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【校長室】慎独

昨年2学期の終業式のあいさつで「これからのあっという間の1年間を来年末に振り返ったとき、『幸せだった』『楽しい1年間だった』と言えるように」と話をしました。2,3年生はおそらく覚えていてくれていると思いますが。皆さんは、この1年間をもう振り返ってみましたか。

今日は、明日から冬休みを迎えるにあたり、「慎独」という言葉についてお話をします。漢字は「慎む」という文字に孤独の「独」と書きます。

現在、日本各地では様々な災害や事故による死亡事故、闇バイトの誘惑など、危険なことがたくさん発生しています。先週水曜日は、保護者迎えによる一斉下校を行いました。急なお願いにもかかわらず、保護者の方々のご理解とご協力を得ることができ、何事もなく全生徒の下校を完了することができました。保護者の方々にも「ありがとうございました」と伝えていただければと思います。

今年の冬休みは13日です。保護者の方々もお仕事等で常に皆さんと一緒にいるわけではありません。その間、皆さんは、自分で考え、判断し、行動しなくてはいけないという、一人の時間が増えるということです。そういう、人が見ていないところでは、たとえよくないこととわかっていても、ついやってしまう時があるかも知れません。人間誰しも起こりうることです。それは、校長先生のような大人にだって言えることです。

先ほど、各代表のみなさんが2学期を振り返ってくれました。

1年生は、学年の反省として、時間を意識して行動することと忘れ物の多さを課題として取り上げ、その解決のために、時間を意識して、計画的に行動することを

2年生は、学級委員長として自分が模範的な生徒になるということや様々な行事を通して、達成感や充実感を味わうとともに団結することの難しさを改めて感じたことを

3年生は、受験勉強に向けて、自分の弱点を見つめ、先生方からアドバイスをいただき、限られた時間の中で効率よく勉強していきたいと

そして、生徒会からは、自分の思いを人に伝えることの難しさや次のステップに進む上での準備をしましょうという話がありました。

代表の皆さんが、2学期の反省をもとに3学期の抱負を語ってくれましたが、皆さん一人一人が心身共に健康で安心安全な生活を送ることができて、初めて新たなスタートをきることができるのです。自然災害に遭遇した際は、「想定外を想定する」。これはずいぶん浸透してきたと思いますので、冬休みのように一人になることが多い長期休業中も気を付けていきましょう。

冒頭で話した「慎独」とは、いかなる状況でも自分を律することができるかを問うことばです。儒教の思想を記した「大学」という古典に書かれている「君子は必ずその独りを慎むなり」から来ています。意味は「自分一人の時でも行動を慎み、道を外れないようにする」ということです。人が見ていなくても、見られているときと同じような行動をとることが大切です。人が見ていないということは、自分しか知らないということ。少しぐらいならいいではなく、「慎独」のとおり、自分一人の時間でも行動を慎み、人としての道を全うするよう心掛けてください。これは、みなさんの健康や安全のためにもぜひ実践してほしいと思います。最終的に、皆さんが何事もなく、無事であることが、校長先生の一番の願いであります。

みなさんが令和7年も日々充実した楽しい生活が送られることを願いながら、令和6年というこの幕を閉じたいと思います。

みなさん、よいお年をお迎えください。

令和6年12月24日  校長 金 丸 智 弘