日誌

2学期終業式

2学期の終業式で次のような話をしました。

 長い2学期が終わります。2学期は多くの行事が行われた学期でした。暑い中で生徒全員が一生懸命に取り組んだ体育大会から始まり、3年生の就職試験、はまぐり祭、修学旅行、インターンシップ、工場見学を実施したクラスもあったと思います。充実した時間を過ごせたでしょうか。
先ほど2つの部活動の壮行式を行いましたが、今年度も、多くの生徒が、九州大会や全国大会に出場しました。とてもうれしい成果を出しています。運動部・文化部・工業技術部などの活動において、本校の先生方の技術力の高さと、生徒諸君の意欲がこの結果を生んだものであると思います。皆さんの目の前には、素晴らしい技術力・指導力を持った先生方がいます。ぜひ、その先生方から多くの事を学び身に着けて成長して欲しいと思います。
 今日は2つの話をします。
 1つ目は校歌についてです。校歌は他の歌とは違い、珍しい特徴があります。
それは個人の好みや流行にかかわらず「その学校に通っている」という理由で歌うことになるということです。校歌というのは、同じ時間や同じ空間を共有した証になります。
そして、歌は思い出と結びつく力を持っています。友達のことや学校行事、部活動、中には叱られたことなども、学校生活の記憶として強く繋がります。だからこそ、卒業式で歌うときには、「友達と別れるのだな」とか「この学校にはもう来ないのだな」とか感慨深く、しみじみとしたものになり、校歌はその人にとって格別に大切な歌になるのです。
 皆さんは、日向工業高校の校歌を歌えますか。 
コロナウイルス感染症対策の為、皆さんは校歌を歌う機会があまりなかったのではないでしょうか。3年生は、後2ヶ月程で卒業です。後何回校歌を歌えるでしょうか。
1・2年生にとっても大事な歌となる校歌です。ぜひ、日向工業高校の生徒として誇りを持って校歌を歌って欲しいと期待しています。
 2つ目の話です。「次工程はお客様」いう言葉があります。
工業の世界でよく使われる言葉です。日本を代表する大きな会社であるトヨタ自動車においてもよく耳にする言葉だそうです。次工程とは、「次の工程(作業)」という意味です。
車を作る生産ラインを想像してください。車体を作る生産ラインで、自分が作業したその後の作業を「次の工程」つまり「次(じ)工程」と言います。会社や工場などの組織では自分一人で完結する仕事はほとんどありません。自分の次に続く人たちが気持ちよく仕事を進められるためにも、「次工程はお客様だ」という意識を持つことが大切だという事です。次の工程の作業をする人をお客様と思い、その人が喜ぶような仕事、例えば、部品の留め方を工夫するなどのちょっとした心配りをしましょうというものです。企業では、「そこに働く社員みんながその様な意識を持って仕事をすることで、よりよい製品を作ることが出来る。品質が上がる」と言われています。自分の作業・行動の後、その次の工程の人が気持ちよく作業出来るように環境や自分の行動を整えることは必要なのです。本校は工業高校です。本校を卒業した多くの生徒諸君は、企業で「もの作り」に携わります。その時、この考え方は重要になります。「自分さえ良ければよい」「自分が楽できればよい」といった利己的で自分勝手な考え方ではなく、「自分の周りにいる多くの人」とのつながりを意識し、まさに「次工程はお客様」という考え方を持つことが日向工業高校の生徒にそして未来の社会人として必要な考え方だと思います。相手や周囲を思いやる心を、1人1人育んでください。