2014年12月の記事一覧
思いやる心
病気と闘う人
三年 井上 一希
そこでの入院生活で、僕は色々な病気と闘う人たちに出会いました。大人から、僕よりまだ小さい子どもたちまで、幅広い年齢層の人と仲良くしてもらいました。
僕の病気は、ニュースにもなる「発作による交通事故」「発作による作業中の事故」につながるものです。きちんと通院して、きちんと薬を服用すれば、日常生活は他の健康な人と同じように過ごせます。薬を服用し、手術をしてから二年間、発作がなければ、車の免許も取得できると聞きました。僕は二年間、発作で意識がなくなることはありませんでした。
しかし、通院や定期検査をしているにも関わらず薬の服用を忘れたことなどで、ごく一部の人が事故を起こしたりすることがあります。その度に、患者全てが同じように事故を起こすと思われ、なかなか仕事にも就けないという現状があります。僕は、そのような話を聞く度に不安になります。自分が働くことができなくなったら、どうやって生きていけばいいのだろうと考えることがあります。これは、病気を患っている人に対する「差別」ではないかと思います。
表面上は、健康な人と全く変わりません。例えば「○○患者」という表現も、僕は「差別」「人権無視」だと思うことがあります。障がいのある人たちも、ここ最近は様々な面で守られていると思うことがあります。しかし、外からは判断できない障がいがある人たちはある意味、誰も守ってくれず、病名を明かすと偏見の目で見られることがあります。
精神的に障がいがある人たちもそうです。「精神科に行っている」というだけで、「変人」「気が狂っている」「おかしな人」という目で見られることがあるそうです。僕は実際に、「頭がおかしいんじゃない?」と言っている人の話を耳にしたことがあります。皆それぞれに色々な悩みや苦労を抱えながら生活し、生きているのに、なぜ病気を患っている人たちを守ってくれないのだろうと憤りを感じることがあります。病名を隠しながらでしか生活できない世の中に僕は疑問をもちます。
長期入院生活や通院などで知り合った方々とのふれあいを通して、僕はたくさんのことを学びました。だからこそ、僕は余計に色々な病気と闘う人たちに対して、世の中の冷たさを感じるのかもしれません。病気を患っている人たちがひとまとめにされ、偏見の目で見られることがとても辛いです。個人個人をもっと見てもらいたいです。きちんと一人の人間として、その中身を見てもらいたいです。
「手を差し伸べる」という言葉がありますが、僕は同情や偏見をもっている手は差し伸べてほしくありません。そのような手ではなく、自然にすっと手を差し伸べてくれる人たちがもっと増えることを期待しています。そして、僕自身が、困っている人にすっと手を差し伸べて、少しでも人の役に立てる人間になりたいです。
目に見えない病気や障がいのある人たちが、住みやすく、働きやすい時代が来てほしいです。そのために誰もが、そのような人たちがいるという事実を知り、理解することが大切であると思います。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
27 1 | 28 1 | 29   | 30 1 | 31 1 | 1   | 2   |
3   | 4   | 5 2 | 6 1 | 7 2 | 8 2 | 9 1 |
10 2 | 11 2 | 12 3 | 13 2 | 14 1 | 15   | 16   |
17   | 18 1 | 19 1 | 20   | 21 1 | 22 1 | 23   |
24   | 25 1 | 26 1 | 27 1 | 28   | 29 1 | 30   |
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