キャリア教育

決意の3333段 其の2

 100段ごとに目印があり今の自分の位置を知らせてくれた。500段目で息が上がり、1000段目で心が折れた。どうしよう、やめるか、願掛けが・・・・立ち止まり、しゃがみ込みどうにか上り続けた。上り終えた人がさわやかな顔で降りてくる。すれ違いざまに
「こんにちは」「がんばってください」と声をかけてくれる。しかしその声にも反応できないくらい心身ともに追い込まれていた。軽い気持ちで来てしまったがもう後には戻れない。ただひたすら3333段目をめざして上り続けた。願い事は無事に登り切ることになっていた。のぼりはじめて1時間40分ようやく最後の石段を上がることができた。晴れやかさとか達成感ではなく「やっと終わった」しかし、すぐに気付いた上ったということは最初の場所まで下らなければならない。3333段の下りの石段が待っている。そして理解できた、同世代くらいの人たちが素早く駆け下りていたわけ。それは軽やかなのではなく重力に任せて滑り落ちていたのだと。自分の意志で下っているのではなく「手すり」に身をゆだねて足が勝手に石段を滑り落ちていく。およそ1時間かけて3333段を転がり下りた。