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本校図書室の取組

 本校の図書室では、見えない見えにくい幼児・児童・生徒・職員のために利用しやすい蔵書の充実、読書環境の整備に取り組んでいます。
 具体的には、サピエ図書館や国立国会図書館を介した蔵書の充実。Chatty Books Onlineを活用したマルチメディアデイジー図書の活用。本人の利用しやすい媒体による図書の提供、ICTを活用した読書支援や読書環境の改善などに取り組んでいます。
 
 2019年6月には「読書バリアフリー法」(視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律)が成立し、「障害の有無に関わらず、すべての人が読書による文字・活字文化の恩恵を受けられるようにすること」が国、地方公共団体等の責務として示されました。
 さまざまな障害のある方が、利用しやすい形式で本の内容にアクセスできるようにすることを目指しています。
 詳細については、「読書バリアフリーコンソーシアムのページをご参照ください。
著作権についてや事例紹介も掲載されています。


〇参考リンク

読書バリアフリーコンソーシアム
著作権法第37条第3項に基づく著作物の複製等に関するガイドライン(サピエ図書館)

・A5サイズの図書をiPad pro 12.9 inchで表示している様子

A5サイズの図書をiPad pro12.9inchで表示している様子


〇理療科での活用
 

 理療科の3年生にとって、3年間分の教科書や参考書、資料を毎日持ち運んで学習することは紙の本では非常に困難です。もしそれができたとしても必要な時に必要な個所を探すことにかなりの労力を費やすことになり、実用的ではありません。しかし、デジタル機器(iPadやパソコン)とアクセシブルなデジタルデータがあれば上記の問題のかなりの部分が解決できます。
 デジタルデータであれば任意の単語で文字検索ができたり、文字の拡大や色の反転、音声読み上げもできます。そして、何より、場所や環境に縛られることなく、どこでも持ち運んで学習に取り組むことができます。多様な生活環境や状況にある理療科生にとって時間を有効に使うことはとても大切です。見ることを補い、効率的に学習する手段としてデジタルを活用した読書支援は役立っています。

 令和4年度からは、理療科においてもUDブラウザ版教科書、点字データ版教科書の利用ができるようになり、活用の幅が広がりました。
 さらに、紙の本をデジタル化する技術(スキャン・OCR・修正等)を習得し、情報に主体的にアクセスし、デジタルで処理・管理することは、まさに視覚支援学校における情報活用能力そのものです。取り組みを通して必要な著作権法についての理解を深めることで、卒業後のさらなる読書環境の充実や学び続ける力にもつながると考えています。

 今後も日々の読書活動の充実と卒業後の学びの充実を目指して支援に取り組んでいきたいと思います。

NICTからお借りしたiPadが机の上に並んでいる画像です。
NICTからお借りしたiPadが机の上に並んでいる画像です。