掘り下げてみることが大事。さらに、将来の夢を考えるだけではなくて、今悩んでいること・不安に思っていることなどを、15年後の自分に向けて打ち明けてみてはどうだろうか。そういう手紙を書いてみてはどうだろうか。と話しかけました。

 

後に届いた生徒たちの感想文には次のようなことが書かれていました。

「私は講演を聞いて、幸せは変わっていいということが分かり、いろいろなことに挑戦してみたいと思いました。」

「自分にとって幸せとは何か? という問いかけでは、すぐには何も思いつきませんでした。自分がやりたいことだけでなく、人の為になることなど、先のことも考えてこれからのことについて、あらためて考えていきたいと思います。」

「私が心に残ったのが、紹介してもらった「栄光より挫折、勝利より敗北、成功より失敗。負けてはじめて覚える。失敗しなければ絶対うまくならない。」という横浜高校野球部の渡辺監督の言葉です。」

「「手紙」という歌を聞いたことはあるけど、歌詞について深く考えてなくて、考えたときにすごく納得できた。」

                                 (トータルコーディネーター  水永)

立志の言葉を述べる生徒たち

                   立志の言葉を述べる生徒たち

延岡高校2年生 課題研究ポスターセッション、SSH運営指導委員会

2月10日(土)に、延岡高校2年生(普通科4クラス・156人、MS科2クラス・78人)の課題研究ポスターセッションが行われました。

 

昨年4月にオリエンテーションが行われ、この1年間で28回(毎回2時限)の探究学習が積み重ねられました。その中で、普通科では7人のアドバイザーが9回、MS科では4人のメンターが6回、学校に出向いて質問に応えたりアドバイスを行ったりして、生徒たちと意見交換を行っています。

 

数学・物理・化学・生物などの自然科学系が41班、人文社会科学系が16班で構成されていました。この日は、宮崎大学と九州保健福祉大学の先生方と、民間企業の方々15名が評価委員として参加され、生徒たちの発表に耳を傾け、質問や意見を述べていただき、審査評価も行っていただきました。

1年間の成果をポスターで発表する生徒たち

                  1年間の成果をポスターで発表する生徒たち

この日の午後、SSH運営指導委員会が行われました。

委員の一人として、次のような意見を述べさせていただきました。

 

「答えのない問題に答えを見出す力を養うとされる探究学習は、学校内だけで閉じずに、社会人と積極的に協働して取り組む必要があります。

学校が企業に一方的に負担をお願いする、と考える必要はありません。産業界にとってもWINがあることを、先生方に共有していただくことが大事だと思います。」

 

「一方で、社会人講師の人選・依頼を、持続可能なものにしていく必要があります。

これまではメンターやアドバイザーの人選・依頼を、キャリア教育支援センターだけで担ってきましたが、担当の教職員と分担しながらすすめていく仕組みを作ることが大事だということに思い至りました。(今年度、普通科1年のSDGsフィールドワークで、全教職員で行う体制をつくり、市内3団体に協力してもらう仕組みを構築されたことは有意な参考になります)」

 

「メンターと教職員・生徒との連携を深めるための工夫が求められています。 

 メンターと教職員との連絡手段としてEメールと携帯電話の双方を共有すること。

 メンターと生徒とがEメールで自由に連絡をとり合えるようにすること。

 メンターと教職員との役割・責任の分担を明らかにすること。  

 メンター同士の横の連携を深めるため、交流懇親会をスタート時と期中に2回程度行うこと。」

                                 (トータルコーディネーター  水永)

工都のべおかでSTIforSDGs人材を育成するカリキュラムの開発

                『 「工都のべおか」で STI for SDGs 人材を育成するカリキュラムの開発 』

西都市内中学校1年生合同で「キャリアみらいゼミ」が開催されました①

西都で暮らし働くことの意義や魅力、その前段階としての高校での学びの在り方などについての理解を深めるとともに、将来における自己実現や社会貢献、進路実現について考える「キャリアみらいゼミ」が、今年も西都市内中学校1年生を対象に行われました。

広い西都市内にある、妻(つま)中学校、三財(さんざい)中学校、都於郡(とのこおり)中学校、穂北(ほきた)中学校 銀鏡(しろみ)中学校、三納(みのう)中学校の1年生が一堂に会する貴重な学びの場。

長文となるため、2回に分けて報告したいと思います。

 

オープニングムービー、橋田市長あいさつ、来賓紹介から開会式が始まりました。

その後、「マインドセット」をテーマに、穂北中学校・竹下校長先生、銀鏡中学校・黒木先生、宮崎県教育研修センター・草刈指導主事によるトークセッション。

・なぜ西都市ではこのキャリアみらいゼミをはじめ、さいと学に力を入れているのか?
・これから身につけていきたい力と、その理由となる社会的背景
・この学びのねらい、参加する1年生にどんな気持ちで参加してほしいか
・次のプログラム「ハイスクール・クエスト(妻高校校長先生、現高校3年生3名登壇)」でつかんでほしいこと
について、聞き手・西都市教育委員会・笠主査より問いかけがされました。
さいと学の理念にひもづく様々な活動を振り返ることで、一人一人が自分のキャリアプランを練り上げていってほしい、というメッセージや、午後の地域人材からの学びでは「ぜひ、生き方に着目してほしい」というメッセージが生徒たちに送られ、まさに午前・午後と続くこの会のマインドセットとなる時間でした。

続いて、【第一部 ハイスクール・クエスト】。
西都市内唯一の高校で、100年を超える伝統校・県立妻高校より、三浦校長先生、3年生の黒木さん(普通・文理科学コース)、池迫さん(情報ビジネスフロンティア科)、飛賀さん(福祉科)が登壇し、「高校とはどんな力を伸ばすところなのか?」についてお話されました。高校とはそもそもどんな場所なのかといった全体的な視点からの話や現役高校生のリアルな声も聞ける場となっていました。
特に、「もし、もう一度中学生に戻れるとしたら?」との問いに、高校生全員が「勉強を頑張りたい」と答えていましたが、その理由は一人一人さまざま。

「自分の長所を書くときに困った。いろんな経験をしておけば、もっと自分を発見できたかもしれない」「計画性をもって取り組む訓練をしておけば良かった。スケジュールを立てるときに、生徒会や部活動の予定がかぶったり、長期休暇中の課題を後にためたりしてしまった」という実体験をもとにして語られるエピソードは、多くの中学1年生に刺さったのではないかと思いました。
会場にいる1年生からは「高校で身につけた力は?」「集中できる勉強方法は?」という質問があがっていました。

午前の部最後は、【第二部 マイタウン・クエスト】。
毎年、西都市内地区を超えた歴史文化に深く触れる学習の機会となっているこの会。今年のテーマは「日本最強の城と都於郡」。

都於郡中の生徒による調べ学習の発表から始まり、地形を利用した攻めと守りの城となっていることや、もしも、大きな勢力となっていた伊東氏(都於城)が伊東氏VS島津氏の戦いで勝っていたら・・・という仮説が津曲社協係長より語られました。都於郡では学校で甲冑を実際に作る学習があるなど、地域の歴史を体感的に学ぶ機会もあるようですが、地区外に住む中学生にとっては初耳な内容も多かったようです。

また、伊東マンショ(満所)については、以前飯牟禮氏がプロの漫画家へ依頼し制作された漫画を元に、有志で声優を集めて音声吹き替えをしたアニメーション動画で紹介されました。「わかりやすく生徒たちに届けたい」と時間をかけて今も続編の制作を進めているとのことでした。

ここで午前の部が終了。昼食を挟んで、午後の部開始です。

(西都市内中学校1年生合同で「キャリアみらいゼミ」が開催されました②へ続く)

 

延岡市立 東海中学校2年生で「連続よのなか教室」

東海中学校2年生(4クラス、135名)では、キャリア教育の学年目標として下記をめざして取り組んでいます。

1)キャリア教育活動を通して将来の生き方を考え進路計画を立てることができる生徒を育てる

2)自己理解を深め、啓発的な体験を通して、職業に関する理解を深めさせる

 

 そして、「総合的な学習の時間」では、1学期に3日間の「職場体験」を経験しました。

2学期~3学期には、「何のために〇〇をするのか」について、生徒一人一人がテーマを決め、主体的にを将来を考える場をつくっていきたいと考えています。

 

 そこで、9月から半年間をかけて、「5連続よのなか教室」を実施することになりました。

 

 9月 8日(金)14:40~15:30      オリエンテーション (何のために〇〇するのか)

 9月15日(金)13:40~15:30(2時限) テーマ設定、よのなか教室に向けて、キャリアパスポート記入

 9月27日(水)13:40~15:30(2時限)「第1回よのなか教室」(王子谷剛志/旭化成柔道部選手)

 9月29日(金)13:40~14:30「学活」     修学旅行に向けて             

10月 6日(金)13:40~15:30(2時限)     同 上

10月12日(木)13:40~15:30(2時限)     同 上

10月20日(金)13:40~15:30(2時限)    合唱コンクール、鑑賞教室

10月24日(火) 9:45~10:30「学活」 「第2回よのなか教室」(門田賢士/千徳酒造 社長) 

10月27日(金)13:40~15:30(2時限)*行事 修学旅行の説明会             

11月10日(金)13:40~15:30(2時限)     同 上

11月17日(金)13:40~15:30(2時限) 「第3回 よのなか教室」(8人の講師から2人を選ぶ)  

11月24日(金)13:40~15:30(2時限)   修学旅行(直前指導) 11/26~28(長崎・福岡)

12月 1日(金)10:45~12:35(2時限)    修学旅行のまとめ

12月14日(木)13:40~15:30(2時限)    修学旅行のまとめ発表             

 1月12日(金)13:40~15:30(2時限)    

 1月19日(金)13:40~15:30(2時限) 「第4回 よのなか教室」(8人の講師から2人を選ぶ)  

 1月26日(金)13:40~15:30(2時限)    キャリア教育講演会(キャリアプランニング/ソニー生命)

 2月 2日(金)13:40~15:30(2時限)    立志式に向けて

 2月 9日(金)13:40~15:30(2時限)     同 上

 2月16日(金)13:40~15:30(2時限)*行事  立志式

                     「第5回 よのなか教室」(上田耕一/虎彦㈱ 社長)

 3月 1日(金)14:40~15:30

 3月 5日(火) 9:45~12:35(3時限)*道徳+総合   「ひなた場」  

 

第3回の講師は次の方々でした。生徒たちは2人を選んで話(30分)を聞き質疑応答をしました

1.石内裕貴さん(旭化成柔道部選手・副主将、30才・100kg級・天理大)

2.尾原琢仁さん(旭化成柔道部選手、28才・100kg超級・筑波大)

3.繁昌久哲さん(旭化成 延岡総務部総務グループ長、 元旭化成柔道部)

4.友碇利勝さん(アンカーフレンズ株式会社 代表取締役、 元旭化成柔道部)

5.佐藤照政さん(株式会社キーレックス ENEOS出北CS、昨年恒富中でコネクト講師)

6.永田夕理さん(株式会社コノハナ 営業、 昨年恒富中でコネクト講師)

7.吉玉勇作さん(株式会社吉玉畜産(延岡よっとん)代表取締役)

8.桑原勇斗さん(FC延岡AGATA 監督、 ㈲ はーと介護 取締役)

 

 第4回の講師は次の方々でした。生徒たちは2人を選んで話(30分)を聞き質疑応答をしました

1.川田修平さん(旭化成柔道部選手、 27才・100kg超級・明治大)

2.後藤龍真さん(旭化成柔道部選手、 24才・100kg級・東海大)

3.松田陽子さん(城山ふとん店 店舗責任者)  *ビデオメッセージ有り

4.岩田直樹さん(株式会社キーレックス)

5.吉弘和泉さん(虎彦株式会社 取締役営業部長)*ビデオメッセージ有り

6.桑原英一さん(FC延岡AGATA 代表取締役社長、㈲ はーと介護 代表取締役会長)

7.奥野貴大さん(延岡市 商工観光文化部 工業振興課 工業振興係)

8.酒井康行さん(延岡市キャリア教育支援センター コーディネーター)

 

  9月からの活動開始に備えて、夏休みの時間を活用して、8月22日(火)に県教育研修センターの草刈淳さん(指導主事)をお招きして、先生方の「キャリア教育研修」を行いました。

「どんな子供を育てたいのか」、「よのなか先生にどんな話をしてもらいたいのか」・・・ 「何のために」という議論を毎回深めることが大事だと学びました。

この研修会での協議の結果、9月から始まる各行事を、先生方が分担されて、各回を受け持たれることになりました。

 

 立志式では、これまでの学びをふまえて、「こんな大人になりたい」について考え、表現することにしました。普段なかなか人の話を聞けない子たちもいましたが、この場では自分で考えて言葉にして発表する姿に、先生方も感動しながら聞き入っておられました。

 

 そして、最後のまとめとして、3月5日に「ひなた場」を実施しました。

親や先生以外のナナメの関係にある地域の大人と、1対1で対話をすることで、自分自身を深く見つめる機会になりました。  (この「ひなた場」については別途活動日誌で報告しています)

                                 (トータルコーディネーター  水永)

門田さんの話を、体育館で聞く生徒たち

                門田さんの話を、体育館で聞く生徒たち

若手社員が語る「働く喜びと苦労」IN 北川中学校

1月18日(木)に、延岡市立北川中学校(全学年 59名)で、延岡市内で働く若手社員による「よのなか教室」が開催されました。

 

これは、延岡地区の地元企業で働く若手社員(5社の6人)が集まり、自分の会社や職場を超えて、同じ世代の仲間と異業種交流することにより、働くモチベーションと帰属意識を高めようと計画されたものです。 研修の最後に、中学生に「働く喜びと苦労」を語ることになっていますので、キャリア教育支援センターとしても積極的に関わっています。

 

6月から毎月1回の研修を重ねて、今回地元の中学校で「よのなか教室」を行い、自分の仕事の意義や魅力を語りました。これまでの自分を振り返り、これからの会社と自分の役割を見つめ直す機会になったことと思います。普段はあまり触れることのない地元で働く若手社員の姿に、生徒たちも刺激を受けたようです。

                                 (トータルコーディネーター  水永)

講話を終えた6人の若手社員たち 

講話のあと質問する生徒に和やかに答える講師

 

   

 

 

 

 

 

 

       講話を終えた6人の若手社員たち                        講話のあと質問する生徒に和やかに答える講師

 

 

高千穂町「子育て講演会」で講話

 1月12日(金)19時から、高千穂町PTA連絡協議会の主催による「子育て講演会」(約100名)が行われ、「育むということ -子供たちの未来は可能性に満ちている」と題して講話しました。

 

 あとでいただいた感想文ではたくさんのメッセージが語られていました。

 

「未来、白紙、正解はたくさん。とてもワクワクすることだと感じました。子供たちにも、明るく伸びてほしいとあらためて考えました。」

 

「子育て真っ最中で、我が子に対して親の意見や押し付けが子供が育たない一つの要因になっていることを痛感していた中での講演だったので、共感とともに、どのようにこれから子供たちや若い世代に接していけばいいのかをとても考えさせられました。言っても分かってもらえないからと諦めず、寄り添い、意見を聞いて、互いにWIN ーWINの関係を築いていきたいと思いました。」

 

「自分にとって一番大事なことは何か? 幸せとは何か? を子供たちと話してみたいと思いました。問題にぶつかった時に乗り超える力をこれから養っていけたらいいです。お家でもあれはダメこれはダメではなく、何がやりたい? 何か手伝うことはある? の言葉がけをできるだけやってみたいと思います。」

 

「“感謝される” より “感謝する” 方が生きがいややりがいを感じる。」ということに、とても同感しました。ありがとうございました。」

                                 (トータルコーディネーター  水永)

 PTAの保護者と先生方が熱心に聞いていただきました

                    PTAの保護者と先生方に熱心に聞いていただきました

日本商工会議所で「延岡での取組」を紹介

 12月20日(水)に、東京で行われた日本商工会議所の「第3回 教育委員会」にて、「延岡市におけるキャリア教育の取組について」紹介しました。

 

 本会は、「観光委員会」、「地域活性化委員会」、「労働委員会」との合同で開催され、全国の商工会議所の会頭や専務理事など約150名が参加されていました。延岡での「よのなか教室」の取組を紹介してほしいとの依頼を受けて、東京へ出向き対面で行ったものです。

 

 日本商工会議所は、全国各地の商工会議所が取り組むキャリア教育活動の見える化と、好事例の全国への横展開を目的に、事例集「広がる! 深まる! 商工会議所のキャリア教育」を2年毎に作成し公開しています。

2022年の同書では、好事例として14例を紹介。地域により、対象は小中高生から大学生まで多岐にわたっています。

 

 会合の後で、横須賀商工会議所、北九州商工会議所、石川県小松商工会議所の方々からお声をかけていただき交流することができました。

その後、商工会議所から話を聞かれた北九州教育委員会からお問い合わせがあり、1月29日に、リモート・オンラインで説明と意見交換を行うことができました。こちらからの情報提供だけでなく、北九州市におけるキャリア教育の取組も聞かせていただき刺激になりました。特に小学生へのキャリア教育の取組には貴重なヒントを感じることができました。

このような広域での交流、情報交換に拡がり、とても貴重な機会になりました。

                                 (トータルコーディネーター  水永)

日本商工会議所の「キャリア教育事例集」 (日商のHPに掲載されています)

   

                日本商工会議所の 「キャリア教育事例集」

                        (日商のHPに掲載されています)

「探究って自分にとってなんだろう?」をテーマに県立宮崎東高校で進路フォーラムが開催されました

定時制夜間部で学ぶ生徒が、自己実現のために目標をもって努力し成長することを推進するため、総合的な探究の時間と進路について考える契機にしたい。

と企画された進路フォーラムが、12月15日18:40〜20:05、宮崎県立宮崎東高校で開催され、登壇者4名がお話しし、生徒約70名、保護者約15名の方が出席されました。コーディネーター福島は、ファシリテーターを務めました。

 

「探究って自分にとってなんだった?」と題したこのフォーラムの登壇者をご紹介します。

株式会社ベネッセコーポレーション・教育情報部教育情報センターでセンター長を務めていらっしゃいます、谷本祐一郎さん

宮崎東高校定時制夜間部卒業生で、現在バンド「namaru」で活躍されている、髙田さやかさん

同じく宮崎東高校定時制夜間部卒業生で、現在は香蘭ファッションデザイン専門学校に通い、ファッションビジネスの企業への就職が決まっている篠澤弥吹さん、そして現3年生の兒玉琉祐さんです。

探究の一般論ではなく登壇者の皆さんのストーリーから宮崎東高校での探究活動の特徴について紐解かれていくような時間でした。


この日の話の中から登壇者のみなさんの金言をいくつか抜粋してみます。


*学校の外の人に自分の伝えたいことが伝わり、影響力がもてたときに探究のアクセルが踏めた。

*ここでアクセル踏めた、ぐっと進んだというより一つ気になることを調べる、やりたいと思ったことを口に出す、外に出すの繰り返しで気づいたら進んでいった。

*こころが動いた瞬間を大事にしてほしい。意識しないと通りすぎてしまう。それはもったいないなって思っている。
*一生付きまとうのが探究(探求)。自分のやりたいことが本当は違うかもと思うときもあるけど、こころが動いた瞬間に向き合い続ける。

*目標とは、ときめくこと。立てていたときめく目標が叶ってしまったから、今また(自分の中のときめくことを)探究している。

*自分で食べていくために、食べられる仕事に妥協しようと考えたこともある。だけど本当にやりたいことをやらないと後で悔しいって思うだろうな、と思って決めた。

*ここ(宮崎東高校)では先生に否定されたことがない。一人の人間として対応してくれていると思えた。

 

キャリア教育を実践していく上で、身につけていくべきとされる「基礎的・汎用的能力」。基礎的・汎用的能力は、どの職業や分野においても自立するために必要な基盤の力で、人間関係形成・社会形成能力、自己理解・自己管理能力、課題対応能力、キャリアプランニング能力の4つに分けて考えられています。

この観点から

学校内外の人と意見交換をするにあたって、自分が意義を感じていることを深掘りしどうやって伝えるかを工夫したり、人と話して新しい視点が得られてブラッシュアップしたり、ゴール達成に向けて今まだできていない課題と向き合ったり、具体的にどんなアクションをとっていくのかを計画立てたりする事を通して、身についた力があるのだろうと推察します。

普段身近なところで生徒をサポートされている先生とどのように連携していくと、より基礎的・汎用的能力の向上に外部講師・外のメンターとして貢献できるのかということを今後も考えていきたいと思いました。

 

また、参加生徒から、たくさんの感想が寄せられました。全てご紹介したいところではありますが、一部抜粋してご紹介します。

<参加生徒からの感想>

*今後の進路に活かせる内容でした。自分の好きなことができるのはあたり前ではないし、見つけること自体も簡単じゃないんだなぁと思いました。

*自分も将来したい事について、つきつめている時に疲れたり、ときどきしなくなったりした時に好きなことをしているつもりなのに、本当にこれが好きな事なのかわからなくなることがありますが、講演の話を聞いて、先輩たちも同じ経験をしている様子だったので、安心したのと同時に、ちゃんと好きな事をできるんだなと自信がつきました。これからも好きだなと思ったことはつきつめていきたいと思います。

*東高を卒業された人たちの話を聞くと、自分の好きな事を将来に活かせているのがすごいなと思いました。とてもいい話ばかりで、自分自身も不登校だったので、進路フォーラムを聞いて本当に良かったなと感じました。活躍されている人を見て、自分も頑張ろうと思いました。

*将来の夢がなくても、趣味や好きな事を見つけてそこから始めれば良いんだ、今、夢や目標がなくても遅くないんだと思いました。

<コーディネーター 福島>

高鍋町立高鍋東中学校で対話型キャリア教育プログラム「ひなた場」が開催されました

近年、対話に関連する新書が多く出版され、企業における組織開発分野でも「対話」だけでなく、オープンダイアログ、ナラティブなど対話を意味する言葉がたくさん聞かれるようになりました。

雇用形態の多様化や、立場や背景の異なる人と共創する機会が増え、絶対解だけでなく、人の数だけ正解も正義もあるという前提で、最適解・納得解を合意形成をしながら共に創っていこうとする社会的な流れがあるように思います。

宮崎のキャリア教育においても、外部講師による講話型のプログラムも多く実施されていますが、年々対話型プログラムの実施数が増えています。

今年度、高鍋町内にある県立高鍋高校では「対話でぶつける日」が、
高鍋西中学校では「ひなた場」が開催され、いずれも対話を軸としたキャリア教育プログラムでした。

そんな中、12月7日(木)高鍋東中学校でも、1年生約120名向けに対話型キャリア教育プログラム「ひなた場」が開催され、46名の地域の大人が講師や先輩として集まりました。


ひなた場とは?

ひなた場は、中学校段階からのキャリア形成支援の取り組みとして、全県下の子どもたちが、宮崎で暮らし、働く意義を理解した上で、自分自身の進路や将来像を描くことができるようにすることを目的としたプログラムです。

 従来から、社会人講話のような取り組みはありますが、一度に出会えるロールモデル(大人)の数が限られ、中高生とのマッチングも難しく、深く共感・理解・イメージするところに届いていません。

 そこで「ひなた場」では、「対話」を軸に子どもたちと大人をつなげます。互いの人生を語り合うことを通して、憧れのロールモデル(大人)を見つけたり、気軽に相談できる少し年上の地域の先輩との関係をつくったり、自分自身の将来を深く考え、描いていく、そんな「きっかけ」を届けています。そのきっかけを届けてくれるのは、ナナメの関係にあたる地域の大人の皆さん。(ひなた場では、先生や保護者をタテの関係、友人をヨコの関係と表現しています。)


「入試のスタイルが変化し、進路も多様化してきました。子どもたちは、自分で情報を得て選んでいく力を身につけていく必要があります。」そう語るのは、1年生学年主任の先生。

そのためにも、子どもたちがなるべく早くに多様な生き方に触れ、自分の現状を知り、これからの生き方について考えられる機会を作りたいと考えられていたそうです。

ひなた場では、地域の大人との対話の前に、生徒はこれまで生きてきた過去を感情の動きと共にグラフ化した「人生グラフ」を作成します。自分の足跡や現状の確認ができる機会です。

また、ひなた場当日は、3名の大人の人生ストーリーを聞き、これから自分はどんな大人になりたいかを考える機会でもあります。

当日は、たくさんの地域の大人にご協力いただき、体育館、武道場、多目的室の3部屋を使っての開催となり、生徒たちが前のめりになって話を聞く姿や、生徒自身が考えながら話している姿がありました。

実施後、学年主任の先生と、講師・先輩を探してくださった高鍋町キャリア教育支援センターの森コーディネーターと振り返りを行いました。

学年主任の先生より

「目標ややりたいことを最短ルートで実現することが王道のように思えることもありますが、リアルな社会はまっすぐな人生というわけでもないですよね。失敗談を話してくださることで、生徒たちは回り道の多様さに触れられ、回り道をしたからこそ得られたものがあるなど、いろんな生き方があることにも気づけます。世の中には、こんな人になりたい!もあれば、あんなふうになりたくない、と感じる人との出会いもあるでしょう。そういったモヤモヤも、そう感じる自分はどんな人間なんだろう?と内省する機会になります。多くの人生の先輩方に関わってもらえて、本当に良かったです。3年生のO先生と、高鍋町キャリア教育支援センターの森さんが地域の方とつなげてくださったからこそ実現できたと思っています。」

高鍋町キャリア教育支援センター・森コーディネーターより

「高鍋町にこんなに子どもたちのことを一緒に考えてくれる素敵な大人がたくさんいるんだと再確認できました。高鍋いい町だなぁと改めて感じました。こんな積み重ねが、子どもたちの心の宝物になったら嬉しいですね。」

 

来年度も実施する方向でご検討されているようです。
引き続き、良い形で高鍋町キャリア教育支援センターと連携できればと思います。

<コーディネーター 福島>