スクールワイドPBSとは

 スクールワイドPBSは学校の生徒指導(支援)体制づくりの手法の1つです。一般に生徒指導と言いますと、とるべきではない行動を無くすための指導をしていくというイメージが強いと思います。スクールワイドPBSではその逆で、とるべき行動を増やすための指導を行います。

 スクールワイドPBSを実践する上で本校が大切にしていることは、どの生徒もとるべき行動を自ら実行できる環境をつくるということです。具体的には、学校の様々な場面ごとにあらかじめとるべき行動を決めておいて、一つ一つの行動について意義ややり方を説明したり、モデルを示したり、また行動を意識できるようにポスターを掲示したりするなどして、全職員で全ての生徒がその行動を実行できる環境をつくります。そして教員がしっかりと見届けて生徒がとるべき行動を実行できたときには、できたことを認め、生徒がまたその行動をとりたいと思うようなフィードバックをします。このようにして実践を積み重ね、全ての生徒に対してとるべき行動を増やしていきます。

 飫肥中学校では、スクールワイドPBSの実践をとおして、生徒の自己肯定感を高め、主体的に学びに向かう態度や意欲を育成することを重点目標として取り組んでいます。

スクールワイドPBS行動目標

 飫肥中学校では、行動目標を職員と生徒会役員が協力して話し合い、策定しました。
検討にあたっては、

・肯定的な表現であること
・読んだ生徒が具体的な行動を思い浮かべられること
・行動できているかを誰もが分かりやすく判断できること

の3点を大切にしました。
 話し合いの場では、職員が「少し抽象的で、生徒には行動がイメージしにくいのでは」と感じた表現についても、生徒からは「こちらの言い方の方が、何をすればよいか分かりやすい」といった前向きな意見が出され、活発な意見交換が行われました。
 こうして、生徒と職員が一緒につくり上げた飫肥中学校の行動目標が完成しました。

スクールワイドPBSの行動目標飫肥中学校行動目標(完成)太字版.pdf

スクールワイドPBSの取組

令和7年度スクールワイドPBSの取組

スクールワイドPBSをテーマにディベート! ~ 生徒総会Ⅱ

 

 11月14日(金)、今年度2回目となる生徒総会を開催しました。今回は、ディベートを通してスクールワイドPBSへの理解を深めることを目的とし、各学年が PBS に関するテーマを設定したうえで、学級ごとに是・否の立場から討論を行いました。

 1・2年生の共通テーマは、「飫肥中学校生のあいさつを向上させるためにはシールが必要である」でした。これは、以前実施したあいさつキャンペーンで、先生方があいさつのできた生徒にシール(チケット)を渡した取組に基づいて設定されたものです。各学級では、代表の3名のディベーターを中心に活発な議論が展開されました。
 肯定側からは「1学期のキャンペーンでは、あいさつをする生徒が実際に増え、一定の効果が見られた」といった意見が述べられ、否定側からは「そもそもあいさつは相手への礼儀を示す行為であり、シールがなくても飫肥中生は自然にあいさつができるはずだ」といった主張がありました。

 3年生のテーマは、「スクールワイドPBSが目指すのは、生徒全員が同じ行動をとることができる学校である」でした。肯定側からは「集団としての質を高めるには、一人ひとりが共通のルールに沿って行動することが不可欠である」との意見が出され、否定側からは「飫肥中のスローガン『違いを力に変える』が示すように、目標は同じであっても行動への移し方については多様性を大切にすべきである」との主張が述べられました。

 いずれの学年でも、学級全体が協力し、鋭い質問や丁寧な応答を重ねながら、真剣に意見を交わす姿が見られました。

 今回のテーマは、実際にスクールワイドPBSを進めるうえで、私たち教員の間でも議論となる難しい内容です。そうした課題に向き合い、ディベートに主体的に取り組んだ生徒たちは、PBSへの理解を一段と深めてくれたように感じます。
 今後は、生徒会を中心に、さらに実践を積み重ねていく予定です。生徒たちの主体的な取り組みに、大いに期待しています。

スクールワイドPBSをテーマとしたディベートの様子スクールワイドPBSをテーマとしたディベートの様子スクールワイドPBSをテーマとしたディベートの様子スクールワイドPBSをテーマとしたディベートの様子

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スクールワイドPBSの取組