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【天文&国際交流】中谷財団科学教育振興助成(2年目)に採択されました

本校サイエンス科生徒による活動が

公益財団法人​中谷財団の「科学教育振興助成」に今年度も採択されました!

2年目です!

この研究助成は、児童生徒たちの論理的思考力や創造性を育むため、複数の高校で連携した科学教育の取り組みを支援する助成制度です。

2年目の研究題目は「星食現象の国際共同観測による天文学と教育の連携」です。

 

夜中の高校で観測を行う高校生の謎・・・(活動の許可はもらっています)

 

さて、星食観測について、ここで少し紹介します。

星食とは、月や小惑星が恒星を隠す現象です(月が太陽を隠す日食なども、この仲間です)。

上の図で、影の中にいる人たちから見ると、恒星が消えるわけです。

※厳密には、月が恒星を隠す現象を「星食」、小惑星が恒星を隠す現象を「小惑星による恒星食」といいます。

 

この「影」が地球をずーっと進んで行くのですが、この道を「掩蔽帯(えんぺいたい)」といいます。

掩蔽帯にいる人は、星食を観測できます。

 

予報をもとに、対象の恒星を望遠鏡に導入しておくと、このように一瞬だけ星が消えるのです。

小惑星は非常に小さく、例え話ですが100m先の0.1mmの粒くらい小さいのです

これはもう、望遠鏡で小惑星そのものを確認することは不可能で、探査機を飛ばして近くに行くしかありません。

ところが!

 

 

正確な時刻を記録した星食観測結果を集めると、上の図のように小惑星の形を求める事が可能です!

 

 

ただし、とても暗い小惑星を、正確な時刻とともに観測するには、かなりの技術が必要です。

 

昨年度は本校が中心となり

兵庫県立三田祥雲館高校、兵庫県立小野高校、愛知県立一宮高校の4校合同での星食観測コンソーシアムを立ち上げました(これが中谷財団による研究助成の1年目です)。

 

オンラインによる4校の事前学習を複数行い、各校での星食観測練習も積み・・・

学術的に意義深い、小惑星(3200)Phaethonによる星食観測に挑みました。

 

この小惑星は、有名なふたご座流星群の母天体であり

2028年打ち上げ予定の小惑星探査機DESTINY+がフライバイ観測する予定の小惑星です。

事前に星食観測で形を把握できれば、学術的に大きな成果だったのですが・・・

 

4校による共同観測では、当日は惜しくも雲が出てしまいました。

天文現象なので、そういうこともあります。

 

それでも各校で独自に他の小惑星による星食観測を行い、一定の成果を残しました。

 

さて、そんな星食観測の2年目ですが・・・

この事業は、世界に進出します!!

 

宮崎北高校をはじめとする日本チームは、

宮崎北高校の姉妹校であるタイのカセサート大学附属高校との共同観測に挑みます!

 

日本とタイを結ぶ掩蔽帯が複数見つかりました!

 

IOTA/EA(国際掩蔽観測者協会東アジア支部)の皆様や

タイ国立天文台NARITの皆様の支援も受けながら2年目の活動に入っていきます!

 

離れていても、共に同じ現象を観測できる・・・というのが星食観測の大きな魅力です。 

 

先端的な科学研究に取り組む宮崎北高校の活動の一端を紹介いたしました。

北極星(ほし)に至らんをスローガンとする宮崎北高校らしく

天文研究も活発に行っているのでした・・・。