学校日記
あれから8年。
今日は、「3・11」。東日本大震災から8年目を迎えた日です。14時46分の町のサイレンに合わせ、下校した1年生以外の子どもたちと職員で黙祷を捧げました。
震災当日、私は、港が目の前にある海からわずか数十mしか離れていない学校に勤務していました。その日は金曜日、「お別れ遠足」で全校児童が海岸近くの道路を歩いて目的地の海沿いの公園に行っていた日でした。
学校で留守番をしていた私の耳に第1報が入ったのは、たまたま息子さんの受験に同行し関東に行っていた先生からの「大きな地震で、大変なことになっている」という電話でした。慌ててテレビを付けて、学校に残っている職員と見た津波が街を飲み込む映像に背筋が凍ったことを思い出します。
すぐに遠足に同行していた校長先生に大地震と津波警報発令について電話連絡し、全員電車で帰校、全校児童が無事に自宅に帰ったことを確認してほっとしたのも束の間、地区の方々が学校に避難に来られました。少しでも高い所をと、2階教室を避難所として受け入れ体制を取ったことを今でも思い出します。もし、あの日、日向灘で大地震が発生し、この宮崎の海岸にも大きな津波が押し寄せていたら・・・、それを思うと今でもゾッとします。
死者1万5千人超、未だ行方不明の方5千人超、震災関連死の方も含めると計2万2千人以上の方が犠牲になられ、今も5万人以上の方が避難生活を余儀なくされていると聞きます。あの日を境に、生活が、人生が一変してしまった方は数限りありません。大きな傷が癒える日は生涯来ないことかもしれません。そのような方々の思いを無駄にすることがないよう、私たちは、この日を語り続け、後世につないでいかなくてはなりません。
近い将来必ず起こると言われる南海トラフ巨大地震での被害が少しでも減るように、「命」を守ること、隣近所の方々と連携・協力することなど、改めて真剣に考えていく機会であり、それが毎年「3.11」を迎える私たちの務めだと考えます。
☆ 「あと2ヶ月で終わる『平成』の時代には、大災害が大変多かったこと」、そして、「『平成』から学ぶことの一つが、
災害から「命」を守ることについて考え、行動すること」。今月初めの全校朝会でも子どもたちに話をしたところです。
まるでロケット発射台!
本校の玄関を入ると、すぐに天窓のある吹き抜けのホールがあります。吹き抜けですのでとても開放感があり、また、天窓からは、暖かな陽光が降り注ぎます。ここ数年、この場所で入学式や卒業式、全校朝会や集会等も行っており、いろいろと多目的に使える便利なスペースです。
しかし、「森の学校 押方小」も築約20年を迎え、特に今年度は、大雨や台風になると天窓からぽたぽたと雨漏りが見られるようになりました。学校が休みの日に大雨が降り、翌日来てみるとホールに水たまりが・・・。それ以降、雨が強い時や休日雨が降りそうな前日は、その都度床が濡れないようにたらいを準備する始末。町教育委員会にお願いし、学習発表会も終わった今週、工事に入っていただきました。これで、もし卒業式の日が雨になったとしても心配しなくてすみます。
結構大がかりな作業で、ホールに足場が設置されると圧巻!まるでロケット基地の発射台のようでした。子どもたちも、見上げて「すげー!」と驚きの声を上げていました。
☆ 足場の組み立て時、作業員の方々は、互いに大きな声をかけあいながら作業をされていました。安全確認が第一というこ
とでしょうね。雨漏り修理も無事終わりました。ありがとうございました。これでたらいの出番もなくなります。
「夜神楽」の時期を迎えました!
北の地方からようやく雪の便りが届き始めました。いよいよ冬へと季節は進んでいくようです。ここ高千穂も朝夕はずいぶん冷え込むようになってきました。同時に「夜神楽」のシーズンも到来です。
高千穂町の「夜神楽」は、国の重要無形民俗文化財にも指定され、秋の実りへの感謝と翌年の五穀豊穣を祈願して、夜を徹して三十三番の神楽が奉納されます。先週17日(土)に町内の夜神楽がスタートし、町内各地区で2月上旬まで開催されます。押方地区でも17日(土)の中畑神社を皮切りに、12月1日(土)は二上神社、8日(土)は嶽宮神社の3つの神社の夜神楽が開催されます。
中畑神社の夜神楽は、五ケ村東活性化センターを神楽宿として催されました。この夜神楽に、今年も本校の子どもたち4名(4年生1名、6年生3名)が奉仕者(ほしゃどん)として神楽を舞いました。学校で見せる表情とは違い、真剣な眼差しと凜々しい姿で舞う表情は、まさに「神の子」。舞が終わると、無事に舞い切った安堵感や満足感からか、また和やかな表情に戻っていました。それにしても、優に20~30分はあろうかという時間、笛・太鼓に合わせいろいろな動きを間違わずに舞う姿には、感動です。9月ぐらいから神楽保存会の方々との練習が始まり、本番近くになると週3~4日は練習してきたようです。それにしても堂々とし、観客からもたくさんの大きな拍手をもらっていました。
子どもたちの保護者やおじいちゃん方も奉仕者として神楽を舞い、笛や太鼓を担当しており、親子2世代・3世代で演じる姿に、代々続く伝統を守り、受け継がれていく様子を間近に見ることができました。これからも末永く途切れることなく続いていくことを願っています。
☆ たくさんのお客さんの前で堂々と舞う姿は、とても凜々しくかっこよかったですよ!将来、自分の子どもや地域の子どもたちに、素晴らしい伝統を引き継いでほしいと思います。
☆ 12月1日の二上神社の夜神楽にも、本校の子どもが舞うようです。楽しみです。町内の先生方と学び合いました。
毎年、高千穂町では、町内各小・中学校の先生方が輪番担当の小・中学校に集まって授業研究会を行っています。本年度は、14日(水)に岩戸小と押方小の2会場で実施されました。本校には、町内小・中学校から約20名の先生方が来校されました。
はじめに研究授業でした。6年担任が理科「てこのはたらき」の授業を公開しました。「てこはどういう場合に水平に釣り合うか」を学習課題として、水平に釣り合う場合を予想して実験用てこを使って実験し、結果から水平に釣り合う条件を導き出すという内容の授業です。6年生の子どもたちは、自分なりの予想を立て、ペアで協力して生き生きと実験に取り組みました。実験が終わった後は、各自タブレット端末を用いて、てこが釣り合う場合の確認をしました。学習したことを振り返ったり、理解・定着を確認する小テストをしたりする時間も予定していましたが、時間不足でできませんでした。次の理科の時間に取り組むということです。
そして、研究協議。参加者全員が主体的に参加できるようにグループ協議として、本校の先生方がファシリテーター(進行役)となって進めました。グループは、各小学校・中学校(担当教科もさまざま)の先生、栄養教諭、養護教諭、管理職などが入り交じった5~6人の編成でした。今回の研究授業をベースに、各学校やそれぞれの先生方の日頃の授業実践も振り返りながら、話し合いました。短い時間でしたが、時間いっぱい活発な協議がなされました。協議したことは模造紙にまとめ、それを見せながらファシリテーターがグループで出た意見等を報告し、参加者全員で共有しました。
今回の研究会は、他校の先生方の貴重な意見や感想をたくさんいただくことができ、本校にとってもこれからの授業改善に大いに役立つ研究会となりました。再度、みんなで研究会で出された意見などを確認・整理して、子どもたちの学力向上に向けての取組を充実させていきます。参加された各学校の先生方、本当にありがとうございました。
☆ たくさんの先生方の授業参観に緊張した様子も見られましたが、実験に入ると、みんな生き生きと取り組んでいました。6年生、しっかり頑張りましたね!
☆ 参加者全員が意見を出し合い、大変有意義な協議会となりました。活発な協議の中で、今後の授業改善へのヒントや参考
となることをたくさんいただきました。感謝いたします。
先生たちの読み聞かせ会「おはなしランド」。
今朝、「読書推進強化月間」中の「秋の読書まつり」の取組の一つ、本校職員による読み聞かせ会「おはなしランド」を行いました。
事前に、先生方に読み聞かせする絵本を選本してもらい、そのあらすじや紹介文を図書館教育主任が一覧表にまとめました。その一覧を見て、子どもたちは、どの絵本の読み聞かせが聞きたいか選びます。しかし、子どもたちには、どの先生がどの本を読み聞かせるか、当日まで内緒です。
昨年度、私が紹介した本を選んでくれたのは、3年生がたった1名。マン・ツー・マンの読み聞かせでした。今回はどうかな?と不安でしたが、3年生から6年生まで13名が集まってくれました。全校の約3割です。人数が多いので図書館で行いました。
朝から笑顔となる楽しい内容をと選んだ絵本でしたが、子どもたちも反応よく笑ってくれて、ほっとしました。時間があったので、予定していた絵本以外にもう1冊、やはり笑える絵本を読み聞かせました。
他の先生方も、自分の教室以外の教室や特別教室などで、それぞれの先生方の思いで選んだ絵本を読み聞かせしました。いろいろな先生方の思いや特徴があって、せっかくなので全ての先生方の読み聞かせを子どもたちに聞かせてあげたいな、と思いました。次年度以降の検討事項とします。
読書まつり期間中は、昼休みに図書委員会の子どもたちも絵本や紙芝居の読み聞かせをしてくれています。先日は、県立図書館の方から読み聞かせをしていただきましたが、来週は、地域の「どんぐりの森」の皆さんの読み聞かせもあります。期間中、押方小の子どもたちは、たくさんの人の読み聞かせを聞く機会に恵まれます。さらに読書好きの子どもが増えるといいな、と期待しています。
☆ 先生方も結構ドキドキの「おはなしランド」。先生方が今日読み聞かせしてくださった絵本は、しばらく図書館に飾られます。ぜひ、手に取って読んでみましょう!
さて、来年、先生方はどんな絵本を読み聞かせしてくださるのでしょうか?お・た・の・し・み・に!!
雲海の雲に包まれながら。
近頃は、朝の気温も1桁台の日が増え、秋の深まりを感じます。そして、9月下旬から11月上旬にかけてのこの時期は、お待ちかねの「国見ヶ丘の『雲海』」の季節でもあります。
今日も、子どもたちが登校する頃、通学路や学校周辺は霧に包まれていました。霧と言っても、実は「雲海の雲」。子どもたちは、雲海の雲の中を登校しているのです。このような日に校区内の絶好の雲海スポット「国見ヶ丘」に上がると、眼下の高千穂の街は雲の海の中となります。
雲海は、いくつかの条件が揃わないと出現しないようですが、もうしばらくは絶景の雲海に巡り会うチャンスがありそうです。学校から車で7~8分で行ける国見ヶ丘ですので、「雲海を見てから出勤!」、そんな贅沢な環境で働けることに感謝!!です。
☆ 雲海の雲の中を登校してくる子どもたち。本校の「校章」(トップページに表示)にも、三本の波模様で「雲海」が表されています。
☆ 雲海を堪能しつつ御来光が拝めます。空気もひんやり、清々しい気持ちになります。
食べれば美味なのですが・・・。
本校の職員室側駐車場南側「希望(のぞみ)の階段」を上がったすぐ脇に、大きなイチョウの木がそびえています。イチョウの側らには小さな記念碑もあります。碑には、明治39年本校初代校長が地区の方から譲り受け、当時校長先生が受け持たれていた4年生の卒業記念に植樹されたと、イチョウの由来が記してあります。100年を超える歴史の中で、これまで数多くの押方小の子どもたちの成長を見届けてきたイチョウの木です。
さて、このイチョウ、100年以上経った現在もまだ健在で、この時期にはたくさんの銀杏の実を付けます。そして、ここ2週間ほど毎日多量の銀杏が落ちています。由緒あるイチョウの木ではありますが、ご存じの通りの強烈な臭いは、教室の窓も開けられないほどです。
教頭先生が毎日のようにきれいに掃いていますが、掃いている先からポトポトと落ちてきて、らちがあきません。一部食用にと、水に浸けたりもしていますが、あまりの量の多さに、もったいないとは思いますが、ほとんど廃棄処分です。
まだまだ木にはたくさんの銀杏の実が付いています。全ての実が落ち切るまでは、しばらくは奮闘です。しかし、やがて秋が深まれば、燃えるような黄金色に輝き、今度は見る人を楽しませてくれるはずです。それを楽しみに待ちたいと思います。☆ 食べるとおいしい銀杏も・・・。欲しい方がいらっしゃれば、遠慮なく拾いに来てくださって結構です。
ご長寿、誠におめでとうございます。
昨日17日(月)は、「敬老の日」。押方地区では、16日から17日にかけて各公民館単位で敬老会が開かれました。
私も招待を受け、教頭と共に16日は3地区、17日は1地区の敬老会に参加させていただきました。どの地区の敬老の皆様もとてもお元気そうな笑顔で迎えてくださり、うれしい気持ちになりました。ご年配の方は大正から、そして、激動の昭和、平成の時代をたくましく生き抜いてこられた皆様のおかげで、今、平和な日本があり、私たちが幸せに暮らしていけることのありがたさを改めて思い返す時間となりました。
また、敬老の皆様に喜んでいただこうと各地区とも演芸大会が催され、出し物や演芸などで大変盛り上がりました。地区の方々の見事な演芸に私もつい顔がほころびました。同時に、地区の強い連帯感や一体感も感じたところです。地区内の押方小の子どもたちも子供会として踊りや歌、自己紹介などで参加しました。微笑ましい子どもたちの姿で敬老の皆様をお祝いし、笑顔と元気をプレゼントできたようです。
あと半年ほどで平成も終わり、次の新しい時代の幕が開きます。敬老の皆様には、ぜひ新時代もますますご健勝でお過ごしいただきますようご祈念申し上げます。
各地区の皆様には敬老会にお招きいただき、本当にありがとうございました。また、大変お世話になりました。
☆ 押方小の子どもたちも元気な姿で敬老の皆様をお祝いしました。9月30日(日)の運動会のPRもしてくれました。運
動会で、また、子どもたちの元気な姿をお見せします!
校長室が快適になりました!
今日で8月も終わり。この8月も全国的に記録に残るような猛暑・酷暑が続きました。この高千穂も猛暑日とまではいかないまでも、連日の暑さにはさすがに堪えました。
ところで、本校の校長室は数年前からエアコンが故障しており、昨年度赴任した私も、昨年、今年と夏場はサウナ状態の校長室に閉口の日々でした。私以前の校長先生方もよく我慢されていたな、と思います。校舎の構造上、風通しもよくなく西日も差し、午後からの室内は33~34℃になることが多かったのです。特に湿度も高い日は、不快指数も上がりっ放し。なんとか扇風機とこまめな水分補給で私自身が熱中症になることはありませんでしたが、エアコンの利く教室や職員室がうらやましい限りでした。
夏も終盤を迎えた今日、ようやく待望のエアコンが新たに設置されました。近頃は朝夕が涼しくなり、秋の気配を感じることも多くなってきましたが、まだまだ昼間は残暑で気温の高い状態が続くことと思います。しかし、これで気持ちよく職務に集中できますし、来客者にも快適に過ごしていただけます。そして、いろいろな会議も校長室で開くことができます。本当にありがたいです。町当局に御礼申し上げます。
☆ 残りの夏、省エネにも気を配りながら、適切に活用させていただきます。この夏、児童クラブにもエアコンを設置していただきました。快適な環境の中で、私も子どもたちも気持ちよくまた健康的に過ごせます。ありがとうございました。
登校日にて。
今日から8月。学校は、夏休み唯一の登校日でした。
全校朝会を行いましたが、この8月は、どうしても子どもたちに伝えたい内容があり、昨年に引き続き、話をしました。「8月は、『平和』を考える月」というテーマです。広島・長崎の原爆投下、そして終戦と、この8月は、先の大戦に関わる大きな出来事があったこと、「命」や「平和」について考える大事な月であることを子どもたちに語り継いでいく必要があるとの思いからです。
まず、子どもたちに、絵本「8月6日」を読み聞かせました。この絵本は、絵本作家の中川ひろたかさんが、広島でなくなった自分の伯父、被爆者となった自分の母の体験を描き伝えられた絵本です。子どもたちが戦争の悲惨さを感じ、平和について考えるきっかけになれば、と読み聞かせをしました。
それから、8月6日、9日の広島と長崎での原子爆弾による被害や15日の終戦の日について説明しました。
そして、「今、日本が『平和』なのはなぜでしょうか?」、「みんなが大人になったときも『平和』は続いているでしょうか?」と問いかけ、「どうすれば『平和』な世の中が続くか、考えましょう。」と、話を閉じました。
今年で、戦後73年を迎えます。年々、戦争を直接体験された方々が高齢化する一方で、戦争を語り継ぐ方も減っています。私のように戦争体験がない者の知り得る範囲の情報であっても、辛い過去の出来事を語り伝えていくことは教師としての使命でもあるとも考えています。そして、子どもたちが命の尊さに目を向け、戦争と平和について考え、日本はもちろん、世界中からあらゆる戦争や内戦などがなくなる平和な世の中を希求し、行動する人間に育ってくれれば、と願っています。
8月を迎えて、テレビなどでは、戦争にまつわる報道やドラマ、ドキュメンタリーなどもこれから増えてくると思います。戦時中を体験したおじいちゃんやおばあちゃん方の話を聞くのもよいでしょう。ぜひ家庭でも話題にされ、親子で平和について考えてみるとよいと思います。
☆ みんな真剣に話を聴いてくれましたね。戦争のない「平和」な世の中にするために、自分は何ができるか、この機会に考
えてみてくださいね。
☆ 残り25日の夏休みも、安全にきまりよく、有意義に過ごしてくださいね。次は、2学期の始業の日27日(月)に元気
に会いましょう!
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