高中・上中

1. 上野中閉校式

投稿日時: 03/13 学校管理者

3月9日(日)に、高千穂町立上野中学校の閉校式が開催された。私は受け入れる中学校の代表として出席させていただいた。初めに高千穂町教育委員会教育長から、上野中が閉校に至るまでの経緯についての説明があった。平成20年の向山中に始まり、岩戸中、田原中と本町内の中学校が次々に閉校となった。高千穂町のような中山間地域では、全国的に進む少子高齢化の影響は予想以上に大きく、むしろ人口減少が加速化しているのが現状である。閉校式前には、控え室で上野地区の公民館長さんや歴代のPTA会長さんと話をする機会があった。運動場と武道館の間にある校庭の脇にある桜は、それは見事なもののようで、4月には桜の花のトンネルをくぐりながら、児童生徒は校舎へと足を運ぶとのこと。桜の背景には白い校舎が生え、いわゆる“映える”らしい。また、途中改築があったものの、校舎は、清掃が行き届き、磨かれた廊下や壁、教室の床は、いつ見ても気持のよいほど、きれいに管理されている。先生方はもとより、地域の方々の教育力の高さをしみじみと感じる。

式典の後、外では記念碑の除幕式が行われた。黒を基調にした記念碑で金色の文字が刻まれており、重厚感が感じられ、全体的に高級なイメージであった。同時に洗練された厳粛なイメージでした。この記念碑をバックに多くの方々が写真を撮っていた。

午後からは、別れの集いが開かれた。思い出を振り返る場面では、昔の上野中の様子や生徒、教職員等の写真が紹介され、あちこちで懐かしむ声を耳にした。その後、児童・生徒の発表と続いた。中学3年生による神楽は、三田井神楽とはまた違う趣があり、新鮮さがあった。ソーラン節では、地元の婦人会手作りの法被を身にまとった中学生が、リズムに乗ったテンポのよい演技を、小学校低学年による発表では、テレビでよく見かける子役にも引けを取らないほどの満面の笑顔で、童謡「おもいでのアルバム」を歌い、高学年は、宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」を呼びかけ。どの児童も堂々としていた。沖縄県豊見城市の小学生との交流で学んでいるエイサーは、小学生が「ダイナミック琉球」を、中学生が「獅子ゴンゴン」を、全員で「島人ぬ宝」を披露してくれた。太鼓の音が乱れることない、クオリティーの高い演技が来場の皆さんを魅了し、中には涙を流す方々もいた。

純朴で、真面目な児童・生徒たち。学校に協力的な保護者。児童・生徒に寄り添う先生。上野地区の子供たちを見守ってきた地域。小さい地区ながらも、生徒と、保護者、地域が一つにまとまった学校である。4月から11名の2,3年生と11名の新入生、合わせて22名を預かる高千穂中学校の校長として、重責をひしひしと感じる。上野中学校でのこれまでの素晴らしい伝統を受け継ぎながら、高千穂町唯一の学校としての誇りを胸に、新たな学校づくりに努めていきたいと考える。