【校長室】場の力
コロナ禍の制約が緩和され、学校経営は新たな局面を迎えている。学校は、予測が極めて困難で、確固たる答えを見いだせない状況の中でも、様々な問題と向き合い、自身の在り方や行動について考え、主体的に課題の解決に向かうことができるような人財を育てる場であると私は思う。とはいっても、実際には、様々な要因が複雑に絡み合っており、それぞれの立場によって課題意識も異なり、持続可能な社会を実現するにはどうすべきかということを学校教育の場で取り上げることは、答えのない問いに向き合うことともいえる。
本校赴任5か月が過ぎたが、生徒指導主事、学年主任、教務主任等、様々な立場での経験が私を支えてきた。特に生徒指導主事としての経験は、校長の職責を果たす上でも大きなバックボーンとなっている。生徒指導は校則に関する指導や問題行動の対応と思われがちであるが、本来は、生徒の人権や個性を尊重しながら、社会における自己実現に寄与する人間教育である。したがって、生徒自らが考え、判断し、主体的に行動しながら、個性の発見や良さ、無限の可能性等の伸長をサポートし、自己指導能力を習得できるような積極的生徒指導を実践するよう、先生方にお願いしてきた。本校は正直言って、生徒指導困難校ではない。落ち着きがあり、純粋で素直な生徒で学校が成り立っている。多少無茶をしがちな生徒がいたとしても、本校には様々な場面でそれを許さない雰囲気がある。いわゆる「場の力」である。
2020年度から全面実施された新学習指導要領が目指しているのは、学力の向上というよりもむしろ、「自ら発見した課題について主体的に考え、多様な立場の人々と議論を重ね、『正解』や『最適解』ではなく、『納得解』を生み出すことができる資質・能力を育てること」ときいたことがある。これからの教育は、生徒たちの未来を見据えているだけではない。「知・徳・体を一体で育む」という、これまでのすばらしい日本型学校教育の在り方をさらに進化させ、目の前にいる生徒たちの「今」をどうするのか。明日の自分のために、何を考え、何ができるようになっておくべきかという、いわゆる「生きて働く」知識・技能の習得であり、そのために何をどのように学ぶかが問われている。そう考えると、これまで実践してきた生徒指導と深く関わりのある一面も多いように思える。したがって、教職員が、自らの過去の経験や体験だけに基づいて「生徒のためにならない」と身勝手な判断をして、生徒の学習の機会を一方的に制限することは絶対にあってはならないし、そこには生徒たちの可能性を奪いかねない危険がある。このことについて、我々教職員は最善の注意を払わなければならないと考える。学校経営が生徒の将来に大きな影響を及ぼすことを深く自覚し、全職員で本校の学校教育に取り組んでいけるような職員の「場の力」を構築していきたい。まさに、生徒たちから学んだことである。
令和5年8月25日(金)
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お願い
本校の体力向上プランでは、学校部活動や社会体育活動の推奨とその整備を推進しています。また、1キロウォーク(自力登校)を実施しています。本校は、校区が広く、バス通学や送迎の割合も高くなってきていますので、特に送迎についても、登下校時の運動量を確保するために、学校手前1キロまでの送迎をお願いしています(体調不良やけが等の場合を除く)。正門前の中学校前通りは、登下校の生徒が密集し、非常に危険です。また、最近、学校のすぐ上の新塚原・高千穂線で、生徒を送迎している姿をよく見かけるようになりました。通勤される方の車も多く、危険ですし、時折渋滞が発生するなど、地域の方々に迷惑になりますので、ご遠慮いただき、1キロウォークへのご理解とご協力をよろしくお願いします。
校長
教室配置 教室配置.pdf
校時程 通常校時程.pdf
校時程 委員会校時程.pdf
〇 荒天時に関するお願い
大雨や台風、大雪その他様々な事象により生徒の身の危険があると判断される場合は、たとえ休校などの措置連絡がなくても、無理に登校させたりすることのないようにお願いいたします。学校との連絡が通じる時間帯に、連絡していただければ柔軟に対応していきますのでご理解ください。まず、お子様の身の安全を確保することを最優先した対応をよろしくお願いいたします。
【地震発生時の登下校マニュアル】
◎ 南海トラフ地震の発生が心配される中、本マニュアルをもとに各学級でどのように行動すればよいのか。各家庭での決まりや約束などを決めておくことなどを確認しました。各家庭におかれましても、万が一の場合にどのようにすればよいのかを話し合ったり、決めたりする機会にしてもらいたいと思っています。なお、本マニュアル(データ)は、マチコミメールで送付いたしますので、ご確認ください。