学校の様子

2016年2月の記事一覧

世界で一つのこま打ち袋

 荒谷小では、この時期に給食調理員の先生から1年生にプレゼントが贈られます。それは、椎茸のこま打ち用の袋です。こま打ちをする時には、こまが入った袋を腰に下げて行います。この袋を毎年給食調理員の先生が手作りで作ってくださるのです。こま打ち用の袋をプレゼントされる時に、一緒にはんこも貸してくださいます。このはんこは布用のはんこでかわいい絵柄がたくさんです。こまうち用の袋に好きなようにスタンプを押して、世界で一つだけのこまうち用の袋が出来上がります。ピンク色で春を思わせるようなこま打ちの袋、2月22日(月)に行われる椎茸のこま打ちが楽しみですね。

【写真右 腰につけているのがこま打ちの袋です】

わくわく学習発表会(ポスターセッション・パネルディスカッション)

 その後、3~6年生のポスターセッションが行われました。3学期はこの発表を行うための練習を積み重ねてきました。7分間という時間があるため、言葉を精選し、簡潔に分かりやすく自分の伝えたいことをまとめました。また、聞いている人にしっかりと伝わるように資料を工夫したり、掲示資料を工夫したりしました。たくさんの人を前にポスターセッションをするのはとても緊張することだと思いますが、子どもたちは自分の学習してきた過程や学びをしっかりと発表できていました。


【3・4年生「わくわくひよこ」とともに学んだ過程を発表】


  【学校外の方々ともたくさんつながった5・6年生】

 真剣に耳を傾けてくださる方々に応えるように、子どもたちはしっかりと前を向いて発表し、発表後の質疑応答にも資料を活用しながら的確に答えていました。今回のわくわく学習発表会には宮崎大学の先生方や研修センターの先生方、また国内研修でお世話になった東京の家具屋さんや、昨年12月に実施した「はるちゃんツアー」に参加してくださった福岡の大学生等、諸塚村外からもお越しいただきました。子どもたちにとっては、自分の発表に対して、直接質問を受けたりアドバイスいただくという貴重な経験になったと思います。


【東京の家具屋さんの方々からは、CMについての質問をいただきました】

 その後は、パネルディスカッションです。今回は新たな試みで、コーディネーターを6年生児童が務めます。パネラーは5年生・6年生の代表が各1名、わくわく学習応援隊、特別わくわく学習応援隊、3・4年生担任という10名で構成されています。1つ目のテーマは「林業立村を持続するために必要なこと、大切なことは何か」です。それに対してパネラーが一人ずつ考えを発表していきました。
◯ FSC発信
◯ 人の幸せを願う
◯ 絆
◯ 人と金
◯ 縁
◯ 想像力
◯ つながり
◯ 人と人とのつながり、人材確保
◯ 発信
◯ すき
というキーワードが出てきました。「人と金」では、「森林所有者が森林に目を向けていないことや、木材価格の低迷がある」とのお話がありました。「想像力」では、「どんな暮らしをしているのか想像しながら考えることが大切である。夢が大きければ大きいほど未来は変わっていく」、「つながり」ではウッジョブの学習の継続の必要性などをお話いただきました。それぞれの立場で考えられることを発表していただき、林業立村の持続について様々な角度から考えることができました。また「縁」・「絆」では地域の誇り、しきたり、伝統など一緒に生活をしていくことで育まれることを子どもたちに教えていただきました。


【コーディネーター初挑戦】  【6年生代表パネラー】


 【5年生代表パネラー】   【お世話になった農林振興局の方】


【わくわく学習応援隊の方々 これまで講話をしていただいたりアドバイスをいただいたりしました】


【東京の家具屋さんともつながりました】【応援隊の方 写真を提供してくださったり、実行組合の歴史を教えてくださったりしました】


【地元の林業会社の方 伐採現場を見せてくださったり、学校でインタビューを受けてくださったりしました】

【「しいたけ博士」1・2年生にしいたけのいろはを教えてくださいました】


【3・4年生担任 子どもたちを色々な方とつないでおられました】


 このような意見を聞き、子どもたちからはたくさんの質問が出てきました。「『想像力』とありましたが想像していたことと実際に違っていたことはありますか?」や「『すき』とありましたが、どのようなことをしたら好きが増えると思いますか?」など鋭い視点からの質問です。また、フロアからも林業立村を持続するための意見が
発表されました。

◯ PRすること
◯ 林業という職業で生活ができないと成り立たない
◯ 人材確保が大切
◯ 林業に対する思いを全国へ発信する
◯ ホームページ等のインターネットツールを活用する

 「林業立村の持続のために」たくさんの方々が真剣に考え、知恵を出し合いました。そのたくさんの意見をコーディネーターの6年生がまとめました。

① 発信(FSCや椎茸、神楽)
② 興味をもつ(人や木が好き、想像する、興味)
③ 絆(人とお金の絆、縁という絆、つながりという絆)

意見を聞きながら、メモをとり、まとめていくという作業をし、このようなすばらしいまとめを発表してくれました。コーディネーターの児童はもちろん、パネラー、フロアにいた子どもたちもこの時間で一回りも二回りも成長をしたと思います。


    【ご協力ありがとうございました】

 次にテーマ2「ウッジョブ諸塚はどんな力を身に付けることができるか」です。このことについては子どもたちとパネラーの方とでにっこりトーク(話合い活動)を行いました。また、フロアの方々にもどのような力がつくのかを考えていただきました。


【この学習で身に付いた力を話しました】

 フロアの方々に聞いてみると次のような意見が出てきました。

【ウッジョブ諸塚で身に付けることができる力】
◯ 興味をもつ → 想像力がつく → 実行力が備わる
◯ 色々なことに興味をもてるようになる
◯ 夢につなげていく力をもてるようになる
◯ 人に興味をもてるようになる
◯ 人と人とのつながりを大切にできるようになる

  【様々な立場の方からお話しいただきました】


【めんぱのことでご協力いただきました】【ツアーでつながった大学生】


【大学の先生や研修センターの先生】【東京の家具屋さん】


【保護者の方々も子どもたちの成長を実感されているようでした】

 この「ウッジョブ諸塚」の学習で、子どもたちが将来必要とされる力が身に付けられるという有り難い意見ばかりでした。また、大学の先生方や研修センターの先生方からは、「本質的なものを見抜いていく力と続けていく力が身に付けられる。目の前の言葉に飛びつくのではなく、ものごとを深く考えるということもできるようになると思う」、「課題を見つけて解決する力、発信する力、ふるさとを大事にする力が身に付いている」とお話しいただきました。その他にも、「震いたたせられた。とびきり輝いている学校だと思う。この探究する学びを小・中・高・大学とどう引き継ぐかこれは大人たちの課題である。」、「荒谷、学校、自分が大好きだという思いが伝わってきた」などとお言葉をいただきました。


  【宮崎大学の先生方 ありがとうございました】

 1年を通して学習してきた「ウッジョブ諸塚」、この学習は学校の中だけではできない学習です。地域の方々が応援してくださったり、協力してくださったり、時には学校にお越しくださって講話をしてくださったりしたおかげで、今回の発表にたどり着きました。この「ウッジョブ諸塚」が円滑に進むのは、地域の方々のお力添えのお陰です。子どもたちはこの学習を通して、他では学び得ないことが学べたのではないでしょうか。この1年で子どもたちもすっかり頼もしく、たくましくなりました。

 1年間、ご支援・ご協力ありがとうございました。

わくわく学習発表会(豚汁・「おおきな なば」)

 午前中のプログラムが終わり、午後からはわくわく学習発表会が行われます。その前に、楽しみにしていたお昼ごはんです。持参したお椀にあつあつの豚汁をたっぶり入れてもらいます。もくもくとたつ湯気と豚汁のいい香りに誘われ、多くの方々が集まりました。


【豚汁が食べられない方に普通のお味噌汁もご用意してくださいました】


【宮大の先生や研修センターの先生方もお越しくださいました】

 具がたっぷり入った、おいしい豚汁と各家庭から持ち寄ったおにぎりでお腹いっぱいになりました。

 そして、わくわく学習発表会が始まりました。1・2年生の発表からスタートです。1・2年生は「おおきな なば」という劇です。これまでに800個の椎茸を収穫した1・2年生、これまでの椎茸のお世話の過程を発表しました。また、地元の加工グループの方々と調理実習をした様子も紹介しました。その後、「最新の椎茸の様子をお知らせします」と言い、ステージに「おおきな なば」が登場しました。それを取ろうとしますが、大きすぎて1人では取れません。

    【「おおきな なば」 なかなか取れません】

そこで、クラスのみんなと一緒に力を合わせますが、それでも取れません。子どもたちだけでは、取れないのでお世話になった「しいたけ博士」にお手伝いをお願いすることにしました。「◯◯◯せんせ~い!」と1・2年生が呼ぶと「しいたけ博士」がステージに上がってきてくださいました。


【うんとこしょ どっこいしょ それでも なばは 取れません】

 「しいたけ博士」と一緒に引っ張っても取れない「おおきな なば」、次に1・2年生は乾燥椎茸のことを教えてもらったり、干し柿の作り方を教えてもらったりした事務の先生を呼ぶことにしました。「料理上手の◯◯せんせ~い!」と呼ぶと大きな声で「は~い!!」と返事がありました。さあ、助っ人2人と1・2年生が力を合わせます。

 【よし!は取れるかなぁ】

 しかし、「おおきな なば」はビクともしません。どうしたらいいか考える1・2年生。会場からは「次は校長先生やろ」との声も聞こえてきました。ところが1・2年生が呼んだのは「じいじ~!!」でした。予想だにしていなかった助っ人に、会場の皆さんはビックリ。1年生のおじいちゃんがステージに上がってきてくださいました。

【次こそは!「うんとこしょ どっこいしょ」】

 それでも「おおきな なば」は取れません。ここで、最後の助っ人として1・2
年生が呼んだのは校長先生です。「こうちょうせんせ~い!」と大きな声で呼ぶと「仕方ないなぁ~」と言いながら校長先生がジャケットを脱いでお手伝いに来てくださいました。

【これでやっと取れる  はず】

 「うんとこしょ、どっこいしょ」と言って引っ張ります。もう取れるだろうと思っていたこの「おおきな なば」、なんとまだ取れませんでした。そこで、1・2年生は会場の皆さんに一緒にかけ声をかけてもらうことにしました。全員で「うんとこしょ どっこいしょ」と力を込めます。しかし、まだ取れません。「そんな声ではだめです。もっと大きな声を出して!」と1年生が言うと、会場全体が一つになり「うんとこしょ どっこいしょ!!」と大きな声で応援しました。するとようやく「おおきな なば」が取れました。


 【みんなの力で「おおきな なば」、無事に取れました】

 1・2年生はたくさんの方々に支えてもらっていること、椎茸を育てるためにはお世話をたくさんしないといけないこと等をわくわく学習(ウッジョブ諸塚)で学んだようです。学習発表会が終わっても、毎日しいたけの観察をしている1・2年生。乾燥を防ぐために椎茸に袋をかけてあげています。学習発表会で終わりではなく、学び続けている1・2年生、学校の中では1・2年生が「しいたけ博士」です。

学習発表会

 2月14日(日)は、「平成27年度 創立126周年記念 荒谷小学校・荒川保育所 学習発表会並びにわくわく学習発表会」が行われました。この日のために子どもたちは、登校後の朝の時間を活用して合奏・合唱の練習をしたり、授業の時間を使って発表の練習をしたりしていました。子どもたちは日頃の成果を発表できる大舞台にわくわくしていることと思います。
 この日の楽しみの一つであるお昼の豚汁の振る舞い、その仕込みのために朝早くからお父さん・お母さん方が家庭科室で準備をしてくださいました。だしの香りやしょうがの香りが廊下に漂ってきて、家庭科室に吸い寄せられました。

   【お父さん方が腕を振るってくださいました】

 手作りのお味噌に、地元で作られた豆腐、新鮮な野菜がたっぷり入った豚汁は、学習発表会が始まる頃には出来上がりました。

 午前9時、いよいよ学習発表会が始まりました。まずは保育所生の発表からスタートです。保育所生は、年少々・年少・年中の女の子4人でのダンス、男の子たちのダンス、そして年長さんの踊りを発表しました。衣装がとっても似合っていた保育所生、堂々とした発表に体育館が大きな拍手に包まれました。


【かわいいミニーちゃんたち】【忍者になりきって手裏剣シュシュシュ】


【かっこいい年長さんの踊り】

 その後、1・2年生の発表がありました。1・2年生は、まずこの1年で頑張ったことを発表しました。1年生は「一輪車をがんばりました。2年生ではループに入りたいです」、「なわとびの二重跳びをがんばりました。2年生では二重跳びを連続10回できるようになりたいです」と発表しました。2年生は「かけ算九九をがんばりました。7の段と8の段が苦手だったけど、家でも練習をしてスラスラ言えるようになりました」、「三角形と四角形の勉強をがんばりました」と発表していました。その後、「はるがきた」の朗読をしたり鍵盤ハーモニカで演奏したりました。マット運動やかけ算九九も披露し、1年間の成長を堂々と見せてくれました。


【同じ教室で勉強しているので、1年生もかけ算九九が言えます】

 次の3・4年生の発表では、学校の1日を劇で紹介しました。体育の授業風景では、前転や後転、連続技などを披露しました。また、理科の授業風景では理科室の模型を転校生の役にして楽しい理科の授業を再現していました。「ほねほねくん」と名付けられたこの模型、会場のみんなとじゃんけんをして仲良くなりました。社会では、会場の方々に地図記号の問題を出したり、都道府県クイズを出したりしました。会場を巻き込む楽しい発表になりました。


【「ほねほねくん」と対面の時】

 その後5・6年生の発表が行われました。5・6年生は「朝の会」の発表です。英語でのあいさつや、毎朝欠かさず行っているリコーダーや鍵盤ハーモニカの練習風景を発表しました。また、古文の暗唱では戸下神楽で実際に受け継がれているものを暗唱しました。最後に「にっこりトーク」(話合い活動)の様子です。今回は「地域のよさ」を話し合いました。「第4部消防団」、「150年も前から山を守る実行組合」、「箕舞などの伝統」、「神楽や祭りなどでのつながりの深さ」、「絆が強い。みんな仲良し」、「優しさ」などが出されました。この朝の会に、子どもたちが学習してきたものが凝縮されているなぁと思える発表でした。


【地域のことを学習し、よさを実感していますね】

 その後、「箕舞」の発表、保育所生の劇、ミラクルパワーズ(地域の方々と職員から構成されるグループ)の演奏が行われました。「箕舞」の発表では、地域の方に太鼓を叩いてもらい、舞い手の子ども以外は囃子をします。学習発表会までに1回だけの練習でしたが、子どもたちはしっかりと舞っていました。ポイントをしぼって、ご丁寧にご指導くださった地域の方々のお陰です。ご指導ありがとうございました。


【下級生もこの舞いを見て、「次は自分だ」と思っていることでしょう】

 そして、毎年恒例の「懐かしの先生紹介」です。今年度も。以前荒谷小に勤務されていた先生が学習発表会を見に来てくださっていました。「ここには、変わらないものと進化しているものがあります」と地域の方々の温かさや伝統、そして子どもたちの学びの幅が広がったことをお話しくださいました。


【いつもお越しくださりありがとうございます】

 そして、午前中最後のプログラム「人生は紙飛行機」です。これは合唱・合奏・劇をコラボレーションしたプログラムです。小学生は自分たちの夢を一人ずつ発表するのですが、その夢が次から次へとつながっていき、この子どもたちの夢が実現すれば、諸塚はもっともっと魅力あふれる村になるなぁとその夢を思い描きながら聞きました。諸塚を思う気持ちと自分の夢、それが身近にありつながっていることがとても嬉しかったです。


【保育所生は鈴とトライアングル】【鍵盤ハーモニカ たくさん練習しましたね】


【いい音色を奏でていました】【年長さんも鍵盤ハーモニカを弾きました】

【木琴はリズムが速く難しいけれど完璧でした】

 子どもたちの真剣な表情、言葉、歌、とても感動的なプログラムでした。

 午後からは「わくわく学習発表会」が行われます。

おかえり!

 今日、5年生は延岡に劇団四季の公演を見に行きました。そのため、給食時間は5年生の仕事を4年生がしてくれたり、6年生がフォローしてくれたりしていました。教頭先生も引率に行かれたため、今日の給食はガランとした雰囲気です。14時過ぎ頃、そろそろ帰ってくるかなぁと待っていると、バスの音が聞こえてきました。すると、校舎からは「おかえりー!」の声。今か今かと待っていた他の学年の子どもたちが教室から5年生と教頭先生に声をかけていました。
 5年生の様子を見に行くと、「おもしろかった~」、「歌がうまかったよね」、「ゾウがすごいんですよ」等、興奮気味に話してくれました。今まで学習発表会の準備に大忙しだった5年生、気持ちがリフレッシュできたのではないでしょうか。また、6年生の卒業が迫ってくる中で、5年生は日に日に存在感を増していたんだなぁと、5年生がいない1日を過ごして思いました。


【通常の「ただいま!」】 【「ただいま!」ミュージカル風】